シンプラル法律事務所
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ドラフト・ミクロ経済学の力(神取)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)



 
  ◆序章 経済学の目的と方法
  ◇0.1 ミクロ経済学の方法 
    @誰が
A何を
Bどれだけ
Cどうやって作るか?
D誰が
E何を
Fどれだけもらうか?
@〜F:資源配分の問題
D〜F:分配の問題
    経済学が答えるべき基本問題:
それぞれの制度・ルールの下で、
@どんな結果がもたらされるか
Aその結果が良いか悪いか
@:事実解明的問題
A:規範的問題
    ミクロ経済学は、次のような方法で取り組むところに特徴
@どのよな資源配分が物理的に可能か、社会の生産能力(技術)を定式化する
A社会を構成する1人ひとりの個人が持つ利害関係を明らかにする
B資源配分を決めるための制度・ルールを定式化する
Cその制度・ルールの下でどう行動するかについて、@Aともとに「各人は、自分にとって可能な行動の中で最も好ましいものと取る」という合理的行動に基づいて統一的に説明
Dその結果実現する資源配分の良し悪しの判断も、社会を構成する1人ひとりの好み(選考)に基づいて、民主的に行う。
◇    ◇0.2 事実解明的な問いとミクロ経済学 
    「各人は自らの利益に従って行動する」
◇    ◇0.3 規範的な問いとミクロ経済学 
    社会を構成するのは結局は個人⇒国民1人ひとりの利害に即してものの良し悪しを判断すべき
★第T部 価格理論(市場メカニズムの特徴と問題点)
  ◆第1章 消費者行動の理論 
  ◇1.1 合理的行動:選好と効用関数
    「首尾一貫した好み(条件1と2を満たす選好≧)の下で最も望ましいものをつねに選択する」ことを、合理的行動という。
    個人の判断(選好)が首尾一貫しているための条件
条件1:どんな選択対象x、yについても、x≧yかy≧xの少なくとも一方が成り立つ(=完備性)
条件2:x≧yかつy≧zならx≧zが成り立つ(=推移性)
この2つの条件の意味するところは、つまるところ(選択対象の数が有限のときは)選択対象の1番良いものから1番悪いものまで(同点(無差別)を許しつつ)1列に並べることができる
  効用関数: 
    合理的行動=効用を最大化する行動
    序数的効用理論
    顕示選好の理論 
     
  ◇1.2 消費者の選好と無差別曲線 
    消費計画:
社会に財・サービスがN個あるとすると、ある消費者の消費パターンは、第i番目の財の消費量をxiとして、
x=(x1、x2、・・・、xN)で表わされ、それをその消費者の消費計画という。
    同じ効用を与える=無差別
「無差別であるさまざまな消費計画」は財が2つの場合にには通常は曲線の形をしている⇒無差別曲線
無差別曲線:同じ効用を与えるさまざまな点の集まりを表わす
    消費者にとって完全に同じ財とみなされるもの:完全代替財
ex.銘柄にこだわらない人のキリンとアサヒ
右レンズと左レンズのように、つねに一定割合消費される財:完全補完財
ex.ボルトとナット、パソコンとOS、パスポートと証明写真
    図1.3のような、原点に向かって凸の形をした無差別曲線は、「たくさんあるもののありがたみは薄れる」という、消費の一般的な特性を表わしている。
無差別曲線の傾き:
第1財(水)の消費量を1単位増やすために支払ってもよい第2財(パン)の最大量
=第2財(パン)で計った第1財(水)の価値
=第1財の第2財に対する限界代替率
「限界代替率逓減の法則」
     
  ◇1.3 最適消費:図解による分析 
    所得:I
第1財と第2財の価格それぞれ、p1、p2
p=(p1、p2):この価格の組p=価格体系
消費計画x=(x1、x2)を買う

p1x1+p2x2円を支払う必要。
所得Iでちょうど買える消費計画:p1x1+p2x2=I=予算制約式
合理的に行動する消費者の消費行動は、
予算制約px=Iを満たす消費計画xの中で
効用u(x)を最大にするものを選ぶ
こと。
    予算線:p1x1+p2x2=I
x2=−(p1/p2)x1+I/p2
⇒予算線の傾きは価格の比率p1/p2
最適消費計画x*は、予算線と無差別曲線が接する点。
  ◇1.4 重要な補論:数理モデルと現実の関係、およびミクロ経済学の考え方について 
    「各人は自らの利益にかなう行動をする」
という、経済問題で一番重要な行動原理をはっきりと明確な形でモデル化することの意義と威力
  事例1.1 政策評価:老人医療費補助制度の問題点 
医療消費を第1財(x1)、その他の消費を第2財(x2)
医療消費1単位当たり、政府がS円補助金を出しているとすると
医療費補助制度下の老人の予算制約式は、
(p1−S)x1+p2x2=I
この場合の最適消費点x*は予算制約を満たすので、
(p1−S)x1*+p2x2*=I・・・(1)
が成り立つ。
ここで政府が補助金制度をやめた場合:
この老人が補助金を受けていたときと同じ消費x*を行うためには、もっとお金が必要で、その金額をYとすると、
p1x1*+p2x2*=I+Y・・・(2)
(1)(2)より
Y=Sx1*

補助金制度をやめて、医療補助金として出していた金額(Sx1*)
     
  ◇1.5 限界分析入門 
微調整する=「微分する」
  ●(a) 限界効用 
ある財の限界効用=その財の消費量を微調整したときの満足の変化を表すもの。
第i財の限界効用:MUi=i財の消費を1単位増やしたときの効用の増分=∂u/∂xi
たくさんの財の消費量に依存する効用関数u(x1・・・xn)を、他の財の消費量は止めて、第i財の消費量xiだけの関数だと思って微分したもの。
「自分にとってなるべく得なことをしたい」という人間の経済行動を律する基本原則を、ざっくりとした形で、しかも誰でもわかるように明確な形で表したのが数学を使ったモデル。
  ●(b) 消費の微調整と効用の変化 
1つの財の消費量だけをちょっと変えた時の効用の変化と限界効用の関係
     
  ◆第2章 企業行動の理論 
◆    ◆第3章 市場均衡 
◆    ◆第4章 市場の失敗
◆    ◆第5章 独占 
★第U部 ゲーム理論と情報の経済学(経済理論の新しい流れ) 
  ◆ イントロダクション:なぜゲーム理論が必要なのか 
戦略的状況とは、
自分にとって何が得かは相手の出方による⇒相手の出方を読む必要があるような状況。
完全競争の世界を離れて、社会・経済の問題を一般的に分析するには、
@「各人は自分にとって望ましいものを選ぶ」という最大化の原理だけでは不十分で
A「相手の出方をどう読むか」を考える理論を付け加える必要がある。
完全競争と独占以外のほとんどすべての問題を分析するためにゲーム理論が必要になる
@不完全競争(寡占)の分析(産業組織理論)
A企業内部の活動の分析(組織と契約の経済学)
B政府や公共部門の分析(政治家や官僚はどのように行動するか?=政治経済学)
C情報の非対称性の分析(=自分にしかわからない情報をどう戦略的に使うか?)
D制度設計の分析(望ましい制度=ゲームのルールをデザインするにはどうしたらよいか?)
◆    ◆第6章 同時手番のゲームとナッシュ均衡 
  ◇6.1 ゲームとは? 
@参加者は誰か
A各人はどんな行動を取ることができるのか
Bその結果、誰がどれだけ得するのか
これらを正確に表したモデルを「ゲーム」という。
◇    ◇6.2 ナッシュ均衡 
現在のゲーム理論では、さまざまな社会経済問題においては、次に述べるナッシュ均衡と呼ばれるものが実現すると考える。
ナッシュ均衡:
自分1人だけ戦略を変えても得をしない状態
=各人の戦略がお互いに最適反応になっている状態)
  ●囚人のジレンマ 
ゲーム:
@プレイヤーは誰か
A各プレイヤーはどのような戦略を取れるのか
B戦略と利得の関係はどうなっているのか
@両者が黙秘⇒各人とも禁固1年
A両者が告白⇒各人とも禁固3年
B1人が黙秘で1人が告白⇒告白者は無罪放免、黙っていた方は禁固5年
相手が黙秘⇒自分は告白する方がベスト(0>−1)。
相手方告白⇒自分が告白する方がベスト(−3>−5)

プレイヤー1にとって、常に「告白>黙秘」
⇒双方告白がナッシュ均衡。
支配戦略:相手方何をやってもつねに最適な戦略
「お互い黙秘する」ことができれば囚人たちは得をする(双方ともー1)にもかかわらず、各人が自己利益を追及するとお互いに損をする状態(双方ともー3)(「お互い告白する」とうナッシュ均衡)にはまってしまう。
〜囚人の「ジレンマ」
  ◎リニエンシー制度 

課徴金減免制度のことで、公正取引委員会の調査前に「カルテルや談合をやった」と告白すれば課徴金が軽くなる制度。
最初に申告⇒免除。2番目⇒50%免除。3番目⇒30%免除。
両者が
     
     
     
     
◆    ◆第7章 時間を通じたゲームと戦略の信頼性 
◆    ◆第8章 保険とモラル・ハザード
◆    ◆第9章 逆淘汰とシグナリング 
◆    ◆終章 最後に、社会思想(イデオロギー)の話をしよう 
補論
  ◆A 最小限必要な数学の解説 
  ◇A1 関数 
  ◇A2 直線の傾き 
  ◇A3 微分 
関数f(x)のグラフの接線の傾きを、この関数の微分という、f’(x)とかdf/dxという記号で表す。
微分は、図の傾きb/aを、aを限りなくゼロに近づけたときの値として計算できる。
b=f(x+a)ーf(x)
⇒関数f(x)の微分は
b/a、つまり(f(x+a)−f(x))/aで、aを限りなくゼロに近づけていけば計算できる。
微分の意味:関数f(x)の微分とは、xの値をわずかに増やすと、関数の値f(x)がどれだけへんかするか(より正確に言うとf(x)の値がxの変化分の何倍増えるか)を表すもの。
微分が便利なのは、それを使うと関数の動き方がわかるから。
微分と最大:fが最大化されているような点では、f’(x)=0となっている。
例えば、xが生産量、f(x)が利潤だとすると、利潤を最大にする点はf(x)を微分してゼロと置くことで計算できる。
  ◇A4 多変数の関数の微分 
□      偏微分:f(x、y)を、yを止めてxだけの関数であると考えて微分したものを、fのXについての偏微分といい
∂f/∂xで表す。
∂は「丸まったd」なので、「ラウンド・ディー」と読む。
1変数の関数のf(x)の微分をdf/dxと書くのと区別して、たくさんある変数の一部だけで微分していることをとくに強調するために、dの代わりに∂という記号を使う。
この場合、yを定数だと思って微分すればいい。
偏微分の意味:関数f(x、y)のxによる偏微分∂f/∂xとは、(yをとめて)xの値だけをわずかに増やすと、関数の値f(x、y)がどれだけ変化するか(より正確に言うとfの値がxの変化分の何倍増えるか)を表すもの。
   
  ◇A5 確認の練習問題 
◆    ◆B 条件付最大化問題とラグランジュの未定乗数法 
  ◇B1 内点解の場合 
  ◇B2 内点解でない場合 
  ◇B3 凹関数と準凹関数 
◆    ◆C 補償変分と等価変分 
◇    ◇C1 補償変分 
  ◇C2 等価変分
◇    ◇C3 まとめ 
  ◆D 厚生経済学の第2基本定理の証明は難しくない 
  ◇D1 
◇    ◇D2 
  ◇D3 
  ◇D4 
  ◇D5
  ◇D6