シンプラル法律事務所
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本書の概要 | ||
● | 本書は、企業が @その属する業界を全体として分析し、A業界の今後の変化を予測し、B競争相手の特性と自社の競争上の地位を理解し、Cこの分析を特定企業の競争戦略に練り上げるための分析技法を、広い視野から説明しようとしたもの。 |
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● | パートT:業界の構造および競争業者を分析するための総論。 | |
業界に作用する5つの競争要因と、それが戦略に与える意味の分析。 これを土台に、 @競争業者、買い手、供給業者(売り手)の分析技法 Aマーケット・シグナルを読み取る技法 B競争業者に攻撃を仕掛けたり競争業者からの攻撃に反撃するためのゲーム理論の考え方 C業界内の戦略グループを色分けしてグループ間の業績のちがいの原因をあきらかにする方法 D業界の今後の変化を予測する理論 が論じられる。 |
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● | パートU:パートTで述べられた分析手法を使って、具体的な業界環境の中で競争戦略をつくり上げる方法を説明。 | |
業界環境のタイプの違い: 業界集中度、成熟度、国際競争の程度における基本的なちがいの反映 この環境のちがいこそが、競争の戦略的特性やとりうり戦略手段、共通の戦略的誤りを把握する上で決め手になる。 |
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パートUでは、多数乱戦業界、選択的な新しい業界、成熟期への移行段階にある業界、衰退業界、グローバル業界について検討 | ||
● | パートV:単一業界で競争する企業が直面する戦略決定の主要ななタイプを体系的に検討することで、業界分析手法の説明を完結させる部分。 | |
戦略決定の主要なタイプ: @垂直統合、Aキャパシティの拡大、B新事業への参入 |
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■ | ■戦略策定の古典的方法について | |
競争の戦略をつくる= 企業がどのような競争に突入しようとしているのか、目標はどこに置くべきか、それら目標を実現するにはどのようなポリシーが必要か、 これらについて、幅広い処方箋をつくること。 |
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● | ●図表T:競争戦略の輪 | |
競争戦略は 会社の努力の対象(目標)と そこへ到達するための手段(ポリシー) の合成。 目標と手段を区別することで、戦略の本質はとらえられる。 |
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会社の目標: @どんな競争を望むか A経済的および非経済的目的の具体的表示 |
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輪の羽: 目標を実現するための運営ポリシーの主要なものが並ぶ。 羽の部分に示されたことばの下に、これらの機能分野でのポリシーを短く示して、会社の活動を明らかにする。 |
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車輪のように、羽の部分(ポリシー)は車軸(目標)から四方に広がり、または車軸の反映でなければならない。 輪の羽の部分は互いにつながりあっていなければならない(そうでないと、車輪は回らない。)。 |
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● | ●図表U:競争戦略が形成される状況 | |
一番広範な視点から戦略策定に影響する4つの要因を考えてみたもの。 これらによって、会社がどれくらいうま目標に到達できるかの限界が決まる。 |
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A:会社の長所と短所: 資金源、技術特性、ブランド知名度など、物的資産と人的技術の面で、競争相手と比べてどこが強くどこが弱いかのプロフィール。 |
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B:会社の個人的特性: 選択された戦略を実行する責任を負った主要経営者や他の管理者のやる気と能力。 |
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AとBが絡み合って、会社が採用できる競争戦略の限界を決める内部要因となる。 | ||
戦略の限界を決める外部要因: C:業界の動向、および、より広範な環境 〜 業界にどんな好機と脅威が予想されるかによって、競争の環境、どんなリスク、どんな報償があるかが決まる。 |
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D:社会からの期待: 政府の政策、社会問題、慣習の変化、その他もろもろのことが会社にどう影響を及ぼすかという点。 |
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経営者が現実的で実行可能な目標とポリシーを策定するには、以上の4つの要因を考慮しなければならない。 | ||
● | ●図表V:首尾一貫性の検証項目 | |
A:内的一貫性があるかどうか B:環境と適合しているか C:企業資源と適合しているか D:コミュニケーションと戦略実行力はどうか |
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● | ●図表W:競争戦略策定のプロセス | |
A:企業がいまやりつつあるものは何か 1.どんな戦略家 2.戦略の基礎になっている仮説は何か B:企業環境に何が起こりつつあるか 1.業界分析 2.競争業者分析 3.社会分析 4.自社の長所と弱点 C:企業は今後何をしなければならないか 1.仮説と戦略の点検 2.どんな戦略がありうるか 3.ベスト戦略の選択 |
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★★★T 競争戦略のための分析技法 | ||
パートT:業界の構造の競争業者の分析に基づいた競争戦略策定のための理論的基礎をあきらかにする。 | ||
1章:業界内の5つの基本的競争要因を理解するためのフレームワークとして、構造分析というコンセプトを明らかにする。 | ||
2章:長期的に利用可能な競争の基本戦略3つを、いちばん広義なレベルであきらかにする。 | ||
3,4,5章:競争戦略策定のもう1つのカナメである競争業者分析を扱う 3章:分析者が特定業者を査定するのに便利な、詳細な質問をあげている。 4章:企業の行動がいろいろなタイプのマーケット・シグナルを発散する仕方を説明。 このシグナルは、競争業者分析をより具体的にし、戦略的アクションをとる基礎として利用できる。 5章:競争行動のやり方、競争相手へのゆさぶり、相手の出方への反撃のための入門編。 |
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6章:買い手および供給業者への戦略を策定するために、構造分析法がえどう利用できるかを詳論 | ||
7、8章:業界分析と競争業者分析の統合 7章:戦略グループというコンセプトおよび戦略的地位の変化を妨げる移動障壁(モビリティ・バリヤー)の原理を使い、業界内での競争の特性を分析する方法を説明 8章:分析技法の結論部分であり、業界変化の予測法および業界変化が競争戦略にどんな影響を及ぼすかについて検討 |
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★★1 業界の構造分析法 | ||
★ | ★競争を激化させる構造要因 | |
業界:互いに代替可能な製品をつくっている会社の集団 | ||
業界内の競争は、投資収益率を、競争下の下限収益率、すなわち経済学者のいう「完全競争」業界で実現される収益率につねに近づけてゆく。 この競争下の下限収益率、すなわち「自由市場」の収益率は、資本損失のリスクを勘定に入れて、その分だけ上方に調整される政府の長期債の利回りに近づく。 |
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5つの競争要因: @新規参入の脅威 A代替製品の脅威 B顧客の交渉力 C供給業者の交渉力 D競争業者間の敵対関係 |
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戦略策定の立場からいうと、そのうち一番強い要因が決め手になる。 ex. 業界内で、新規参入業者を寄せつけないほどの不動の市場地位を確保。 but より高品質で低コストの代替製品⇒収益率低下。 すごい代替製品も出現せず、強力な新規参入業者もあらわれない。 but 既存の競争業者間の戦いが激しくなる⇒収益率低下。 |
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極端な場合は、経済学者のいう完全競争: 新規参入は無制限、 既存の業者は供給業者および顧客に取引上の圧力はかけられない 製品に能力と品質上の差異がない ⇒まったく自由な競争が行われている。 |
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業界によって競争の第1要因は違う。 大型タンカー業界:買い手(大石油会社) タイヤ業界:強力な自動車メーカーと提携したOEM発注企業 鉄鋼業界:外国の同業者および鉄鋼の代替材 |
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◆ | ◆新規参入の脅威・・・要因T | |
ある業界に新規参入⇒生産キャパシティが増え、一定の市場シェアを確保したという意欲が発生⇒かなりの経営資源が新たに投入。 ⇒ 価格が低下するか 既存の業者のコストが高騰するか で、収益が低下 |
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他者の買収取得でその市場での地位を確保したいという意図をもって業界に参入してくるケースは、まったく新しい業者が忽然と生まれるのではないけれども、おそらく新規参入と見るべき。 | ||
■ | ■参入障壁(6つ) (p22) | |
□ | □規模の経済性 | |
一定期間内の生産絶対量がふえるほど製品(または製品を生産する作業)の単位当たりコストが低下するという意味。 | ||
規模の経済性は、その分野全部に及ぶこともあれば、ある機能分野の部分である個々の作業ごとに、効き方がちがうこともある。 ex. テレビの場合、カラーブラウン管の生産では規模の経済性は大きく、キャビネットの生産やセットの組立作業ではそれほど大きくない。 ⇒ コストの部分を別々に切り離して、単位コストと生産量との関係を検討してみることが大切。 |
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互いに関連しあった多角化によって、共通の作業や職能が可能⇒1種類だけの事業規模で限定される生産量の制限点を排除できる。 規模の経済性の原則にしたがって作業や機能を共通にできる分野は、製造のほか、セールスマン活動、流通システム、資材購入など。 |
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作業を共同化する利点は、共通コストがある場合、特に大きい。 製品Aを生産する会社が、どうしても製品Bを生産する設備をもたざるをえない場合に、共通コストが発生。 |
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□ | □製品差別化 | |
□ | □巨額の投資 | |
□ | □仕入れ先を変えるコスト | |
□ | □流通チャネルの確保 | |
□ | □規模とは無関係なコスト面での不利 | |
□ | □政府の政策 | |
■ | ■参入に対して予想される報復(p30) | |
■ | ■参入を抑える価格 | |
中心的な価格(および品質やサービスのような関連条件)の構造が、@参入によって得られる(と参入を企む業者が予想した)報償と、A業界構造にある参入障壁および予想される既存企業からの反撃の危険性を圧倒して進むためのコストとが均衡している、という仮説。 | ||
@>A⇒参入が起こる。 参入を抑える価格は、現在の条件ではなく、将来どうなるかの予想によって上下する。 |
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既存企業が、@<Aの売値を決めるか、競争によって決めざるを得ない⇒業界への参入の脅威は消滅。 @>Aの価格を決めても、参入により、利益は短命に終わる。 |
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■ | ■参入障壁の特性 | |
● | ●参入障壁は、諸条件が変わると、変わりうる。 | |
ex. ポラロイドのインスタント・カメラの基本パテントが消える⇒特許で守られていた独占技術による絶対的なコスト参入障壁がいちじるしく低くなった⇒コダックによる市場参入 |
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自動車産業においては、第二次大戦後のオートメーションと垂直統合の普及⇒規模の経済が大きくなり、事実上、新規参入を締め出し。 | ||
● | ●会社の戦略決定も大きな影響を与える。 | |
1960年代にアメリカの多数のワイン・メーカーがこぞって新製品を発売し、広告料を増やし、全国的な流通網を作った ⇒規模の経済性は増し、既存の流通チャネルに新規参入業者が食い込むことが難しくなって、参入障壁は大きくなった。 |
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娯楽用の車の業界で、メーカーたちがコストを低下させるためにパーツ・メーカーを垂直統合⇒規模の経済性が増し、資本コストの壁が大きくなった。 | ||
● | ●参入障壁を突破するだけの経営資源と技能⇒他企業よりも安い経費で参入できる | |
ジレット社は、レーザーと替え刃のすぐれた流通チャネル⇒他者よりもはるかに低いコストで、使い捨てライターの業界に算入。 | ||
コストを分散させる能力⇒低コストでの参入が可能に、。 | ||
■ | ■参入障壁としてのエクスペリエンスおよび規模の経済性 | |
● | 参入障壁としての規模の経済性の限界: @大規模・低コストとう障壁も、製品差別化や独自のテクノロジーを急速に開発できる能力といった、他の大切な障壁と矛盾する場合がある。 Aテクノロジーに変化⇒大規模企業は弱点をさらけ出す。 B新しいテクノロジーの可能性や、規模とはあまり関係のない別の新しい競争方法の認識が曇らされる。 |
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● | エクスペリエンスは、規模の経済性に比べると、つかみどころのない参入障壁。 ←エクスペリエンス曲線効果があるというだけで、参入障壁になるわけではない。 |
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エクスペリエンスのもう1つの決定的な条件: それが個々の企業にとって特異なものであって、 @模倣 A同業者の従業員の引抜き、 B設備業者から最新の設備を買うとか、コンサルタントや他社からノウハウを買う とかの方法によって、同業者や今後の参入業者に共通に利用できるようなものではない。 |
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エクスペリエンスの特異性は長くは持続できない。 追随会社は、1番ての会社の経営のある側面を観察できる⇒早く累積するかもしれない。 エクスペリエンスの特異性が持続できない⇒新規参入業者が有利になることが起こる。 |
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● | 参入障壁としてのエクスペリエンス曲折の別の限界: @製品・工程のイノベーション⇒新たなテクノロジーの誕生⇒まったく新しいエクスペリエンス曲線 Aエクスペリエンスを累積させての低コストを追求⇒別の大事な障壁(ex.製品差別化でイメージをよくしたり、テクノロジーの進展を植え付けること)と矛盾 B複数の強力会社がエクスペリエンス曲線効果を狙う戦略⇒その中の何社かはみじめな結果に C他の分野での市場開発から注意がそらされたり、新テクノロジーの認識が曇らされる |
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◆ | ◆既存競争業者間の敵対関係の強さ・・・要因U(p34) | |
同業者は、お互いに相手の行動のいかんによって行動する関係。 行動とそれに対する反撃がエスカレート⇒業界内の企業はすべて傷つき、以前より苦境に落ち込む。 |
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値下げ⇒競争相手も値下げ⇒収益性低下 広告合戦⇒@需要拡大、A製品差別化の水準を高める⇒すべての利益に |
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● | ●同業者が多いか、似たりよったりの規模の会社がひしめいている | |
● | ●業界の成長が遅い | |
● | ●固定コストまたは在庫コストが高い | |
コスト構造の問題点は、固定コストが全コストに占める率ではなく、固定コストと付加価値との相対費。 外部から仕入れるコストの率が高い(=付加価値が低い)⇒固定コストの絶対比は低くとも、損益分岐点を超すためにキャパシティいっぱいの清算をしなければならない衝動に駆られる。 |
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在庫がむずかしいか、在庫コストが高い ⇒販売を確実にするため値下げをしたい誘惑にかられる。 |
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● | ●製品差別化がないか買い手を変えるのにコストがかからない | |
● | ●キャパシティをふやすのは小刻みにはできない | |
● | ●競争業者がそれぞれ異質な戦略をもつ | |
● | ●戦略がよければ成果が大きい | |
● | ●撤退障壁が大きい | |
撤退障壁: @資産がその業種用に特殊化されている A撤退のための固定コストが高い B戦略的な関連性で問題を起こす C感情的障壁 D政府および社会からの制約 |
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撤退障壁が高い⇒業界の過剰キャパシティんの状態はなくならない。 | ||
■ | ■敵対関係は変化する(p39) | |
業界の成熟化⇒成長率の鈍化⇒敵対関係は熾烈⇒利益は減少⇒弱体企業からつぎつぎと締め出されていく | ||
企業の買収取得によって異質な企業が入り込んでくる | ||
テクノロジーの革新⇒生産工程での固定コスト水準が上がり、敵対関係を激化 | ||
but 戦略を変えることにより、事態を自社に有利にさせる自由 @顧客の生産工程に合うように製品を工夫したり、技術上の助言を与える⇒顧客が売り手に頼らざるを得ないようにする。 Aエンジニアリングの援助を提供 B新型のサービス、マーケティングの革新、製品変更など⇒製品差別化の程度を高める C成長率のいちばん高い業界内セグメント、または固定コストがいちばん低い市場地域に、セールスを集中 D撤退障壁の大きい同業者と真正面から戦うことを避け、値下げ合戦に巻き込まれないようにする E自分自身の撤退障壁を小さくする |
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■ | ■撤退障壁と参入障壁 | |
◆ | ◆代替製品からの圧力・・・要因V(p41) | |
代替製品は、その業界の企業が適正利益をあげられる価格に上限を置く ⇒業界の潜在的利益を一定限度に抑えてしまう。 |
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代替製品をみつける=現在の製品を同じ機能を果たしうる他の製品を探す 証券ブローカー: 株式市場のうま味が少なくなった⇒個人の投資先を、証券以外の、不動産、保険、現金市場基金、その他といった、代替融資先を探す必要に迫られる。 |
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代替製品 ⇒ @代替製品を迎え撃ち叩きのめす戦略 A避けられない強敵として対処する戦略 ex. 電子警報システム 〜 警備ガードマンの会社は、全面的に電子警報システムに競争を仕掛けるより、 警備ガードマンを熟練のオペレーターを再定義した上で、ガードマンと電子システムのパッケージを提供 |
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◆ | ◆買い手の交渉力・・・要因W(p43) | |
買い手グループの力が大きくなる場合: @買い手が集中していて、売り手の総取引量にとってかなり大量の購入をする A買い手の購入する製品が、買い手のコストまたは購入物全体に占める割合が大きい B買い手の購入する製品が、標準品または差別化されたものである C取引先を変えるコストが安い D収益が低い E買い手が川上統合に乗り出す姿勢を示す F売り手の製品が、買い手の製品やサービスの品質にとってほとんど関係がない G買い手が十分な情報をもつ H小売業者が、消費者の購入決定に影響力が行使できる場合 |
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■ | ■買い手の交渉力を戦略によって変える | |
売り手が取引先としての買い手グループを選べるのは、売り手の戦略決定の決め手 売り手に圧力をかける力のいちばん弱い買い手を見つけることによって、戦略的立場を強化 |
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ex. ほとんどの製品のための補修市場は、新品市場よりも価格にうるさくいわない |
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◆ | ◆売り手の交渉力・・・要因X(p47) | |
供給業者、買い手に対して、価格を上げる、あるいは品質を下げるといった脅しをかけることで交渉力を行使することができる。 ⇒ コスト増を自分の売値の増で取り返すことのできない弱い買い手業界から収益性を奪取できる。 |
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売り手の力が増す場合: @売り手の業界が少数の企業によって牛耳られていて、買い手の業界よりも集約体制になっている。 A別の代替製品と戦う必要がない。 B買い手業界が供給業者グループにとって重要な顧客ではない。 C供給業者の製品が、買い手の事業にとって重要な仕入品である。 D供給業者グループの製品が差別化された特殊製品であって、他の製品に変更すると買い手のコストが増す。 E供給業者が今後確実に川下統合に乗り出すという姿勢を示す。 |
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■ | ■競争要因としての政府 | |
★ | ★構造分析と競争戦略(p49) | |
■ | ■最良のポジションをつくる | |
■ | ■競争要因のバランスに努める | |
■ | ■変化をうまる利用する(p51) | |
■ | ■多角化戦略 | |
★ | ★構造分析と業界の定義(p53) | |
■ | ■構造分析の使いみち | |
★★2 競争の基本戦略 (p56) | ||
★ | ★3つの基本戦略(p56) | |
◆ | ◆コストのリーダーシップ(p56) | |
◆ | ◆差別化(p59) | |
◆ | ◆集中(p61) | |
◆ | ◆基本戦略の他の要件(p63) | |
★ | ★窮地に立った企業とは | |
★ | ★基本戦略のもつリスク | |
◆ | ◆コストのリーダーシップ戦略のリスク(p68) | |
◆ | ◆差別化戦略のリスク | |
◆ | ◆集中戦略に伴うリスク | |
★★3 競争業者分析のフレームワーク | ||
★ | ★競争業者分析の構成要素 | |
★ | ★4つの構成要素の統合・・・競争業者の反応プロフィール | |
★ | ★競争業者分析と業界動向の予測 | |
★ | ★競争業者情報収集システムの必要性 | |
★★4 マーケット・シグナル | ||
★ | ★マーケット・シグナルのタイプ | |
★ | ★過去の実績からシグナルを見つける | |
★ | ★マーケット・シグナルの探知はお遊びだろうか | |
★★5 競争行動 | ||
★ | ★不安定な業界・・・激戦の可能性 | |
★ | ★競争行動のタイプ | |
★ | ★約束 | |
★ | ★焦点 | |
★ | ★情報と秘密についての覚え書 | |
★★6 買い手と供給業者に対する戦略 | ||
★ | ★買い手の選定 | |
★ | ★購買(仕入れ)戦略 | |
★★7 業界内部の構造分析 | ||
★ | ★競争戦略の次元 | |
★ | ★戦略別企業グループ | |
★ | ★戦略グループと企業の収益性 | |
★ | ★業界内構造分析が戦略作的に果たす役割 | |
★ | ★分析手法としての戦略グループ・マップ | |
★★8 業界の進展・変化 | ||
★ | ★業界変化についての基本的な考え方 | |
★ | ★進展過程 | |
★ | ★業界変化における主要な関係 | |
★★U 業界環境タイプ別競争戦略 | ||
★★9 多数乱戦業界の競争戦略 | ||
共通している分野: サービス 小売り 卸売り 木材や金属の加工 農産物 広告制作 |
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★ | ★多数乱戦の原因は何か | |
主な経済的原因。 | ||
● | ●参入障壁が低い | |
ほとんどすべての多数乱戦業界には、参入障壁といえるほどのものがない。 | ||
● | ●規模の経済性、あるいはエクスペリエンス曲線がきかない | |
たいていの多数乱戦業界では、経営の主要な側面には規模の経済性や習熟曲線がほとんど作用しない。 ・単純な加工や組み立て作業 ・単なる在庫商品 ・労働集約的内容(保安警備) ・人手によるサービスに頼る ・機械化やルーチン化がとても無理 |
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ex. ロブスター漁業: 生産の単位は1つ1つの漁船 漁船を多数抱えても、漁業コストの引き下げにはほとんど役立たない(大漁に恵まれるチャンスは漁船を多く抱えていても変わらない)。 ⇒さしてコストのちがわない零細業者が無数できる。 |
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● | ●高い輸送コスト | |
規模をふやしてコストを下げることができても、輸送費が高いと、工場や生産拠点を効率よくするのに規模を無制限に大きくできない。 ← 1つの工場が経済的に供給できる地域は、輸送費と規模をふやして下がるコストとのバランスで決まる。 |
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ex. セメント、牛乳、腐蝕性の強い化学薬品等 サービス業 |
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● | ●在庫コストが高く、売上の変動も大きい | |
その場合、製造工程自体では規模の経済性が発揮できても、実際にそれを刈り取ることができない。 ←生産をふやしたり減らしたりせねばならない。 |
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売上が不規則に大幅な変動 ⇒結局は規模の小さい小回りのきく企業よりも不利になってしまう。 |
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小規模で何にでも向く生産設備や流通システムは、大規模で専業化したものに比べ、安定操業状態ではコストがかさんでも、柔軟性があって量の変動を吸収できる。 | ||
● | ●買い手や供給業者が強すぎて大手でも取引が有利にならない | |
● | ●規模の不経済性が致命的 | |
競争の決め手が、ほんのわずかの準備時間でつぎつぎと新製品を売り出したり、スタイルを変えたりすること⇒大企業は小企業より能率的とはいえない。 ex. 婦人服などスタイルが競争の主役を演ずる業界 |
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間接費を低く抑えなければ成功が望めない ⇒オーナー経営者の強力な支配の下、年金計画さどで会社を飾り立てることにもわずらわされず、政令に基づく監査を受けることも少ない小企業は、大企業よりも有利である。 |
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● | ●どんな品種もつくれる製造設備をもち、個々のユーザーに合わせて注文生産に応じる方式 | |
〜 ごく少量の製品にもユーザーとメーカーがじっくり話し合わねばならず、大企業よりも小企業に向いている。 ex. 事務用書式業界 |
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● | ●あふれるばかりの創造性が売り | |
きわめて大きな企業では、創造力豊かな人材に活発な創作活動をつづけさせるのはまず無理。 ⇒広告制作やインテリア・デザインには業界を圧するほとの企業はない。 |
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● | ●作業現場に密着して管理監督しなければ成功がおぼつかない場合、小企業は強い | |
ナイトクラブや食堂などサービス業。 〜現場につきっきりで、こまごました指示を直接与える必要がある。 |
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異常な繁忙期を伴う業種 〜年間売上を大部分、数週間内に、夜も眠らずさばかなければならない。 |
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● | ●人手によるサービスが事業の決め手 | |
人手によるサービスの質が高く、顧客にかゆいところに手が届く、ゆき届いたサービスだと感じてもらえるのは小企業に多く、規模がある限度を超えると、だんだん低下する傾向がある。 ex.美容院やコンサルタントの業界 |
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● | ●地元というイメージや地元との結びつきで事業が成り立つ場合 | |
地元に足場をもたなくては成功できないもの。 強力な事業展開、コネの拡大、販売拡張努力を地域単位でする必要がある。 |
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● | ●多様な市場ニーズ | |
買い手の好みが、ばらばらにこまかく分かれている業界。 同じ製品でも、1人1人目先の変わったものを好み、並の物を買うくらいなら余計にお金を払ってでも自分の好みを買いたがるし、それだけお金の余裕もある。 |
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ところ変われば品変わる場合。 | ||
● | ●いちじるしい製品差別化、とりわけイメージによる差別化 | |
ex. ステージで公演するアーティストで、自分が築きあげたいと望んでいるイメージにぴったりの、小さな周旋業者やレコードのレーベルを選んで契約。 |
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● | ●撤退障壁 | |
経済的なもの以外に経営者個人にかかわるものも。 | ||
● | ●各地域の条例 | |
● | ●政府による企業集中の禁止 | |
● | ●新規業界 | |
★ | ★多数乱戦業界を制圧するには | |
多数乱戦状態を制圧できるとすれば、戦略上またとないチャンス。 この業界を統合するのは、けっこう割の合う仕事。 @参入がたやすく、A小さくて比較的力の弱い競争相手ばかりで、報復の心配はほとんどない。 |
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業界は、相互に関連し合った1つのシステムと見るべき。 統合を妨げている根源さえ取り除けば、それが引き金となって、業界の構造全体が変化の過程をたどり始めることもまれではない。 |
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ex.肉牛業界 無数の小牧場主がいて、牧場で牛を育て精肉業者へ送り込んで加工。 規模の経済性はでず、逆に、頭数が増えると、大群に目を配りながら牛を追ってつぎつぎ移動するという不経済も。 ⇒ 技術の進歩により、フィードロット法が広く採用。 多額の建設資金がいるが、操業すれば大いに規模の経済性が実現できる。 ⇒大手飼育業者。 川上に向かっては飼料の工程を合併、川下に向かっては、肉の加工や流通まで手中におさめる⇒ブランド名が幅を利かせ始めた。 多数乱戦の根源は肉牛肥育方法の技術。 |
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◆ | ◆業界の整理統合はどうすればよいか(p269) | |
どういう変化を引き起こして、多数乱戦の構造を生み出した経済的原因を取り除くか。 それを明らかにすることが、制圧方法の前提。 |
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● | ●規模の経済性やエクスペリエンス曲線が作用する条件を作り出す | |
ex.肉牛業界の例 | ||
規模が増したことで経営の一部に不経済な面が生じても、規模の経済性のおかげで全体として成果はあがる。 | ||
技術革新で製品をつくる工程が一変 ex. 医学研究用実験動物の飼育 マッシュルーム栽培の業界 |
||
マーケティング分野の例: テレビ放送のネットワーク 土木機械メーカー |
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● | ●多様な市場ニーズに標準品で対応せよ | |
製品やマーケティングの方法をまるきり改めれば、多様化している市場のニーズにも標準品で対応できる。 製品を一新して買い手の好みを1つにまとめることも無理ではない。 ex.製品の設計を変更して標準品種のコストを思い切り下げ、買い手に、値の張るあつらえ品よりも標準品のほうが買い得だと思わせる。 |
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製品をモジュール化⇒部品は大量生産がきき、最終製品は多種多様でも、規模の経済性やエクスペリエンス曲線によるコスト低減の成果は手に入る。 | ||
業界特有の経済原則に制約されるのはもちろんだが、多数乱戦の原因を取り除く方法を編み出す才覚と創造性さえあれば、多くの業界には整理統合を制約するものなど何1つない。 | ||
● | ●多数乱戦の主原因を無力化するか切り離せ | |
その原因を何とか経営から切り離してしまう。 | ||
ex. キャンプ場経営とファースト・フーズ 〜 どちらも現場にいて管理し、気持ちよいサービスを売りものにしてはじめて成り立つ事業。 1つ1つの拠点は小さな規模にならざるを得ない。 顧客に近いところ、つまり数多くの主要幹線道路や行楽地の近くに店を出すほうがもっとも重要。 but マーケティング活動や仕入れでは規模の経済性が大いに発揮できる。 全国にくまなく進出すれば、全国的広告媒体を利用できる。 ⇒ オーナー経営者がそれぞれの店をフランチャイジーにして、全国規模の企業の傘下に入って営業する方式を導入。 親会社は、ブランド名を宣伝し、集中仕入れやそのほかのサービスも提供 ⇒ 規模の経済性を生かしながら身近で管理し、気持ちの良いサービスを間違いなく維持できるようになった。 ⇒ キャンプ場ではKOA ファースト・フーズでは、マクドナルド、ピザ・ハット等 多くの巨大企業。 |
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同様に、不動産周旋業でも、センチュリー21は、各地の業者にフランチャイズを与え、この多数乱戦の激しい業界で急速にシェアを伸ばしている。 傘下に加わった業者は、全国的に宣伝されているセンチュリー21の恩恵を受けながら、従来からの社名を使って自分の責任で営業を続けることが認められている。 |
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〜 多数乱戦の原因が主として生産工程やサービス提供の仕方にある⇒そういう面を経営から切り離さなければ、多数乱戦を制圧できない。 |
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買い手が無数のセグメントに分かれていたり、自分だけのブランドを選ぶほど製品差別化が進んでいる⇒多数のブランド名と包装の仕方を注意深く使い分け、シェアの制約を打ち破るのも不可能ではない。 | ||
アーティストの場合などで、売り手の側が、独特のイメージや評判を得ているわりあい小さな個人臭の強い企業との取引を望むことがある。 ⇒ レコード業界では、その要望に応えて一社内で多数のレーベルを使い、特定のレーベルと提携する契約。 どのレーベルもみな、レコードのプレス、マーケティング、販売促進、流通は同じ会社を使っている。 〜 レーベルの1つ1つは独立していて、専属アーティストの持ち味を引き立てようと止めているが、 親会社全体とすれば、シェアは大きく、CBSやワーナー・ブラザーズの例では、それぞれ約20%のシェアを占めている。 |
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多数乱戦制圧の基本的な方法: @まず多数乱戦の根本原因は取り除けないと認めるところから始まる。 Aどうしても多数乱戦が避けられない面の、経営に及ぼす影響を断ち切る戦略をとり、シェアが増えれば有利となる面の効果だけを出す。 |
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● | ●吸収合併して利益の出る規模まで大きくせよ | |
業界によっては、 @かなりのシェアを保持してはじめてある程度有利になるが、 Aたとえば、販売に地元とのつながりが重要⇒他社のテリトリーへ侵入していって、拡大をはかるのは難しい。 but ある水準までシェアを伸ばせば、規模から生じる利益がいっぱい手に入り始める ⇒合併が可能で見込みさえあれば、各地の地元企業を多数吸収合併する戦略が成功。 |
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● | ●業界の動向をすばやくかぎとれ | |
業界が成熟⇒多数乱戦の原因が除かれ、合併が進む場合 | ||
オフィス・コンピュータやマイクロコンピュータからますます激しい競争を受ける。 新技術⇒中小規模の会社でもコンピュータがある ⇒ コンピュータ・サービス業が成長を続けるには、 @規模が大きく多数の事業所を抱えた会社にマトを絞るか Aコンピュータを時間で切り売りする以外に高度のプログラミング等のサービスを提供するか Bこの2つを同時に行うか |
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〜 代替製品が買い手のニーズを変えて脅威を加え、合併に火がつけられたが、 同時にサービス内容にも変化 ⇒規模の差にyる優劣がますますはっきり出るようになった。 |
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このほかの業界でも、買い手の好みの変化、流通チャネルの構造変化、そのほか無数の動向が、多数乱戦の原因に直接影響を与える。 政府の交代や法規改正で、製品や製造工場の基準が引き上げられ、大規模なほど有利となって小企業の及ぶところではなくなり、いやおうなしに合併が進むこともある。 |
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こうした動向がどういう結果になるかを見きわめ、自社に有利な地位を占めるのが、多数乱戦制圧の重要な方法。 | ||
◆ | ◆多数乱戦という「窮地」に立たされている業界 | |
多くの業界は経済的理由があって多数乱戦になっているのではなく、窮地に立たされてそういう状態から抜け出せないでいるだけ。 | ||
● | ●業界内の企業に経営資源や経営技能が不足している | |
● | ●業界内の企業が近視眼的で現状に甘んじている | |
ex.かつてのアメリカのワイン業界 | ||
● | ●他業界の企業から注目されない | |
参入の機が熟していながら注目を浴びない業界は、 えてして一風変わった業界(マッシュルーム栽培やレーベル製造)や、 魅力に欠け興奮を呼び起こすことのない業界(気体や油用フィルター製造) 生まれたてや、規模の小さい業界も、多数乱戦を制圧するほどの力をそなえた評判の高い大手企業の関心をそそることはない。 |
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競争の経済原則からすれば多数乱戦になるはずのない業界⇒戦略的にまたとない好機をつかまえたことになる。 ← @そういう業界は、ほとんど費用をかけずに算入できる状況になっている。 A経済的原因がもとで多数乱戦になっているわけではないので、経済構造を根底からくつがえす大きな変革に資金を投じ、費用と危険を負担する必要などさらさらない |
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★ | ★多数乱戦構造に対処する方法 | |
多数乱戦は、多くの場合、いかんともしがたい経済原理が働くから起こる。 競争相手が無数にあるだけではなく、一般に仕入先にも買い手にも弱い立場に立たされてしまうのも特徴。 ⇒利益といえるほどのものは得られない。 〜 戦略によって自社の地位をどう変えてゆくかが何にも増して重要な意味をもってくる。 |
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戦略の課題: たとえシェアはごくつつましくとも、この業界で最も業績のよい企業に名を連ね、多数乱戦業界の勝者となること。 |
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業界はそれぞれ異なる⇒どこにも向くうまい競争の仕方があるわけではない。 but それなりの戦略の考え方がいくつかある ⇒まずこれを当たってみるべき。 〜 2章で説明した @低コスト A製品差別化 B集中 の3つの基本戦略を多数乱戦業界という特異な状況に当てはめ、検討する。 どの方法も、めざすところは、 @独得の性質をもったこの業界の競争にもっともうまく合うよう自社の戦略姿勢を改めるか、あるいは Aこの業界ではまず避けられない熾烈な競争をうまくかいくぐるか のいずれか。 |
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● | ●強力な本社統制に支えられた分権制度 | |
多数乱戦業界の企業は、強力な社内のまとまり、地元企業という標榜、人手をかけた手厚いサービス、客と接する場でこまごました監督を特色としていることが多い ⇒ 1つの重要な競争手段は強力な本社統制に裏づけられた自主経営の分権制度。 〜 少数の地点へ集中した事業所の規模を大きくするのではなく、個々の事務所は小さいままながら、できるだけ自主的に運営できるようこまかく心を配る。 〜 本社の強力な統制と 画地の管理責任者を業績中心で評価する報酬制度 とが裏付けになっている。 |
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ex.食料品小売業界で隆盛をきわめているジロン社 各地の小さな食料品チェーンを買収して傘下におさめ、それぞれ名前やお得意先などはもとのままで自由に経営させる。 このシステムを支えているのは、 @本社の統制力と、 A社外から人材をスカウトせず社内の登用に限るという強固な方針 の2本柱。 |
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〜 多数乱戦の原因をあきらかにし、それに対処していく正攻法をとりながら、なお各地の事業所の経営責任者にもっとその道の専門家としての腕を発揮させ、経営させるというもの。 |
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● | ●設備の標準化 | |
各地に多数高率のよい低コストの設備を建設。 工場であれサービス提供の施設であれ、設備はすべて標準設計にしてしまい、設備の建設から稼働まで、費用を最小にできるよう手順を科学的に練り上げる。 ⇒ 競争相手よりも投資額を減らせるし、それでいて効率もよく客をもっと引き付ける事業所を用意できる。 |
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● | ●付加価値を高める | |
多数乱戦業界の多くは、その製品やサービスが特徴のない汎用品で、差別化しにくいもの。 ⇒ 効果のあがる戦略は、事業の付加価値を増すこと。 |
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ex. 売るときに、客の喜ぶサービスを付け加えるとか、加工の手を延ばし、一部最終加工まで手掛けるとか(所要サイズに切断したり穴をあけたり)、部品の中間組立てや最終組立てをしてから顧客へ販売。 金属流通業者⇒「金属サービス・センター」と称して簡単な加工をしたり、顧客にいろいろと役立つ情報を与えたり。 電子部品流通業者⇒コネクターの中間組立 |
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● | ●製品種類や製品セグメントを専門化する | |
製品の専門化と高付加価値化とを組み合わせた興味深い例 エサン・アレン社 アメリカ初期の伝統家具を専門としているが、その製品を1つ1つ買い求め、まとめてゆくと、専門家が設計したような、すばらしい部屋が出来上がる |
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● | ●顧客のタイプで専門化する | |
ex.価格にまったく敏感でない顧客とか、製品やサービスに付け加えた付加価値をいちばんほしがっている顧客 | ||
● | ●注文のタイプで専門化する | |
どんな顧客でもよいが注文は特定のものだけに限る | ||
ex.顧客がすぐに欲しがる小口の注文、特別あつらえの注文 | ||
● | ●特定地域に集中する | |
地域を限定して深掘りする | ||
● | ●飾りを捨てて裸で勝負 | |
飾りものなどいっさい捨て、機能そのものに徹する競争姿勢 | ||
● | ●川上に向かって垂直統合する | |
★ | ★どこに戦略上の落とし穴があるか | |
● | ●圧倒的支配をめざす落とし穴 | |
シェアを伸ばすにつれて、能率は下がり、製品差別化の欠点ばかり出て、供給業者や顧客の移り気に悩まされる。 すべての人にあらゆる品をという考えは、多数乱戦業界ではいちばん競争力をなくしてしまう。 この考えでうまく成功できるのは、大量生産でコストが有利となったり、いろいろ効率化を図れる業界。 |
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「ロブスター業界のGM」 vs. 船団を組んでも一般の漁船と差がつくほどのロブスターがとれるわけではなく 間接費がおおきくなり、固定費がかさんだ体質⇒漁獲高の変動のいちばんもろいものとなった。 |
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● | ●戦略修練を欠く落とし穴 | |
多数乱戦の原因そのものを取り除けるのでなければ、この業界の競争構造からして、的を絞ったコンセプトが必要になる。 ある事業をあきらめる勇気、事業とはこうするものだという世間の常識にもあえて立ち向かう勇気が、何よりも必要。 |
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● | ●ゆきすぎた中央集権化という落とし穴 | |
多くの多数乱戦業界で競争の死命を制するのは、人手によるサービス、地元との結びつき、仕事につきっきりの管理、生産量の変動やスタイルの移り変わりに即応できる能力など。 | ||
中央集権化⇒反応に時間がかかり、現場で働く人々の意欲を削ぎ、人でのかかるサービスには欠かせない手慣れた人々を逃してしまう。 | ||
多数乱戦業界の経済構造 〜生産とマーケティングの集中体制をとっても規模の経済性は発揮できないばかりか、逆に不利になる。 |
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● | ●競争相手も同じ間接費や利益目標をもった企業と思い込む落とし穴 | |
価格の変動やその他業界の動向には、まともな企業とはまるきりちがった反応を示す会社もある | ||
● | ●新製品にうろたえる落とし穴 | |
★ | ★戦略策定の手順 | |
● | 手順1: 業界と競争相手の分析を行い、 @その業界で何が競争力を生み出すもととなっているか、 A業界内部の構造はどうか、 B主だった競争相手は業界のどういう位置を占めているか、 をはっきりさせる。 |
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手順2: その業界が多数乱戦となっている原因をあきらかにする。 原因は落ちなくみな書き出し、それが業界の経済状態とどうつながっているのか、明確にしておく。 |
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手順3: 多数乱戦になっている原因1つ1つに検討を加えるが、この際、手順1でおkなった業界と競争相手の分析とも関連させて考える。 ex. イノベーションや戦略の転換で取り除ける原因はあるか 経営資源や今までにない新しい見方さえ注ぎ込めばそれで多数乱戦は変わるのか 業界の動向しだいで直接・間接変化する原因は何であるか |
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手順4: 右の質問の1つでも「イエス」 ⇒ 多数乱戦を変えられるなら、将来の業界の状況を想定し、何としても手に入れたいほどの利益がでるかを検討。 |
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★10 先端業界の競争戦略 | ||
★ | ★構造的環境の特徴は何か | |
★ | ★業界の発展を妨げる問題 | |
★ | ★どの市場が早く開拓できるか | |
★ | ★戦略の選択 | |
★ | ★予測の技法 | |
★ | ★どの先端業界に参入すべきか | |
★★11 成熟期へ移行する業界の競争戦略 | ||
★ | ★移行期に業界はどう変わるか | |
★ | ★移行期は戦略にどう影響するか | |
★ | ★移行期戦略の落とし穴 | |
★ | ★成熟期は組織にどんな影響を与えるか | |
★ | ★移行期業界の社長のあり方 | |
★★12 衰退業界の競争戦略 | ||
★ | ★衰退期の競争を左右する構造要因 | |
★ | ★衰退期の戦略 | |
★ | ★衰退期戦略の選択 | |
★ | ★衰退期の落とし穴 | |
★ | ★衰退期にそなえる | |
★★13 グローバル業界の競争戦略 | ||
★ | ★グローバル競争の原因と障害 | |
★ | ★グローバル業界への進展 | |
★ | ★グローバル業界での競争 | |
★ | ★戦略案にはどんなものがあるか | |
★ | ★新しい動向 | |
★★★V 戦略デシジョンのタイプ | ||
★★14 垂直統合の戦略的分析 | ||
★ | ★戦略的利得とコスト | |
★ | ★川下統合に特有の戦略問題 | |
★ | ★川上統合に特有の戦略問題 | |
★ | ★長期契約と統合の経済性 | |
★ | ★垂直統合デシジョンに見られる錯覚 | |
★★15 キャパシティ拡大戦略 | ||
★ | ★キャパシティ拡大デシジョンの構成要素 | |
★ | ★キャパシティ過剰になる原因 | |
★ | ★需要先どり戦略 | |
★16 新事業への参入戦略 | ||
★ | ★自社内での開発をもとにした参入 | |
★ | ★吸収合併による参入 | |
★ | ★段階的参入 | |