シンプラル法律事務所
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論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
コトラーのマーケティング3.0 | ||||
第1部 | 第1部 トレンド | |||
★ | ★マーケティング3.0へようこそ | |||
■ | ■なぜマーケティング3.0に向かうのか | |||
● | マーケティング1.0:製品中心の段階 「顧客は好みの色の車を買うことができる。好みの色が黒であるかぎりは」 |
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マーケティング2.0:消費者志向の段階 〜消費者がマーケティング活動の受動的なターゲットであるという見方を前提 |
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マーケティング3.0:価値主導の段階 〜 消費者を全人的存在ととらえ、消費者としての一面以外のニーズや願望もおろそかにされてはならない。 感情に訴えるマーケティングを、精神に訴えるマーケティングで補う。 |
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● | 比較⇒表1−1 | |||
● | マーケティング3.0に向かうビジネス状況を形づくる3つの重要な力: @参加の時代 Aグローバル化のパラドックス(逆説) Bクリエイティブ社会の時代 |
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■ | ■参加の時代と協働マーケティング | |||
● | 産業革命期の生産技術の進歩⇒1.0 情報技術とインターネットの登場⇒2.0 ニューウェーブの技術⇒3.0 |
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ニューウェーブの技術⇒「参加の時代」 人々がニュースや考えや娯楽を消費するだけでなく、創造もするようになる。 コンシューマー(消費者)⇒プロシューマー(生産消費者) |
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表現型ソーシャル・メディア:ブログ、ツイッター、フェイスブック等のSNS 協働型メディア:ウィキペディア等 |
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● | 表現額ソーシャルメディア | |||
ソーシャル・メディアが自己表現の要素を強める⇒消費者は自分の意見や経験によって他の消費者に影響を与えることがますます簡単にできるようになる。 ⇒企業の広告の影響力は低下。 |
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● | 協働型ソーシャル・メディア | |||
第1期:マーケティングは取引志向で、どのようにして販売するかに主眼 第2期:関係志向⇒どのようにして顧客に継続購入させるかに主眼 第3期:企業の製品開発やコミュニケーションに消費者を参加させる方向 |
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マーケティング3.0は、似通った価値や欲求を持つ経済主体の協働活動 | ||||
■ | ■グローバル化のパラドックスの時代と文化マーケティング | |||
● | 情報技術の進歩⇒世界中の国や企業や個人の間の情報交換が可能に 輸送技術の進歩⇒グローバルなバリューチェーン(価値連鎖)における貿易その他のモノの交換が容易に |
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● | グローバル化〜すべての国にとって平等な土俵を生み出す but諸国に脅威をもたらす ⇒国内市場をグローバル化の影響から守ろうとする(=ナショナリズムを呼び起こす) |
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● | ●3つのパラドックス | |||
@中国は、資本主義は民主主義がなくても成立することを実証。 グローバル化は経済を開放するかもしれないが、政治は開放しない。 |
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Aグローバル化は経済統合を必要とするが、平等な経済を生み出しはしない。 〜大きな貧富の差 |
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Bグローバル化は、均一な文化ではなく多様な文化を生み出す。 グローバル化は、普遍的なグローバル文化を生み出す一方で、同時にそれに対抗する力である伝統的文化を強化する。 |
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● | 個人はローカル市民であると同時にグローバル市民でもあることの重圧を感じるようになっている。 ⇒多くの人が不安を感じ、対立する価値を同時に抱く。 |
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パラドックスは貧困、不公正、環境の持続可能性、地域社会に対する責任、社会的目的などに関する意識や関心の高まりにつながる。 | ||||
グローバル化のパラドックス⇒企業が継続性やつながりや目的を提供している会社とみなされるために競い合っている。 | ||||
文化キャンペーンによって影響を受ける消費者は多数派ではあるが、物言わぬ多数派である。彼らはパラドックスを感知するものの、文化ブランドがパラドックスに対処するまでは、パラドックスを直視しない。 | ||||
● | 「マーケティングとは、消費者、顧客、パートナー、および社会全体にとって価値のある提供物を創造、伝達、流通、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスをいう」(アメリカ・マーケティング協会) | |||
■ | ■創造的社会の時代のスピリチュアル・マーケティング | |||
● | 創造的社会の人びと:科学、芸術、専門サービスなどのクリエイティブな分野で働く右脳人間。 | |||
ブルーカラー⇒左脳を使うホワイトカラー労働者や企業幹部⇒右脳を使うアーティスト | ||||
● | 「人生の非物質的な側面や永続的な現実を暗示するものを重んじること」というスピリチュアリティ(精神性)の定義は、創造的社会においてこそ本当の意味を持つ。 | |||
科学者やアーティストは、往々にして物質的充足を捨てて自己実現を追求し、お金で買えるものを超越した何(=意味や幸福や悟り)かを手に入れようとする。 | ||||
物質的充足は最後にくるもので、自分が達成した成果に対する見返り。 | ||||
精神性と創造性はアーティストの頭の中では同じようなもの。 創造性は精神性を刺激する。 精神的欲求は人間を突き動かす最大の動機であり、より深いところにある創造性を解き放つ。 |
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● | ⇒ 消費者は自分たちのニーズを満たす製品やサービスだけでなく、自分たちの精神を感動させる経験やビジネスモデルを求めている。 |
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意味を提供することが、マーケティングにおける未来の価値提案。 価値主導のビジネスモデルが、マーケティング3.0の新しいキラー・アプリケーションになる。 |
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心理精神的便益は実際には消費者の最も基本的なニーズであり、マーケターが実現できる究極の差別化かもしれないことをデイビスは発見。 | ||||
● | ×よき企業市民という価値をミッションやビジョンや価値に盛り込むだけで、事業の中でそれを実現していない企業。 ×PRのためのジェスチャーとして、社会的に責任ある行動を約束する企業。 |
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● | マーケティング3.0は、企業が自社の文化に価値を織り込むこと。 | |||
企業は、わが社はどのような会社であり、なぜ事業を行っているのか理解しなければならない。 どのような会社になりたいかを把握していなければならない。 それらすべてが企業のミッションやビジョンや価値に埋め込まれていなければならない。 |
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その企業が人間の幸福にどのように貢献しているかを消費者が認識すれば、利益は自ずとついてくる。 =企業の視点から見たスピリチュアル・マーケティング(精神に訴えるマーケティング) |
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■ | ■マーケティング3.0・・・協働、文化、精神 | |||
⇒表1−2 | ||||
★ | ★マーケティング3.0の将来モデル | |||
■ | ■過去60年のマーケティングの歩み | |||
製品管理(50年代、60年代)⇒顧客管理中心の概念(70年代、80年代)⇒ブランド管理が加わる(90年代から2000年代) | ||||
効果的な需要創出のためには、あらゆるマーケティング活動で、「製品」に代えて「顧客」を中心に据えるべきことを理解 〜マーケティングは、戦術的なものから戦略的になった。 セグメンテーション・マーケティング・ポジショニング(STP)などの戦略を含む顧客管理の考え方が導入。 |
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1990年代には、インターネットが誕生 ⇒情報はどこでもあるものになり、希少でなくなった。 消費者は十分な情報をもつようになった。 ⇒ マーケティングの概念を拡大して人間の感情に焦点を当てた。 従来のポジショニング・モデルで顧客のマインドに訴えるだけでは十分ではなく、顧客のハートにも訴えることが必要になった。 |
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■ | ■マーケティングの未来・・・縦ではなく横の関係 | |||
● | 1.0と2.0は今後もある程度意味を持つ。 セグメンテーションを行い、標的セグメントを選び、ポジショニングを定め、4Pを提供し、製品を中心にブランドを築く。 |
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but ビジネス環境の変化(景気後退、気候変動に関する懸念、ソーシャル・メディアの登場、消費者のエンパワーメント(影響力拡大)、ニューウェーブの技術、グローバル化)が、マーケティングの概念に引き続き巨大な変化をもたらす。 マーケティングの新しいコンセプトは例外なく、ビジネス環境の変化への対応として登場。 |
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● | 消費者は企業より他の消費者を信頼している。 | |||
マーケティングは、説得の技を使い、時には若干ごまかしまで行ってモノやサービスを売り込むことと同一視されている。 売上をあげるために製品の性能や他の製品との差別化を誇張して表現することが多い。 |
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消費者が共創やコミュニティ化やキャラクターをますます重視するようになっていることを理解する必要。(表2−1) | ||||
● | ●共創 | |||
イノベーションのネットワークの中で互いにつながっている企業や消費者、供給業者やチャネル・パートナーが、協働によって製品や経験価値を創造する新しい方法。 | ||||
3つのプロセス: @「プラットフォーム(基盤)」と呼ぶもの、すなわちカスタム化できる一般的な製品を生み出す。 Aネットワーク内の個々の消費者に、各自のニーズや欲求に合うようにそのプラットフォームをカスタマイズ化してもらう。 B消費者からフィードバックをもらい、消費者のネットワークが行ったカスタム化をすべて取り込むことによって、プラットフォームをより価値の高い者にする。 |
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● | ●コミュニティ化 | |||
テクノロジー⇒消費者を結びつけるコミュニティ化の方向。 | ||||
消費者のコミュニティ: @プール型コミュニティ: その消費者は同一の価値を共有しているが、必ずしも互いに交流するとはかぎらない。 彼らを結びつけているのは、ブランドに対する信念と強い愛着だけ。 多くの企業が育成すべきブランド・ファンの典型的な集まり。 Aウェブ型コミュニティ: 互いに交流する。 典型的なソーシャル・メディア・コミュニティで、結びつきを支えているのはメンバー間におけるワン・トゥー・ワン・リレーションシップ。 Bハブ型コミュ二ティ: 強力な人物の周りに引き寄せられ、忠実なファン層を形成する。 |
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消費者は、互いにつながるか(ウェブ)、リーダーにつながるか(ハブ)、考えにつながるか(プール)。 企業は、コミュニティのメンバーに役立つ活動に参加する必要。 |
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● | ●キャラクターの構築 | |||
ブランドが人間とつながるには、真の差別化の核をなす本物のDNAを築く必要。 ユニークなDNAを持つブランドは、その寿命が尽きるまで自らのキャラクターを築き続くえていく。 |
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今日の消費者は、ブランドを見たとき、それがまがい物か本物かを即座に判別ることができ、実際に判別する。 企業は、自信の主張に背かない経験価値を提供することを一貫してめざす必要。 (広告の中で本物に見えることだけをめざしたのでは、即座に信用を失うことになる。) |
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消費者が横につながっている世界では、信用を失うということは潜在的購買者のネットワーク全体を失うこと。 | ||||
■ | ■精神への移行・・・3iモデル | |||
● | 企業は全人的存在として消費者に対応する必要がある。 | |||
コヴィー: 人間の基本的な構成要素は、@肉体、A独自の思考や分析を行えるマインド、B感情を感じることのできるハート、C精神(魂などの源、すなわちその人がその人であることの核)の4つ。 |
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● | 製品の意図は意味性とユニーク性を持つように標的顧客のマインドに位置付けられなければならない。 ex.ボルボのマーケターは、ボルボはあらゆる車の中で最大の安全性を提供するというイメージを、自動車購買者のマインドに見事に植えつけた。 |
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vs. マインドに訴えるだけでは十分ではない。 マーケターはハートにも訴えなければならない。 〜 エモーショナルマーケティング。 ex. 職場と家庭の間にある「第三の場所」(スターバックス) 「型破りのマーケティング」(ヴァージン・グループ) 「クリエイティブな想像力」(アップル) 〜 我々のエモーショナルなハート、感情を抱くハートに狙いを定めている。 |
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製品やサービスの意図が消費者にとって意味を持ち続けるよう、マーケターは消費者の不安や欲求を理解し、コヴィーの言う「魂の暗号を解く」努力をする必要。 マインドだけでなく精神を見落としてはならない。 |
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● | 3.0では、マーケティングはブランドとポジショニングと差別化のバランスのとれた三角形として定義し直される必要がある。 | |||
3i: | ||||
@brand identity: ブランドを消費者のマインド内にポジショニングすること。 消費者に知られ、関心を引くためには、ポジショニングはユニークである必要。 |
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Abrand integrity: ポジショニングと差別化によって主張されていることを実現すること。 誠実であること 約束を果たすこと 当該ブランドに対する消費者の信頼を醸成すること 標的は消費者の精神 |
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Bbrand image: 消費者のエモーションをがっちりつかむこと。 ブランドの価値は、製品の機能や性能を超えて消費者の感情的なニーズや欲求にアピールするものでなければならない。 |
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● | 消費者のマインドと精神に同時に訴えかけて、彼らのハートを動かす必要がある。 | |||
ポジショニング⇒マインドに買うべきかどうかを判断させる。 ブランドが差別化されている⇒精神が買うべきだという判断を強化 最後にハートが消費者に行動させ、購買の決定を下させる。 |
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■ | ■価値主導のマーケティングへの移行 | |||
■ | ■マーケティング3.0・・・マーケティングの意味と意味のマーケティング | |||
第2部 | 第2部 戦略 | |||
★ | ★消費者に対するミッションのマーケティング | |||
★ | ★社員に対する価値のマーケティング | |||
★ | ★チャネル・パートナーに対する価値のマーケティング | |||
★ | ★株主に対するビジョンのマーケティング | |||
第3部 | 第3部 応用 | |||
★ | ★社会文化的変化の創出 | |||
★ | ★新興市場における起業家の創造 | |||
★ | ★環境の持続可能性に対する取り組み | |||
★ | ★まとめ | |||
マーケティング1.0、2.0、3.0の比較(表1−1) | |||
マーケティング1.0 | 2.0 | 3.0 | |
製品中心のマーケティング | 消費者志向のマーケティング | 価値主張のマーケティング | |
目的 | 製品を販売すること | 消費者を満足させ、つなぎとめること | 世界をよりよい場所にすること |
可能にした力 | 作業革命 | 情報技術 | ニューウェーブの技術 |
市場に対する企業の見方 | 物質的ニーズを持つマス購買者 | マインドとハートを持つより洗練された消費者 | マインドとハートと精神を持つ全人的存在 |
主なマーケティング・コンセプト | 製品開発 | 差別化 | 価値 |
企業のマーケティング・ガイドライン | 製品の説明 | 企業と製品のポジショニング | 企業のミッション、ビジョン、価値 |
価値提案 | 機能的価値 | 機能的・感情的価値 | 機能的・感情的・精神的価値 |
消費者との交流 | 1対多数の取引 | 1対1の関係 | 多数対多数の関係 |
マーケティング3.0の構成要素(表1−2) | ||
構成要素 | なぜ必要になるか | |
内容 | 協働マーケティング | 参加の時代(刺激) |
背景 | 文化マーケティング | グローバル化のパラドックスの時代(問題) |
どのように提示するか | スピリチュアル・マーケティング | 創造性の時代(ソルーション) |
マーケティングの未来(表2−1) | ||
マーケティングの構成要素 | 今日の マーケティング・コンセプト |
未来の マーケティング・コンセプト |
製品管理 | 4P(製品、価格、流通、プロモーション) | 共創 |
顧客管理 | STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング) | コミュニティ化 |
ブランド管理 | ブランド構築 | キャラクターの構築 |