英文資料に基づき1997年に作成したものです。
私有限責任会社設立のための必要事項についての覚書
(Memorandum on Action to be Taken for the Incorporation of a Private Limited Company)
(日本語版資料作成:川村真文)
新会社が予定する事業活動によっては、関係する政府当局または法定機関の承認が必要となる。
新会社の名称を会社および事業登記官(Registrar of Companies and Businesses)(以下「登記官」という。)に確保しなくてはならない。このため、名称の承認および確保のため申請書(Application for Approval and Reservation of Name)(書式14)を登記官に提出し、申請にかかる各名称につき15シンガポールドルの費用を支払わなくてはならない。
名称は、それが使用できる場合には、書式14の提出日からまず2カ月間確保される。名称の確保は5シンガポールドルの費用でさらに2カ月間延長することができる。この期間内に新会社が設立されない場合、延長期間の終了後、名称の確保の新たな申請を登記官に対して再度行うことができる。その場合には、上記と同様の手続がとられなくてはならない。
設立に関し、次の書類を用意し登記官に提出しなくてはならない。
基本および通常定款(Memorandum and Articles of Association)
基本定款(Memorandum of Association)には、名称、目的、授権資本、構成員の責任の性質(すなわち、有限責任であること)ならびに引受人(引受人は最低2人)の氏名、住所および職業が規定される。上記1.の説明および効力あるシンガポール法の規定を条件として、新会社の目的は希望する限り広範に規定することができる。
通常定款(Articles of Association)には会社の規則が規定される。これは全文を記載することもできるし、選択的に、会社法(Companies Act, Cap.50)(「会社法」)第4別表(Fourth Schedule)A表(Table A)に規定される通常定款を希望する修正を加えて採用することができる。最初の取締役の氏名は基本定款または通常定款に規定されなくてはならないが、普通は通常定款に規定される。
法定遵守宣言(Statutory Declaration of Compliance)(書式6)
この書式は新会社の設立に従事する弁護士もしくは会計士または新会社の取締役もしくは秘書役として通常定款に規定される者によって宣言されなくてはならない。この書式において、宣言者は、新会社の登記に先立つ事項またはそれに付随する事項について会社法および1987年会社法規則の全ての要請が遵守されたことを宣言する。
同一性証明書(Certificate of Idnetity)(書式7)
この書式は公証人、弁護士または認定会社会計監査人によって署名されなくてはならない。この書式は、基本および通常定款の署名者ならびに基本および通常定款に新会社の役員として規定される者を特定するために要請される。
株式割当報告(Return of Allotment of Shares)(書式24)
この書式は、基本定款の署名者によって引受けられた株式に関し、最初の取締役または秘書役のいずれか1人によって署名されなくてはならない。この書式は、設立日から1カ月以内に提出することができる。しかしながら、便宜上、通常新会社の設立前に提出されるべき他の書類と一緒に提出される。この書式には、引受人の氏名、住所、身分証明(NRICまたはパスポート番号)および国籍が記載される。引受人が法人である場合、その名称、登録事務所の住所、登記番号および設立国といった詳細が記載される。
登記時の登記事務所の所在地および開業時間の通知(Notice of Situation of Registered Office and of Office Hours at Time of Registration)(書式44)
この書式は、最初の取締役の1人によって署名され、新会社設立のために基本および通常定款を提出する際に一緒に登記官に提出されなくてはならない。
取締役就任の同意および取締役不適格事由の不存在の陳述(Consent to Act as Director and Statement of Non Disqualification to Act as Director)(書式45)
この書式には、最初の取締役の詳細(氏名、住所および NRIC またはパスポート番号)が記載され、取締役不適格事由の不存在が陳述される。この書式は、公証人、弁護士、認定会社会計監査人または公認秘書役および管理人会のシンガポール協会の実務会員の面前において、通常定款に新会社の取締役として規定される者によって署名されなくてはならない。この書式は、基本および通常定款の提出時に登記官に提出されなくてはならない。
設立時の取締役、マネージャー、秘書役および会計監査人の登録簿の詳細の報告(Return Giving Particulars in Register of Directors, Managers, Secretaries and Auditors at the Time of Incorporation)(書式49)
この書式は、最初の取締役の氏名、選任日、職業、住所、NRIC または パスポート番号、国籍および最初の取締役がシンガポールの公開会社またはその子会社において有する取締役の役職の詳細が記載される。
この書式は、最初の取締役のいずれか1人によって署名されなくてはならない。上記書式24と同じく、この書式は取締役の選任日から1カ月以内に登記官に提出することができ、その場合には、取締役または、すでに選任されている場合には秘書役の1人が署名することができる。この書式は、便宜上、通常新会社の設立前に上記の書類と一緒に提出される。
最初の取締役および引受人の詳細(Particulars of the First Directors and Subscribers)
この書式には、最初の取締役および引受人の各人の詳細、すなわち、氏名、出生の場所および日、国籍、旅行書類の詳細(パスポートの番号、発行国および発行日)、職業、シンガポールおよび外国での住所ならびに過去5年間の居住国が記載される。
この書式は、最初の取締役および引受人の各人によって署名されなくてはならない。
3(a)の会社の基本および通常定款について、基本定款は引受人によって署名されなくてはならず、引受人は、署名を認証しその住所および職業を記載する最低1人の(他の引受人以外の)証人の面前において、その氏名を署名し、その引受申込を行う新会社の株式数を記載しなくてはならない。引受人は、さらに、上記証人の面前で通常定款に署名しなくてはならない。新会社の株主が法人の場合には、かかる法人が指定する者が必要な数の株式を引受ける手筈にすることができる。この場合、引受けられた株式資本は株式の実質所有者である法人によって支払われる。この場合、名義人はそれがかわりに株式を引受ける法人のために信託宣言および白地の株式譲渡書式に署名する。これらの信託宣言および白地の株式譲渡書式は株式の実質的な権利者である法人が保有する。新会社が設立されると、名義人によって署名された白地の株式譲渡書式は、名義人が引受けた株式の実質所有者またはその指定する者への譲渡のために用いられる。かかる譲渡の対価は支払われない。印紙については、株式の実質的な利益の移転は行われず、譲渡人は譲受人の名義人である旨の弁護士が署名した証明が株式譲渡書式に記載される。
株式引受けの名義人を用いる代わりに、法人自身が引受人となることもできる。この場合、法人は、基本および通常定款への署名および引受希望株式数の指定について、個人に対して委任状を供与しなくてはならない。外国法人が委任状を発行する場合、その作成についての公証人の証明書が委任状に添付されなくてはならない。委任状がシンガポールで設立された法人によって発行される場合、通常は法人印(Common Seal)の下で作成される。この場合、引受けられた株式は、新会社の設立により、法人引受人に割当てられたものとみなされる。
上記の書類を提出する場合、登記費用(Registration Fee)および書類提出費用(Filing Fee)を登記官に支払わなくてはならない。支払われるべき登記費用は新会社の授権資本に応じ、会社法第2別表(Second Schedule)細目2(その写しはここに添付される)に記載される率により計算される。支払われるべき書類提出費用は各書類につき10シンガポールドルの割合で計算され、登記官が発行する登記証明書に対してさらに10シンガポールドルが支払われなくてはならない。