シンプラル法律事務所
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経営者の条件(ドラッカー) | ||
★T 割賦販売法の全体像 | ||
◆ | ◆1 制定の経緯 | |
◆ | ◆2 制定後の法改正の経緯と概要 | |
★第6章 意思決定とは何か | ||
組織や組織の業績に対して重大な影響を及ぼすような意思決定を行うことを期待されている者こそ、エグゼクティブ。 | ||
重要な意思決定に集中 戦略的、基本的なことについて考えなければならない |
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何に関する意思決定であり、いかなる現実を満足させようとしているのかを知らなければならない ×技術的なことにこだわる、〇インパクトを与えることを求める ×賢くあろうとするのではなく、〇健全であろうとしなければならない |
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◆ | ◆二つのケーススタディ | |
● | セオドア・ヴェイル:ベル・テレフォン・システムを世界で最大の成長企業に育て上げた | |
電気通信事業を民間企業が運営するには、際立った何かをしなければならないことを知っていた。 | ||
@国有化に対する防御だけでは、せいぜい国有化を遅らせる効果のみ A防御は退嬰的でマネジメントの創造力やエネルギーを麻痺させる ⇒ 民間企業としてのベルを、いかなる政府機関よりも公衆の利益を代表する存在にするような方策が必要。 |
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第1:ベルの事業は公衆のニーズを予見し、それを満足させることであると規定 「われわれの事業はサービスである」 〜 サービスを提供することが事業であり、そのサービスを可能とし、利益をあげるものにすることが、ベルのマネジメントの仕事 |
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利益よりも、提供したサービスを評価 ベルの経営管理者には、公衆に対するサービスにおいて成果を上げる責任があるものとした。 公衆に対する最高のサービスが、ベルに対し最適の利益をもたらすように、ベル全体を組織し、財務を手当てすることが、トップマネジメントの責務。 |
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第2:国有に代わる唯一の方策として、公益のための規制の強化を考えた。 公正で効果的、かつ原則に立った公的規制は、ベルの利害に一致し、その存続に不可欠。 |
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第3:ベル研究所を設立 事業がいかに能率的であって利益をあげていようとも、そのような状況を自らの手で陳腐化してしまうことを目的とする世界最初の企業研究所 |
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研究活動が真に生産的であるためには、組織の破壊者、未来の創造者、今日の敵にならなければならない。 | ||
第4:ベルのための大衆資本市場を構築。 | ||
他の公益事業、電力会社は、自社発行の有価証券に対する投資を、1920年代当時唯一の投資家であった投機家にとって魅力あるものにしようとした。 | ||
but ヴェイル: ほとんど確定したに等しい配当のついたATT普通株。 @確定利付債券と同じように、未亡人や遺児が買えるもの A普通株⇒キャピタルゲイン(値上がり益)への期待とインフレ対策の意味もあった |
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● | GMのスローン | |
部族の長たちが割拠する連邦国家 数年前まで自分の会社だった各事業部門のマネジメントを行っていた |
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伝統的な対処方法: A:事業を譲り受けたあと、それらの強い独立心をもつ人たちはお引き取りいただく B:元の所有者たちに指揮を執らせ続け、本社からの介入を最小限にとどめる (=自社株購入権によって調整された無政府状態) |
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but スローン: 合併したばかりの会社が直面する短期的な問題としてではなく、 大企業が常に直面する一般的な問題としてとらえた。 |
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大企業にも、 @指揮の統一性と中央による統制が必要。真に権力を持つトップが必要。 同時に A事業の現場においては、熱意や強さが必要。 but スローン以外:この問題を個々の人間の問題として理解 スローン:新しい組織構造によって解決されるべき組織の問題として見た 〜 事業運営における地方自治と、 方向や方針における中央統制のバランスを図ろうとする 組織。 |
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● | フェイルとスローンの意思決定 | |
最高の概念的水準において問題と取り組んでいた。 何についての意思決定かを十二分に検討して、問題解決のための原則から明らかにしようとした。 〜 その時々の個々のニーズに対する対応としてではなく、戦略的な意思決定として取り組まれていた。 それらの意思決定は、すべてイノベーションをもたらすもの。 (=当時だれもが知っていたことと正面から対立するもの) |
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ヴェイルの通信事業はサービスである vs. 事業の唯一の目的は利益である。 |
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ヴェイルの規制は利害に一致し、ベルの存続に必要 vs. 規制は、手段を尽くしてそれと戦うべきもの、「忍び寄る社会主義」 |
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現在の工程や技術が会社に大きな利益をもたらしている時に、 それを陳腐化させるために金をかけるというヴェイルの意思決定 |
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当時一般的だった投機的な資金の調達を拒否するという意思決定 | ||
スローンの分権化 | ||
◆ | ◆意思決定のプロセスはいかにあるべきか(p166) | |
ヴェイルとスローンの意思決定の特徴 | ||
@扱うべき問題は一般的であり、そのような問題は、ルールや原則を確立するための意思決定を通してのみ解決される A意思決定が満たすべき要件、すなわち境界条件を明確に B妥協、適応、譲歩を気にする前に、正しい答え、すなわち境界条件を満足させる答えについて、徹底的に検討 C意思決定の実施のための行動を意思決定そのものの中に組み込む D検証のためのフィードバック |
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● | ●第1:「これは一般的な問題か」「何度も起こることか、個別に対処すべき特殊な問題か」を問う(p167) | |
一般的な問題⇒常に方針や手続を通じて解決しなければならない。 真に例外的な問題⇒個別の問題として、個別の状況に従って解決しなければならない。 |
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あらゆる問題が、4つの種類に分類 @ 個々の問題はそれの単なる兆候にすぎないところの、真に一般的な問題 Aその組織にとっては特殊の問題でありながら、実際には一般的な問題であるという問題 |
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B真に例外的な問題、特殊な問題 but真に特殊な問題というのは極めて少ない。 |
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Cそのよな何か新しい種類の一般的な問題の現れしての問題 | ||
真に特殊な一部の問題(B)を除き、あらゆる問題が、一般的な解決を必要とする。 原則、方針、政策による解決を必要とする。 〜 1度正しい方針(=原則)を得るならば、同じ一般的な状況から発する問題は、すべて実務的に処理できる。 |
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注意を引く問題は、実際は症状の1つにすぎないと考えなければならない。 そして本当の問題を探さなければならない。 単に症状だけの手当てで満足してはならない。 〜 問題を高いレベルで解決しようとしなければならない。 |
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今後ずっと資本市場の必要 ⇒ ×最も高く、最も簡単に売れる証券を発行 〇新しい種類の投資家をつくり出さなくてはならない そして、やがた来る大衆資本市場に適した証券を考え出さなければならない。 |
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力はあるが規律のない事業部の族長を協力させる ⇒ ×手に負えない者をやめさせ、ほかの者は買収 〇組織構造のための新しい理念を考え出す |
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自分の企業が独占体足らざるを得ない ⇒ ×社会主義を攻撃することで満足 〇第三の道として、公的な規制機関を育てる |
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臨時のつもりのものが長く生き延びる ⇒ 即席の措置ではなく、より一般的、より概念的、より包括的な問題解決、すなわち正しい方針を定めるべく、さらに努力する。 |
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基本の方針にかかわる意思決定は、症状や方便にかかわる意思決定よりも時間は必要としない。 たくさんの意思決定を行う必要がなくなる。 |
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成果をあげるエグゼクティブは、原則や方針によって一般的な状況を解決していく。 ⇒ ほとんどの問題を単なるケースの1つとして、すなわち単なる原則の適用の問題として解決していくことができる。 |
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法律の多い国は無能な法律家の国である。 | ||
意思決定を行なう者は、常に非定型的なこと、異常なことが起こっていないかを調べなければならない。 ⇒「観察されるものは、正しく説明されているか、すべて説明されているか」を問うべきである。 |
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● | ●第2:意思決定が満たすべき要件(=境界条件)を明確にすること。 「その意思決定の目的は何か」「達成すべき最低限の目標は何か」「満足させるべき要件は何か」を明らかにすること。 |
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〜科学の世界において、境界条件として知られているもの。 | ||
境界条件を簡潔かつ明確にするほど、意思決定は成果をあげるものとなり、達成しようとするものを達成できる可能性が高まる。 | ||
境界条件は、通常、「この問題を解決するために最低限必要なことは何か」を問うことによって明らかにされる。 | ||
スローン: 「事業部長から権限を取り上げることによって、必要なことは満たされるか」⇒ノー 問題の境界条件は、 事業部長の長たちが権限と責任をもつことを必要としていた。このことを企業としての統一性や中央統制と同じように必要としていた。 ⇒ 個々の人間の折り合いの問題ではなく、組織構造の問題として課題を解決することを必要としていた。 ⇒ スローンの解決策は永続。 |
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境界条件についての明確な理解は、最も危険な意思決定、すなわち万一都合の悪いことが起こらなければ、うまくいくかもしれないという意思決定をしきべつするためにも必要。 〜 成功の可能性は皆無ではないが、その見込は極めて少ない。 奇跡の困った点は、稀にしか起こらないことにあるのではない、あてにできないことにある。 |
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ケネディが1961年に行なったキューバ侵攻の意思決定の誤り。 誤りの原因: @意思決定が満足させるべき境界条件を十分に検討していなかったこと。 A基本的に両立し得ない2つの境界条件を同時に満足させようとするような意思決定は、奇跡への祈りにすぎないという、不愉快な事実を認めなかったこと。 |
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● | ●第3:意思決定においては、何が正しいかからスタートしなければならない。 | |
● | ●第4:意思決定を行動に変えること。 | |
● | ●第5:意思決定の基礎となっている仮定を現実に照らして継続的に検証していくために、意思決定そのものの中にフィードバックの手だてを講じておく。 | |
★第7章 成果をあげる意思決定とは | ||
×「まず事実を探せ」 〇成果をあげる意思決定をするエグゼクティブは、事実からスタートなどできないことを知っている。 だれもが自分の意見からスタートする。 but 意見は、未検証の仮説にすぎず、当然現実に対して検証されなければならない。 |
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何が事実であるかを確定するには、まず有意味性の基準、特に評価の基準についての決定が必要。 〜 成果とあげる意思決定の要であり、通常、最も判断の分かれるところ。 |
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正しい意思決定は、共通の理解と、意見の衝突と対立、そして競合する複数の選択肢についての真剣な検討から生まれる。 | ||
有意性の基準がなければ、事実というものはありえない。 事象そのものは、事実ではない。 |
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物理学⇒物の味は事実ではない。 料理⇒味は重要な事実。 絵画⇒色が大きな意味をもつ。 |
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人は意見からスタートせざるを得ない。 意見を現実に照らして検証するための唯一の方法は、まず初めに意見があるということ、また、そうでなければならないということの明確な認識。 この認識があって初めて、仮説からスタートしていることを忘れないですむ。 |
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意思決定も、科学と同じように、仮説が唯一の出発点である。 そして、仮説は論ずべきものではなく、検証すべきものである。 ⇒ どの仮説が有効であって真剣な検討に値し、どの仮説が検証によって排除されるかを知ることができる。 |
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まず初めに、意見をもつことを奨励する。 意見を表明する者に対しては、現実による検証について十分に考えることを求める。 「この仮説の有効性を検証するためには、何を知らなければならないか」 「この意見が有効であるためには、辞意jつはどうでなければならないか」 を問わなければならない。 |
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そして、探すべきもの、調べるべきもの、検証すべきものが何であるかについて、徹底的に考え、明らかにする習慣を身につけなければならない。 | ||
致命的に重要な問いは「有意性の基準は何か」 ⇒その答えから、検討している問題や意思決定に附随すべき評価測定の基準が得られる。 |
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成果をあげる正しい意思決定がいかに行われたかを分析⇒常にそこには、適切な評価測定の基準を得るために、非常に多くの思考と労ぢょくが投じられていることを知る。 | ||
サービスがベルの事業であるというヴェイルの意思決定が成果を上げたのも、彼が評価測定の基準を定めたから。 | ||
成果を上げる意思決定を行う⇒常に、それまでの評価測定の基準は正しくないと考えなければならない。 そうでなければ、そもそも意思決定の必要はなく、簡単な調整で十分ということになる。 |
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アメリカ軍の装備調達と在庫の問題: 調達と在庫にかかわる伝統的な評価測定の基準、すなわち総額や総品目という尺度を問題視。 調達総額が全体の90%を示す少数の主要品目⇒品目数はわずかに4% 戦闘能力で全体の90%に当たる少数の主要品目⇒品目数はわずか4% 両者を合わせる⇒重複のため、品目数として5%から6%という重要品目のリスト。 このリストに載った品目については、最新の注意をもって管理。 残りの94〜95%:金額的にも戦闘能力的にもあまり意味のない品目⇒確率と平均値による管理、すなわち例外管理 ⇒ 軍は、調達や在庫管理や兵站に関して、ようやく効果的な意思決定を行なえるようになった。 |
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評価測定のための基準を見出す最善の方法: 自分で出かけて行って、現実からのフィードバックを得ること。 〜 意思決定前のフィードバック。 |
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人事管理上の問題: ×平均値を評価測定の基準 〇自分で出かけて行って確認するエグゼクティブは、ただちにほかの基準が必要であるとことに気づく。 ex. 事故の大部分は、工場の1,2箇所で起こる。 欠勤の多くは1つの部で起こる。 欠勤は、社員のごく一部、若い未婚女性に集中。 平均値依存の人事政策は、期待する成果を生むどころか、事態を悪化させる。 |
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自動車の安全: 自動車メーカーは、走行距離当たり、あるいは1台当たりの平均自己率しか基準にしていなかった。 but 出かけて行ってみる⇒事故によって受ける傷害の度合いを基準の1つに加えなければならない。 ⇒事故自体の危険度を小さなものにするための対策、すなわち車の設計変更によって、交通安全運動を補う必要のあることをはっきり認識。 |
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〜 適切な基準を見つけ出すことは、単なる統計上の問題ではなく。 それはすでに、リスクを伴う判断の問題。 |
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意思決定の成果をあげるためには、評価測定の基準についても選択肢が必要。 そのなかで、最も適切な基準を選びださなければならない。 |
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◆ | ◆意見の対立を活用せよ(p203) | |
投資計画にも、いくつかの評価基準が考えられる。 ・投資の回収に要する時間の長さ ・投資の利益率 ・投資がもたらす利益の現在価値 |
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意見の不一致は、特に次の3つの理由から必要。 | ||
第1:意思決定を行う者が組織の囚人になることを防ぐ唯一の手段。 特別の要請や既定の意図から脱するための唯一の方法が、十分議論され、事実によって立証され、検討された反対意見の存在。 |
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第2:反対意見だけが選択肢を与えてくれる。 選択肢のない意思決定は、向こう見ずのばくち。 |
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第3:想像力を刺激するために必要。 | ||
政治、経済、社会、軍事のいずれであろうとも、エグゼクティブなる者が扱う真に不確実な問題においては、新しい状況をつくり出すような「創造的」な答えが必要。 | ||
栓をひねらなければ想像力はでてこない。その栓が、論議され抜かれた意見の不一致である。 | ||
◆ | ◆意思決定は本当に必要か(p214) | |
不要な意思決定は行わない。 何もしなければ事態が悪化⇒意思決定を行なわなければならない。 急いで何かをしなければ重要な機会が消滅⇒行動して、思い切った変革をする。 |
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セオドア・ヴェイル: 電気通信事業の国有化の弊害 but 彼以外の者は、症状と戦おうとしていた。 but ヴェイルだけは、それらの対処療法が効果のない方法であることを理解。 戦闘全てに勝っても、戦争に勝つことはできない。 独占事業が民間企業として生き延びるためには、国有化に対する有効な代替案として、公的規制を使わなければならないことをヴェイルだけが理解。 |
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何もしなくても問題は怒らない⇒手をつけてはならない。 | ||
すでに2000年も前、ローマ法は、為政者は些事に執着するべからずと言っている。 このことを学ぶべき意思決定者は、まだ多い。 |
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(1)得るもの>コストやリスク⇒行動しなければならない。 (2)行動するかしないか、いずれかにすべき。二股をかけたり、間をとろうとしたりしてはならない。 |
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ほんの一瞬であっても、理由は分からずとも、心配や不安や気がかりがある ⇒意思決定は暫時待つべき。 「焦点がずれているようなときには、ちょっと待つことにしている。」 but 数日、せいぜい数週間まで。 |
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エグゼクティブは、好きなことをするために報酬を手にしているのではない。 なすべきことをなすために、特にエグゼクティブ特有の仕事として、成果をあげることができる意思決定を行うために報酬を手にしている。 |
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◆ | ◆意思決定とコンピュータ | |