シンプラル法律事務所
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論点整理(クルーグマン ミクロ経済学)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

第T部 経済学ってどんな学問?
★序章 日常の生活 
★第1章 最初の原理 
★  ★第2章 経済モデル:トレードオフと取引 
★付録 経済学のグラフ
第U部 供給と需要 
★第3章 供給と需要 
★  ★第4章 市場の逆襲 
★  ★第5章 弾力性
第V部 個人と市場 
★第6章 消費者余剰と生産者余剰 
★  ★第7章 意思決定
経済的意思決定の諸原理を概観。
@二者択一の意思決定と機会費用
A「どれだけか」の意思決定の問題と限界分析
B意思決定をするときに無視すべき費用(サンクコスト)
◆1 機会費用と意思決定 
資源は希少⇒あるものの真の費用は機会費用で測ることができる。
あるものの本当の費用は、それを手に入れるためにあきらめなければならないもの
■1.1 金銭的費用と隠れた費用 
大学卒業時の2つの選択肢
A:1つはもう1年学校に通ってさらに上の学位を取得
B:すぐに就職
1年学校に通う
@金銭的費用:金銭支出が必要となる費用。ex.学費
A隠れた費用:金銭支出はないが、そのために失った便益を貨幣額で測ったもの。ex,その1年間働いていれば稼げたはずの給与所得。
ex.
@金銭的費用:学費7000ドル、書籍と文具1000ドル、コンピュータ1500ドル、以上合計9500ドル
A隠れた費用:失われた給与:35000ドル
@Aの合計:44500ドル。
失った給与所得は、「時間」という資源を働くのではなく学校に通うために利用した費用。
ある行動の費用を測るときには、その行動をとるために使った資源は何であれ必要とすべき。
自分が持つ資源を何かのために使用することの費用は、それを他の用途に用いたとき獲得できたはずの最大限の便益で測る。
  大学を中退した有名人たち
ex.ビル・ゲイツ、タイガー・ウッズ、サラ・ミッシェル・ゲラー(女優)
大学中退者が大成功している例は、俳優やスポーツ選手のように若い時期にキャリアを始めるのが決定的に重要な職業に顕著にみられる。
←大学卒業の機会費用、すなわち彼らがその時期に仕事をして獲得できるものがあまりに大きかった。
■1.2 会計利潤と経済利潤 
キャシー・コピー店:顧客にコピーサービスを提供して報酬を得ている。
今年の収入:10万ドル
支出:6万ドル
コピー機の年間減価償却(価格の下落)分:5000ドル
⇒35000ドルが会計利潤。
あるビジネスの会計利潤はそのビジネスの収入から@金銭的費用とA減価償却分を差し引いた分。
この店を続けるべきかどうか⇒経済利潤を算出する必要。
会計士が算出した金銭的費用に加えて、さらに隠れた費用がある。
@設備、建物、工具、在庫、それから金融資産といったその会社が持つ資本を他の用途に使うことができたかもしれない。
A会社の所有者は、そのビジネスに自身の時間とエネルギーを注ぎ込むが、それを他のことに仕えたかもしれない。
@
キャシーのコピー機が借り物⇒使用料金が金銭的費用に
キャシーの所有⇒減価償却分
but
その機会費用は、コピー機を5万ドルで売り、その資金を銀行に預けて3000ドルの金利収入。
A
キャシーがある事務所のマネジャーとして勤務⇒3万4000ドルを稼げた。 
35000ドルの会計利潤を計上しているが、@Aをひくと、経済利潤は2000ドルの赤字
⇒店をたたんで、自分の資本と時間を他の用途に使った方が、キャシーの手元に残る資金は多い。
あるビジネスの経済利潤は、そのビジネスの経済利潤は、そのビジネスの収入から、使った資源の機会費用を差し引いたもの。通常経済利潤<会計利潤
あるビジネスの資本とは、そのビジネスが保有する資産価値(=設備、建物、在庫、金融資産等)のこと。
資本の隠れた費用はビジネスに使われた資本の機会費用で、その資本を他の一番良い用途に使えば稼げたはずの所得。
  都市近郊での農業:
都市部の地価高騰⇒高い隠れた費用があるとともに、収入以上に大きな隠れた便益をもたらす。
◆2 「どれだけか」の意思決定を行う:限界分析の役割
(1)どれだけかの意思決定:
何日おきに選択をするか
何マイルごとに自動車のエンジンオイルを交換するか
ナチョにどれだけハラペーニョをかけるか
会社で何人の人を雇うか
副作用のある薬をどれだけ患者に処方するか
侵攻軍にどれだけの兵力を投入するか
(2)あれかこれかの意思決定:
洗濯するか、遊ぶか
車を買うか、買わないか
ナチョにするか、サンドイッチにするか
自分で商売するか、他で働くか
患者に処方する薬をAにするか、Bにするか
上陸地点をカレーにするか、ノルマンディにするか
「どれだけか」の意思決定を理解するために、限界分析というアプローチを用いる。

ある活動をさらにもう少し行うことの便益と費用を比較すること。
ある活動をもう少し行うことの費用=限界費用
■2.1 限界費用 
フェリックス:
休みなしに働けば1日に7カ所の芝を借ることができる。
労働時間の機会費用は1時間10ドル(芝刈りの次に得意な仕事をすればそれだけ稼げる)。
but
1日の稼働時間を長くすればエンジンに負担がかかり、修理費と維持費が稼ぎを超える。
フェリックスの費用は、@彼自身の時間とA芝刈り機の修理・維持費だと単純化。
1日1カ所芝を刈るのにかかる費用は10.5ドル。
10ドルは彼の1時間の費用で、0.5ドルがガソリン代。
1日2カ所の芝を刈ると、費用は21.75ドル。20ドルが彼の費用で、1.75ドルが芝刈り機の修理・維持費。
1日3カ所の芝を刈ると費用は35ドル。30ドルが彼の3時間の費用で、芝刈り機の修理・維持費が5ドル。
ある活動の限界費用は、その活動をもう1単位増やすことで追加的にかかる費用。
芝を刈る箇所を増やすにつれて、芝刈りの限界費用が増加(芝を刈るカ所をもう1カ所増やすことで追加的にかかる費用は、その前にそうしたときより大きくなっている)⇒限界費用逓増
限界費用曲線:もう1単位ある活動を増やすことの費用と、それまでに行ってきた活動量との対応関係を示している。
芝を刈るカ所が変化しても限界費用が変化しない場合⇒限界費用一定
初めのうちは限界費用が小さくなっていくが、さらに続けると逆に大きくなっていく場合もある
〜特化の利益(生産を増やすとさらに多くの労働者が雇われ、労働者1人ひとりがそれぞれ最も得意とする作業に特化できるようになる。)
■2.2 限界便益 
フェリックスがビジネスを営む町:
@非常に忙しい人⇒芝刈り1時間当たりの機会費用は非常に高い。
Aあまり忙しくない人⇒機会費用は低い。
フェリックスの芝刈りに、1日35ドル、30ドル、26ドル、23ドル、21ドル、19どる、18ドルをそれぞれ支払おうとする顧客が1人づつ。
限界便益:ある活動をもう1単位増やしたことによる便益の増加分。
限界便益逓減:もう1単位その活動を増やすことで追加的に獲得できる利益をその前の1単位よりも小さくなっている場合。
限界便益曲線:もう1単位ある活動を増やすことの便益と、それまでに行ってきた活動量との対応関係。
■2.3 限界分析 
5カ所から6カ所に増やした時、限界便益がたった19ドルなのに、限界費用は20.75ドルもかかり、純利益は1.75ドルのマイナス。
⇒5カ所の芝を刈るのが彼にとって最も得になる。
〜限界便益が限界費用を上回る範囲内で、最も多い芝刈り数。
ある活動の最適数量は、純利益の合計を最大にする数量のこと。
最適数量を探すルール:
ある活動をもう1単位増やすことの限界便益が限界費用を上回る⇒活動数量を増やす。
限界便益が限界費用を下回るようになる直前でやめる。
限界分析の原理:ある活動の最適数量は限界費用と限界便益が等しくなるような数量。
■2.4 限界分析の原理はいろいろな状況で使える
限界分析の原理は、ほぼすべての「どれだけか」の意思決定で通用する。
●交通事故死を1件減らすたんめの、社会にとっての限界費用を考える。
1人の生命を救うことの限界便益がその限界費用に比べて大きいかを問う。
●薬の副飲量を増やすことの限界費用は副作用で測ることができる。
薬には、病気を治すという限界便益もある。
薬の最適服飲量は、このトレードオフを考慮したうえで最も効果のある量。
●試験勉強には費用がかかる。
〜その時間を他の科目の試験勉強に充てたり、睡眠をとったりと、別の用途に使うことができる。
もう1時間化学の試験勉強をすることの限界費用を考えることができる。
最適勉強時間は、良い成績をとるという限界便益が、その限界費用に等しくなるような時間。
  生命の費用:
 
◆3 サンクコスト 
自動車を買って最近ブレーキパッドを250ドルで交換。
ここでブレーキ全体が壊れて、@ブレーキ全体の交換に1500ドルかけるか、A車を売って、同程度の壊れていない車を購入(追加費用1600ドル)
×車を修理すると1750ドルかかるから、車購入の方がいい
vs.
ブレーキパッドの250ドルはすでに支払ってしまって、戻って来ない⇒この費用は無視すべきで、車をこれから修理するか、買い替えるかを決めるのには無関係。
経済学者の考え方では、今の車を保持してい修理する実質的な価格は1500ドル。
サンクコストは、すでに支払って取り戻すことのできない費用。
サンクコストは、将来の行動を決めるときには無視すべきもの。
◆4 現在価値の概念 
■4.1 借入れ、貸付、および利子率 
今日の1000ドル>1年後の1000ドル
1年間資金を借りたときの対価が利子率だ。それは貸し手が借り手に課すもので、借りた額のパーセントで計算される。
■4.2 現在価値の定義 
1ドルの便益を延期することの費用を利子率で正確に測れる。
rは利子率。利子率が10%⇒r=0.1
Xドルを貸し出せば、年末には、Xドル+Xr=X(1+r)ドルを受け取れる。
1年後に1ドルを受け取るには、X(1+r)=1⇒X=1/(1+r)ドル
⇒1年後の1ドルの代わりに今Xドルを受け取ってもいい。
r=0.1ならX=0.91ドル
1年後に生み出される1ドルの現在価値は1/(1+r)ドルに等しい。
これは、1年後に手に入る1ドルの今の価値。
2年後に受け取る1ドルの現在価値は?
今Vドルを貸し出せば、1年後にはV×(1+r)、2年後にはV×(1+r)の二乗=1
V=1/(1+r)の二乗
r=0.1なら、V=0.83
■4.3 現在価値を使う 
あるプロジェクトの純現在価値は、将来にわたって得られる便益の現在価値から将来にわたって発生する費用の現在価値を差し引いたもの。
プロジェクトA:100ドルもたらす
プロジェクトB:現在10ドルの資金を必要とし、1年後に115ドルもたらす
プロジェクトC:すぐに119ドルもたらすが、1年後に20ドル払う必要。
単純計算をしてしまうと、B>A>C
but利子率を10%として現在価値を比較⇒C(100.82)>A(100)>B(94・55)
  当たりくじ金額:
ペンシルバニア州のスーパー6という宝くじ
勝者は400万ドルbut20万ドルを20年にわたって受け取る
一括で受け取ると200万ドル
400万ドルを20年に渡って年割払いする支払の現在価値は200万ドル
but分割払いで「賞金400万ドル」(笑)
第W部 生産者 
★第8章 供給曲線の裏側:投入物と費用 
 
◆1 生産関数 
企業は投入物を生産物に変換。
生産関数は、企業が用いる投入量と生産量の関係を表すもの。
■1.1 投入物と生産物
固定投入物:その数量が一定で調整できない投入物
可変投入物:その数量を調整できる投入物
ex.フェリックスの芝刈り屋の例では、芝刈り機が固定投入物で、彼自身の労働力が可変投入物
ある投入物が固定的かどうかは、時間に依存。
長期とは、すべての投入物の数量を調整できるような期間(十分な期間があれば、企業はどんな投入物でも数量を調整できる。)
短期とは、少なくとも1つの投入物の数量を調整できない期間。
総生産曲線は、固定投入物の量が一定のとき、可変投入物の量に応じて生産量がどう変わるかを表している。
ある投入物の限界生産物(MPL)は、投入物をもう1単位追加したときの生産量の増加分。
労働の限界生産物=生産量の変化/労働投入量の変化=労働力を1単位追加したときの生産量の変化
MPL=凾p/凾k
凵iデルタ)は変数の変化を表している。
総生産曲線の傾きは、労働の限界生産物(=労働を1単位追加したときの生産量の増加分)と等しい。
総生産曲線の傾きは、生産量の変化(上昇)を労働投入量の変化(距離)で割ったもの。
他の投入物の量を一定にしておいてある投入物を増やしていくと限界生産物が減少する場合、その投入物の収穫逓減があるという。
図8−3は、総生産曲線の一はその他の投入物の量に依存して決まるという一般的な結果を示す。
その他の投入物の投入量を変えると、ある投入の総生産曲線と限界生産物曲線は双方とも移動する。
■1.2 生産関数から費用関数を導く 
生産関数:労働や土地といった投入物と小麦の生産量の関係を知る
固定費用は生産量に応じて変化しない費用。それは固定投入物にかかる費用。
可変費用は生産量に応じて変化する費用。それは可変投入物にかかる費用。
ある生産量を達成するのに総費用は、その生産量を達成するのに必要な固定費用と可変費用を足し合わせたもの。
総費用曲線は、総費用と生産量がどう対応しているかを表すもの。
土地を利用するのに400ドルの負担が必要。
(土地を400ドルで借りるか、所有している土地を誰かに貸し出して得られたはずの400ドルを放棄するか。)
土地は固定投入物⇒そのために支払われる400ドルは固定費用となり、FCと表記。
固定費用は「間接費」と呼ばれることが多い。
労働費用は、労働者の人数に200ドルをかけたもので、これは可変費用(VC)。
総費用(TC)=固定費用(FC)+可変費用(VC)
総費用曲線の傾きが大きくなるのは、可変投入物の収穫逓減のせいで発生。
  「人月の神話」
農業活動で雇用者層を増やす⇒質の低い土地を耕作しなくてはならない。
but
これはプログラムにも当てはまる。
1人のプログラマーが12か月かかって完了するソフト開発を、12人のプログラマーが1か月で完了することができない。

プログラマーを増やすとそれに比例して作成されるプログラムコード数が増えるというのは間違った考え方。
現実に、ある人数の超えてプログラマーをもう1人増やすと、開発プロジェクトの完了はかえって遅れてしまう。
プログラムの作成には収穫逓減が強く働く⇒ある人数以上になるとプルグラマーの限界生産物はマイナスになってしまう。

1つの開発プロジェクトに携わる各プログラマーは自分の仕事を他のプログラマーの仕事とをすり合わせなくてはならない。
人数が増えると、各プログラマーは意思疎通に時間を採られる。
共同作業には必要な費用がある。
会議出席、計画案を練る、パフォーマンスのチェック等、「時間を浪費」
◆2 2つの主要概念:限界費用と平均費用 
■2.1 限界費用 
限界費用:もう1つ単位生産量を増やすときの費用の増加分。
限界費用=総費用の変化額/生産量の変化量=生産量を1単位増やすことで生じた総費用の変化額
限界費用は総費用曲線の傾き
投入物の収穫が逓減⇒限界費用は右上がり
それまでの生産量が大きければ大きいほど、もう1単位生産するのに必要な投入量が大きくなる。
■2.2 平均費用 
通常平均費用と略称される平均総費用は、総費用を生産量で割ったもの。
=生産物1単位当たりの費用。
ATC=総費用/生産量=TC/Q
U字型平均総費用曲線は生産量を増やすにつれて初めのうちは低下し、生産量を増やしていくと上昇する。
平均固定費用(AFC)は、生産物1単位当たりの固定費用。
平均可変費用(AVC)は、生産物1単位当たりの可変費用
AFC=固定費用/生産量=FC/Q
AVC=可変費用生産量=VC/Q
平均総費用=平均固定費用+平均可変費用
平均固定費用は生産量が増えると減少
平均可変費用は生産量の拡大とともに増加
←可変投入物の収穫逓減(生産物を1単位増やすごとに、最後の1単位の生産物にはそれ以前の1単位の生産物より多くの可変費用がかかる。)
拡散効果:生産量が増えるにつれて、より多くの生産物が固定費用を分担しあう⇒平均固定費は減少。
収穫逓減効果:生産量が増えるにつれて、さらにもう1単位生産物をつくるのに必要な投入物も増える⇒平均可変費用は増加。
生産量が少ない時には、拡散効果が非常に強く働く>収穫逓減効果
⇒平均総費用曲線は右下がりに。
but
生産量が多いと、平均固定費用は小さな値に⇒生産量の増加による拡散効果もごくわずかに。
収穫逓減は生産量を増やすにつれてどんどん強くなる。
⇒平均総費用曲線は右上がりに。
■2.3 最小平均総費用 
最小費用生産量は、平均総費用が最小になる点、つまりU字型平均総費用曲線の最低点に対応する生産量。
企業の限界費用曲線と平均費用曲線との間の原理:
@最小費用生産量を生産しているとき、平均総費用と限界費用は等しい
A最小費用生産量より少ない生産量の時、限界費用<平均総費用
B最小費用生産量より多い生産量の時、限界費用>平均総費用で、平均総費用は増加
もう1単位生産する費用(=限界費用)<平均総費用⇒もう1単位生産することは平均総費用を下げることになる。
もう1単位生産する費用(=限界費用)>平均総費用⇒もう1単位生産することは平均総費用を下げることになる。
■2.4 限界費用曲線はいつまでも右上がりか?
これまで:
限界生産物曲線を常に右下がりに
限界費用曲線を常に右上がりに
but
実際は、企業が生産量をゼロからある低い水準にまで拡大する間は、限界費用曲線は右下がりなっていていて、生産量をそれ以上に拡大したときにのみ限界費用曲線は右上がりになる。

@1人で全作業をするより、多くの労働者が雇われると、製造工程を分割できる。(⇒当初の間は収益逓増をもたらし、限界費用曲線を右下がりにする。)
A生産活動に従事する労働者数が作業の特化に十分なほど多くなると、収穫逓減が働き始める。
  電力の費用:
西部諸州には全米の人口の6分の1しか住んでいないが、国の水力発電能力の半分以上がそこにある。
西部諸州の政府が自分たちの地域に電力を多く使う産業をもっと優位するのは良いアイデアか?
誘致⇒増える⇒西部の電力会社は従来の料金では費用をまかなえないと値上げ⇒消費者の怒り
既存の設備を用いた西部の電力の平均総費用は低い
but
追加的な電力供給能力を備えるための限界費用は高い

ダムに適した土地がすでに利用されているか、環境への配慮のためダムに適した残された土地の多くを利用できない。
つまり
発電の限界費用>平均総費用
◆3 短期の費用と長期の費用 
長期的にはすべての投入物は可変的になる=長期的には、固定費用も調整できる。
製造機械の増設の影響:
@追加的な機械を借りるか購入する必要があるということは、短期的には固定費用の上昇を引き起こす。
Aより多くの生産設備があれば、労働者の生産性は高まる(=ある一定量を生産するのに必要な労働者の人数が減る⇒どの生産量の水準でも可変費用は低下する。)
生産量が少ない⇒機会の追加導入による固定費用増大の負うか>可変費用低下の効果
計画生産量が大きい時には機械を追加導入すべき。
ベンのブーツ店が、108ドルの固定費用をかけることを選択して1日にブーツ2足を生産
but
当面1日8足への生産拡大を見込める⇒長期的には1日8足の生産水準での平均総費用を最小化するように固定費を増やすべき。
ほとんどの企業にとって、固定費用の選択肢は2つではなく、もっとたくさんあるのが現実的。
〜選択可能な短期の平均総費用曲線ががくさんある。
長期の平均総費用曲線は、各生産水準での平均総費用を最小化するように固定費用を選んだ場合の、生産量と平均総費用の関係を表す。
選択可能な固定費用がたくさんあるとすれば、長期の平均総費用曲線はスムーズなU字型になる。
@長期では、生産者は望ましい生産量に応じた適切な固定費用を選択するだけの時間があり、生産は長期の平均総費用曲線上のどこかの点で行われる。
Aいったんその生産量が変化するとp、企業は長期の平均総費用曲線上ではなく、現在選択している短期の平均総費用曲線に沿って動くことになる(固定費用の再調整を行ってそれを新しい生産水準に対応したものに変更するまでは、企業は長期の平均総費用曲線上にあるとは言えない。)。
企業が時間の流れの中でどのように行動するのかを理解するためには、短期の平均総費用と長期の平均総費用の区別が重要。
急激な需要増大に対応して生産量を突然増やさなくてはいえkないような場合、企業の短期の平均総費用は急激に増大(←既存の設備でより多くの生産を行うのは難しい)。
but
時間をかければ、新工場を建設したり、機械を追加導入したりして天気の平均総費用を下げることができる。
■3.1 規模の経済性と規模の不経済性 
長期の平均総費用曲線の形を決める要因=規模
生産量が拡大にするにれて長期の平均総費用が低下する場合、規模の経済性があるという。
(ベンのブーツ店では、0〜6足までのときに規模の経済性あり)
生産量が拡大するにつれて長期の平均総費用が上昇する場合、規模の不経済性があるという。
(6足より大きいときに長期の平均総費用曲が右上がりに)
生産規模が拡大しても長期の平均総費用が変わらず一定の場合、その企業は規模に対する収穫不変の状況にある。
規模の経済性:
@生産量が増大することで可能になる特化に起因。
より大規模な生産を行うとは、各個別の労働者が生産工程の一部に特化するということ⇒その仕事の熟練度合いを高めて生産性を上げることが可能になる。
A非常に大きな初期費用の存在。
自動車、電力、石油精製などの産業では、少量の生産を行うのにみ工場や機械設備などの非常に大きな初期費用がかかる。
規模の不経済性:
調整やコミュニケーションの問題が原因となって大規模で典型的に発生。
企業規模が拡大⇒情報を伝達したり活動を組織化することが難しくなり、その費用も高くなる。
規模の経済性には企業をより大きくする作用があるが、
規模の不経済性には企業の大きさ胃を制限する作用がある。
規模に対する収穫不変の状態では、規模は長期の平均総費用になんの影響も持たない。
■3.2 各種費用のまとめ:長期と短期 
短期:
固定費用 生産量に依存せずかかる費用 FC
平均固定費用 生産物1単位につきかかる固定費用 AFC=FC/Q   
長期と短期:
可変費用 生産量に応じてかかる費用 VC
平均可変費用 生産物1単位につきかかる可変費用 AVC=VC/Q
総費用 固定費用(短期の場合)と可変費用を足し合わせた費用 TC=FC(短期)+VC
平均総費用(平均費用) 生産物1単位につきかかる総費用 ATC=TC/Q
限界費用 もう1単位生産量を増やしたときの総費用の増加額 MC=儺C/儔
長期:
長期の平均総費用 各生産量での平均総費用を最小にするように固定費用を選んだ場合の平均費用 LRATC
  除雪業ほどうまい商売はない:
大雪などめったにないワシントンは、除雪という固定費用にはごくわずかしかお金をかけない
大量の積雪のあるシカゴでは、仕方なく大きな固定費用をかける
★第9章 完全競争と供給曲線 
  自然食品業界の自然な結末 
◆1 完全競争 
価格需要型の生産者:自分がとる行動を通じて、売り財の市場価格に影響を及ぼすことができない生産者
価格需要型の消費者:自分がとる行動を通じて、買う財の市場価格に影響を及ぼすことができない消費者
■1.1 完全競争の定義 
完全競争市場:すべての市場参加者が価格需要型になっている市場
完全競争産業:すべての生産者が価格需要型である産業
■1.2 完全競争の2つの必要条件 
第1の必要条件:
その産業に多くの生産者がいてどの生産者も大きな市場シェアを持たないということ。
ある生産者の市場シェアとは産業全体の生産量に占めるその生産者の生産量の割合。
穀物産業では何千もの小麦農家が存在⇒小麦の総売上高の1%以上を占めている農家は1つもない。
朝食用シリアル産業は4つの主要企業に支配⇒ケロッグ社の重役は、自分たちがコーンフレークの販売量を増やせば、市場価格の低下を招くことを理解。
第2の必要条件:
どの生産者の生産物であってもみな同じだと消費者が認識している。 
=その産業で取引される生産物が標準化された生産物だということ。
消費者が、異なる生産者の生産物を全く同じ財だと見なすとき、その生産物(財)は標準的製品、またはコモディティ(商品)と呼ばれる。
ある小麦生産者の小麦と他の小麦生産者の小麦を完全に代替可能な財だと思っている。
⇒ある農家が販売する小麦の値段を挙げると、他の農家に売上げをすべて奪われてしまう。
  標準的製品とは何か?
名前以外はほとんど区別できないが、消費者が何らかの理由で標準化されていないと思っているような財が取引されている産業は完全競争的ではない。
結局、競争の性質を決めるのは消費者。
■1.3 自由参入と自由退出 
多くの完全競争市場にはもう1つの特徴:
新規企業の算入や、すでにその産業で操業している企業の退出が容易。
参入や退出の障壁がないとき、その産業には自由参入自由退出の性質がある。
自由参入と自由退出は完全競争が成立するために必ずしも必要ではない。
but
ほとんどの競争的産業の重要な性質となる。
←変化し続ける市場で生産者数の調整を可能にする。
  競争の痛み:
ある産業が完全競争的になっていく例:
人気のある医薬品の特許期限が切れると完全競争の条件が整うことがしばしばある。
ex.
1984年に、アップジョン社のイブプロフェンという医薬品の特許期限が切れた⇒他の多くの企業が生産したジェネリック医薬品のイブプロフェンを服用。
特許期限が切れるとアップジョン社は価格を35%下げた。
ジェネリック医薬品を他の会社が販売しはじめると、イブプロフェンの価格はさらに3分の2も低下。
10年後「ハプロシン」というブランド名で販売されていた鎮静剤ナプロキセンの特許期限が切れた⇒ジェネリック医薬品となったナプロキセンはすぐさま、ナプロシンの当初価格の10分の1で販売されるようになった。
◆2 生産と利潤 
無農薬トマト農園を経営しているジェニファーとジェイソン
無農薬トマトの価格1ブッシェル=18ドルで、2人は価格需要型の生産者
つまり、彼らは価格18ドルでいくらでも売ることができる。
■2.1 限界分析を使って利潤最大化生産量を選ぶ
ある活動の最適な水準とは、その活動の限界便益と限界費用が一致する水準のこと。
限界収入:もう1単位生産することで発生する総収入の変化額
限界収入=総収入の変化額/生産量の変化額=もう1単位の生産増による収入の変化学
MR=儺R/儔
最適生産量ルール:最後の1単位の生産物がもたらす限界収入(一定)と限界費用(上昇)が等しくなるような生産量が利潤を最大化するというもの。
最適生産量を生産しているときにはMR=MCが成立している。
限界収入と限界費用が厳密に等しくならない場合⇒限界収入>限界費用となる生産量のうちで最も大きな生産量を達成すればいい。
価格需要型の企業の最適生産量ルール:生産物の市場価格と最後の1単位の限界費用が等しくなる生産量を達成することで、価格需要型の企業の利潤が最大化される。
価格需要型の企業の最適生産量の下ではP=MC(限界費用)が成立。
限界収入曲線は、生産量の変化に応じて限界収入がどう変化するかを示している。
企業が価格需要型のとき、限界収入曲線は市場価格と同じ高さの水平線になる。
潜在的生産者はまず
@「あれかこれか」の問題。つまりそもそも生産活動を行うべきかという問いに答える必要。
YES⇒
A「どれだけか」の意思決定。tなり限界費用と価格が等しくなる生産量を決めて利潤を最大化する。
■2.2 生産が利益になるのはどんなときか? 
利潤を計算する際には企業の資源利用の総費用として、実際に金銭支出を伴う金銭的費用だけでなく隠れた費用も考慮する必要がある。
 
価格需要型の企業の損益分岐価格とは、利潤がゼロになる市場価格のこと。
企業がプラスの利潤を獲得できるのは「市場価格>損益分岐価格」のとき。
市場価格>最小平均総費用⇒利潤を得る
市場価格=最小平均総費用⇒利潤ゼロ
市場価格<最小平均総費用⇒損失
■2.3 短期的な生産の意思決定 
短期的には、価格が最小平均総費用よりも小さくなったとしても生産を続けた方が良い場合がある。

総費用には固定費用(=生産量の大きさとは無関係にかかる費用)が含まれている。
可変費用は、清算をやめることでなくすことができる。
市場価格<最小平均可変費用⇒すぐ生産を止める
市場価格が操業停止価格より低くなると企業は生産をやめる。
操業停止価格=最小平均可変費用
価格>最小平均可変費用⇒短期的には企業は生産をするべき。
この場合、限界費用と市場価格が等しくなる生産量を実現することで利潤を最大化、もしくは損失を最小化。
MC:限界費用 もう1単位生産量を増やしたときの総費用の増加額
平均可変費用 生産物1単位につきかかる可変費用 AVC=VC/Q
平均総費用(平均費用) 生産物1単位につきかかる総費用 ATC=TC/Q
MC=ATC(=14ドル)の時が、損益分岐価格
価格が18ドル⇒利潤あり。
最小平均可変費用<価格<最小平均総費用の場合:

利潤を獲得できない(価格と最小平均総費用の差額分だけ損をしている。)。
but
生産から得られる収入で可変費用分は全て回収し、さらに少なくとも固定費用の一部も回収できる。
このとき、市場価格と限界費用が一致するように生産することで、企業は利潤最大化、つまり損失最小化をしていることになる。
企業の短期供給曲線は、固定費用を一定として、利潤を最大化する生産量が価格に応じてどう決まるかを示すもの。
操業停止価格<市場価格の場合、限界費用と市場価格が等しくなるように生産量を決める。

企業の短期供給曲線は限界費用曲線と一致。
市場価格<最小平均可変費用⇒短期的には操業を停止して何もすべきではない。
ex.冬の屋外遊園地
■2.4 固定費用を調整する。 
企業は望ましい生産量を達成したときの平均総費用を最小化するように固定費用を調整する。
無農薬トマトの市場価格が継続的に損益分岐価格の14ドルより高い
but
既存の生産者に利潤をもたらすくらい価格が高ければ、潜在的生産者もkの産業に算入
⇒長期的には、価格が14ドルよりも高ければ参入が起こる。
■2.5 まとめ:完全競争企業の収益性条件と生産条件 
収益性条件:
P>最小ATC(総費用/生産量)⇒企業は利潤を得る。長期的に参入が生じる。
P=最小ATC⇒企業の利潤はゼロ。長期的に参入も退出も生じない。
P<最小ATC⇒企業は損失を被る。長期的に退出が生じる。
生産条件:
P>最小AVC(平均可変費用)⇒短期的には企業は生産する。P<最小ATCなら可変費用は回収できるが、固定費用をすべて回収することはできない。P>最小ATCなら可変費用、固定費用ともに回収できる。
P=最小AVC⇒短期的には、生産するか生産しないかどちらでも良い。可変費用分がちょうど回収される。
P<最小AVC⇒短期的には企業は操業を停止する。可変費用を回収できない。
◆3 産業の供給曲線 
企業の供給曲線と産業の供給曲線を区別
産業の供給曲線も短期と長期では分析方法を変える必要がある。
■3.1 産業の短期供給曲線 
産業の供給曲線は、財の価格と産業全体の生産量の関係を示す。
産業の短期供給曲線は、生産者数が一定のときに産業全体で供給量と市場価格がどう対応するかを示す。
生産者数が一定のときに、供給量と需要量が一致している状態を短期の市場均衡という。
but
長期的には異なる。←長期的には農園の参入や退出が起きる。
■3.2 産業の長期供給曲線 
既存の生産者が利潤を得ている状態、すなわち、市場価格が1ブッシェル=14ドルという損益分岐価格つまり最小平均総費用よりも高ければ、参入は行われる。
⇒どの価格水準でも供給量が増える
⇒産業の短期供給曲線はは右にシフト
⇒市場均衡は変化して市場価格が低下
⇒既存企業は低下した価格に反応してそれぞれ生産量を減らすが、以前より多くの企業が操業しているので産業全体の生産量は増加
十分に時間が経過して、産業への企業の参入・退出が起こらず、供給量と需要量が一致しているとき、市場は長期の市場均衡状態になっている。
産業の長期供給曲線とは、生産者に参入と退出をするだけの時間がある場合に、価格に応じて産業全体の供給量がどう返還するかを示すもの。
この例では、産業の長期供給曲線は14ドルの高さ。
but
長期供給曲線が右上がりになる産業もある。
←供給量の限られる投入物を使って清算する必要がある場合。
ex.ビーチリゾートホテル。
価格が高い⇒新しい生産者の参入⇒産業全体での生産量増大⇒価格低下
価格が低い⇒既存産業の退出⇒産業全体の生産量が減る⇒価格上昇
■3.3 生産費用と長期均衡の効率性 
生産費用と完全競争下の長期均衡の効率性について3つの結論:
T:完全競争産業の均衡では、すべての企業の限界費用が等しくなっている。

@すべての企業が限界費用を市場価格と等しくするように生産。
Aすべての企業が価格受容型なので、企業なみな同じ価格に直面
U:自由参入と自由退出がある完全競争産業では、長期の均衡状態で企業の利潤がゼロになっている

各企業は最小平均総費用を達成するように生産。
産業全体の生産費用は完全競争産業では最小化されている。
V:完全競争産業での長期均衡は効率的な状態になっている
  ブドウ産業の逆転:
第X部 消費者 
★第10章 合理的な消費者 
 
◆1 効用:満足を得る 
消費者の行動を分析するには、財・サービスを消費することで得られる満足を図る個人的な尺度を各人が最大にしようとしていると仮定すればよい。
消費者の効用:財・サービスの消費から消費者が得る満足の尺度。
■1.1 効用と消費 
個人の消費の組合せ:その人が消費するすべての財・サービスを集めたもの
個人の効用関数:その人の消費の組合せがもたらうす総効用
〜個人的なものだから、嗜好の異なる2人の効用関数は異なる。
ユーティル:効用を測る単位
たくさん食べると、1個あたりの満足(=限界効用)は下がっていく。
■1.2 限界効用逓減の原理 
財・サービスの限界効用:その財・サービスを追加的に1単位消費したときに発生する総効用の変化分
限界効用曲線:限界効用が消費される財・サービスの量に応じてどう変化するかを示している。

右下がり。
1個のクラムの追加で増える総効用の大きさは、クラムの消費量が増えるにつれて次第に小さくなる。
限界効用逓減の原理:財・サービスをもう1単位消費することで増加する走行用の大きさがそれ以前の1単位に比べて小さくなること
  限界効用って本当に逓減するの?
限界効用逓増の例:
スキーの滑降は、初めての時は楽しさより恐怖のほうがずっと大きい
コーヒーは初めての人は苦い
十分な量を買って初めて役に立つ財
ex.部屋に春壁紙
but
ほとんどの財はこうした制約を持たない
  オイスター対チキン
◆2 予算と最適消費 
■2.1 予算制約と予算線 
クラムへの支出+ポテトへの支出<=総所得
予算制約:消費の組合せの費用がその消費者の総所得以下になる必要があるとするもの
ある消費者の消費可能性:所得と現行の価格が与えられたときにその消費者が選択できる消費の組合せの集合のこと
消費者の予算線:所得を全額支出に回すときに購入できる消費の組合せ
■2.2 最適消費選択 
最適な消費の組合せ:予算制約を所与として消費者の総効用を最大化する消費の組合せ
  予算制約で考察できること
同様の制約:
クローゼットの空間の制約
1日24時間という時間の制約
ダイエットのための食べ物の予算制約
  アメリカの労働者の消費可能性:1895年〜2000年
今日の労働者は平均的に見て、無作為に選ばれた財を1895年の労働者の7倍の量だけ買える
◆3 限界的な1ドルを支出する 
最適な消費の組合せを得るには、予算線上の組合せの総効用を求めて、それから総効用が最大になる点を選択することになる。
ある財やサービスの1ドル当たりの限界費用:その財やサービスにもう1ドルを使ったときに得られる追加的な効用のこと。
■3.1 1ドル当たりの限界効用 
あず財に支出された追加的な1ドルが生み出す限界効用=
その財の限界効用/その財の価格=MUi/Pi
■3.2 最適消費 
クラム1ポンド(1ドル当たり原型費用3)とポテト8ポンド(1ドル当たり限界費用1)

ポテトの支出を1ドル減らし、クラムへの支出を1ドル増やす。

実際に最適な消費の組合せを選択しているなら、クラムとポテトの1ドル当たりの限界効用は等しくなる。
最適消費ルール:消費者が費用を最大化するとき、消費の組合せに含まれるあらゆる財・サービスについて、1ドル当たりの限界費用は同じ。
最低な消費の組合せでは、任意の2財CとPについて
MUc/Pc=MUp/Pp
  消費者って本当に合理的なの?
年金プラン:
現在の消費に支出する1ドルの限界効用と、退職のために積み立てる1ドルの限界効用とを比較しなくてはならない。
雇い主のプランを通じた積立ての租税面の優遇と、その積立金の投資先の決定を雇い主に委ねるリスクとを比較考量すべき。
but
実際は、労働者は選択肢を比較して効用を最大化する代わりに、最も抵抗の少ない道を歩む。
行動経済学:
完全な答えを探し出すこと自体コストがかかる活動⇒時として人々は効用を最大化するところまでたどりつくのは実際に合理的でないことに気付く。
限定合理性に従う:完璧ではないが「十分に良い」意思決定をすることで人は時間と労力を節約する。
  セルフサービスのガソリン
割引額を他の財へのへの支出に回すことで新たに得られる効用は、セルフサービスという余計な手間に見合っていることを消費者は計算ずみ
⇒ガソリン価格が従来の水準に下がっても人々はセルフサービスでの給油を続ける
◆4 効用から需要曲線へ 
■4.1 個別受容と需要曲線 
ある財の個別需要曲線:個々の消費者の需要量と価格との関係を示す。
市場需要曲線はすべての小h氏派の個別需要曲線を水平に足したものになる。
1ポンド=6ドルだと、バートはクラムを2ポンド、アーニーは1ポンド需要⇒市市場需要量は3ポンド。
1ポンド=4ドルだた、バートは4ポンド、アーニーは2ポンド需要⇒市場需要量は6ポンド
■4.2 限界効用、代替効果、需要法則
フライドクラムの価格Pcが上昇
どの消費水準でも、価格が上がったからといって、1ポンドのクラムから得る限界効用MUcは変化しない。
but
フライドクラムに支出される1ドル当たりの限界効用MUc/Pcは低くなる。
〜消費者にクラムの消費量を減らすインセンティブ。
ある財の価格が上昇⇒個人は通常その財の消費を減らし他の財の消費を増やす。
ある財の価格が低下⇒個人はその財の消費を増やし他の財の消費を減らす。
個別の需要曲線は個人の財の消費をその財の価格に関係づけるやj理宇市通常は右下がりになる。
ある財の価格変化の代替効果:消費者が相対的に効果になった財を相対的に安価になった財で代替することで生じる、その財の需要量の変化のこと。
■4.3 所得効果 
食品や住宅のように消費者の支出の中で大きな割合を占める財が存在⇒@代替効果の他にA所得効果と呼ばれるいう別の効果も生じる。
ある財の価格変化の所得効果:その価格変化で消費者の購買力が変化することから生じる、その財の需要量の変化。
価格変化の代替効果と所得効果の区別:
@大多数の財・サービスでは所得効果は重要ではなく、個人の消費に大した影響はない。
⇒ほとんどの市場需要曲線はもっぱら代替効果のため右下がりで終わり。
A所得効果は、それが重要である場合でも、通常は代替効果を補強するように働く。
所得の中で大きな割合を占めている財の価格上昇⇒購買力低下。
大多数の財は正常財、つまり所得が減ると需要が減少する財⇒実質的所得低下により需要量は減少⇒代替効果は補強。
but
所得が減ると需要が増加する下級財のケースでは、所得効果と代替効果は反対方向に働く。
  ギッフェン財:
  モーゲージの利子率と消費者需要:
モーゲージの利子率低下⇒@住宅の購入は他の消費財に比べて良い買い物となり、A同時に人々はより豊かになったと感じるため、他の全ての正常財の購入量を増やす。
★第11章 消費者の選考と消費者選択 
異なる人々は異なる選考を持つ。
◆1 効用関数を図解する。 
■  ■1.1 無差別曲線 
イングリッド:部屋数で測った住宅とレストランの食事という2つの財のみを購入する消費者。
無差別曲線:個人にとって同じ総効用を生み出すすべての消費の組合せを示した曲線
同曲線状の点Aと点Bは、イングリッドにとっては無差別だという。
〜同じ総効用水準⇒どちらの点でも同じくらい幸せ。
■       ■1.2 無差別曲線の性質 
2つの一般的性質
@無差別曲線は交わらない。
←どんな消費の組合せもただ1つの総効用水準に対応していなくてはいけない。
どんな消費の組合せも、2つの異なった総効用水準に対応することはあり得ない。
A無差別曲線は原点から遠いほど、つまり外側に位置しているほど高い総効用水準を表す。
2つの追加的性質
@無差別曲線は右下がり
←多いほど良い
A無差別曲線は凸の形をしている
←限界効用逓減の原理
消費者の限界効用が逓減するときんは、もう1単位の財を消費することで増える総効用は、直前の1単位を消費することで増える総効用より小さくなる
◆  ◆2 無差別曲線と消費選択 
予算制約を所与として効用を最大にする組合せを見つけ出すために、無差別曲線マップをどのように使うのか?
2.1 限界代替率 
   
   
第Y部 市場と効率性 
★  ★第12章 要素市場と所得分配 
★付録 労働供給の無差別曲線分析
★  ★第13章 効率性と公平性 
第Z部 市場構造:完全競争を超えて 
★第14章 独占
★第15章 寡占 
◆1 寡占ばかりの世界 
少数の生産者しかいない産業は寡占と呼ばれ、そのような産業の生産者は寡占企業と呼ばれる。
どの企業も独占ではないが市場価格に影響を与えることができるとき、その産業は不完全競争という特徴を持つ。
◆2 寡占を理解する 
企業はどれだけの数量を生産するのだろうか?
利潤を最大にする数量を生産する。
■2.1 複占の例 
2社の企業しか存在しない寡占は複占という。そして各企業は複占企業と呼ばれる。
■2.2 共謀と競争 
◆3 寡占企業がプレーするゲーム 
2つの企業は相互依存状況にある。
2つ、もしくはそれ以上の数の数の企業の決定が、お互いの利潤に重要な影響を与えるとき、企業は相互依存の状況にある。
相互依存の状況での行動の分析はゲーム理論として知られている。
■3.1 囚人のジレンマ 
プレーヤーがゲームで受け取る報酬、例えば寡占企業が受け取る利潤を、プレーヤーの利得という。
利得表は、2人のプレーヤーがいるゲームで各人の利得が両プレーヤーの行動にどのように依存するかを示すもの。相互依存を分析するのに役立つ。
囚人のジレンマは2つの特徴をもつゲーム。
@各プレーヤーは、他のプレーヤーがどんな行動をとろうが、裏切るインセンティブを持つ。つまり、他のプレーヤーの犠牲のもとに自らが便益を得るような行動をとる。
A両プレーヤーがこうした行動を選択すると、両者がともにそれとは異なる行動を選択した場合に比べて、双方の利得は減少する。
テルマとルイーズが警察に捕まった。
2人に懲役5年の犯罪の証拠をもっている。
2人が懲役20年の重大犯罪に手を染めていると確信しているが、証拠がない。
⇒テルマ(ルイーズ)が2つ目の重大犯罪に関与していることを、ルイーズ(テルマ)に立証してもらおう。
それぞれに次を言う:
@2人とも自白せず⇒懲役5年
Aお前が自白して、仲間が自白せず⇒刑期を5年から2年に短縮。
B仲間が自白して、お前が自白せず⇒懲役20年
C両方が自白⇒刑期はともに15年。
2人とも、相手がどちらを選ぼうが、自白を選ぶ。
〜支配戦略
他のプレーヤーがどんな行動を選択しようが、あるプレーヤーにとってある行動が最適な行動であるとき、その行動は支配戦略だという。
警察の最大の関心事は、自白が支配戦略になるような利得構造を創り出すこと。
均衡とは、どの当事者も行動を変えるインセンティブをもたない結果のこと。
非協力均衡としても知られているナッシュ均衡は、他のプレーヤーが選択する行動を所与として、各プレーヤが利得を最大化するによう行動を選択したときの結果。行動を選択するときに、自分の行動が他のプレーヤーの利得にどんな影響を与えるかは考慮されない。
   
★第16章 独占的競争と製品差別化 
第[部 市場の境界を広げる 
★  ★第17章 国際貿易 
◆1 比較優位と国際貿易 
■  ■1.1 生産可能性と比較優位、再考 
他国よりもある財を生産する機会費用が低い国はその財の生産に比較優位を持つ。
■1.2 国際貿易の利益 
特化していないとき:コンピュータは1500台、バラも1500箱
特化:コンピューターは2000第、バラも2000箱
国際貿易⇒各国は、各財の生産と消費を等しくする必要がなくなる。
その差が、輸入と輸出。
実際には、個人の消費選択と同様、国々の消費選択も@居住者の選好とA国際市場の相対価格(=両財の交換比率)によって決まる。
国際貿易で実際に相対価格を決めるものは、需要と供給。
■1.3 比較優位の要因
比較優位の3つの要因
@国際的な気候の違い
A国際的な生産要素賦存量の違い
B国際的な技術の違い
●@気候の違い 
熱帯⇒コーヒー、砂糖、バナナ等
温帯⇒小麦、トウモロコシのような作物
●A生産要素賦存量の違い 
カナダが木材製品に比較優位を持つのは、労働力に対する森林地帯の比率がアメリカよりもはるかに大きいことによる。
労働や資本のように、森林地帯も生産要素。
生産の要素集約度:
各財を生産する際にどの生産要素が相対的に多く利用されるかを示す指標。
石油精製は、労働に比べると資本を利用する比率が高い⇒資本集約的
衣類生産は、資本に比べると労働を利用する比率が高い⇒労働集約的
ヘクシャー=オリーン・モデルによれば、
各国は国内に豊富にある生産要素を集約的に利用する財に比較優位を持つ。
資本を豊富に保有すうr国⇒石油精製のような資本集約的産業に比較優位を持つ
労働を豊富に持つ国⇒衣類生産のような労働集約的な産業に比較優位を持つ

機会費用の概念
@ある生産要素の機会費用とは、その要素が別の用途に利用された際に生み出す価値
Aある生産要素が豊富にある国では、その生産要素の機会費用は低い
⇒ある生産要素を集約的に使って生産される財の機会費用は、その生産要素が豊富にある国では低くなる。
●B技術の違い 
日本が自動車生産で比較優位を持つのは、日本企業が開発した優れた生産技術による。
□貧しい国は貿易で損をするのか? 
輸出品を生産する貧しい国の労働者に支払われる賃金は、
先進国労働者の賃金ではなく、
そのような輸出品生産の仕事がないときの賃金と比較されるべき。
スリランカ人が低賃金でも働くのは、低開発の経済では@労働は豊富でも、A資本のような他の生産要素が希少なので、労働者にとっては働く機会が非常に限られているから。
国際貿易がスリランカや他の低賃金国を経済的に豊かにし、労働者の賃金を上昇させていることはほぼ確実。
より良い労働条件の要請
but
仕事が完全になくなって国際貿易の利益も享受できない状況に陥ることなく、高賃金と労働条件の改善を強く要求することは果たして可能なのか、というジレンマ。
□アメリカの比較優位 
アメリカは、多くの人的資源と天然資源に恵まれ、ほとんどすべてのもので絶対優位を持つ。
では、アメリカは何に比較優位を持つのか?
×資本集約的
アメリカの輸出は機械や建物のような物的資本に関して集約的ではなく、人的資本に関して集約的。
アメリカの輸出産業と輸入産業を比べると、輸出産業のほうが教育水準の高い労働者をそうでない労働者よりも多く雇っている。
アメリカ最大の輸出部門である航空機産業では、肉体労働者に比べて相対的に多くの技術者や大卒労働者が雇用されている。
アメリカは大量の衣類を輸入しているが、その多くはわずかな教育しか受けていない労働者によって生産されている。
◆  ◆2 供給、需要、国際貿易 
■2.1 輸入の効果●● 
◆  ◆3 貿易保護政策の効果 
◆4 貿易保護政策の政治経済学 
   
★  ★第18章 不確実性・リスク・私的情報
◆1 リスク回避の経済学
■1.1 期待と不確実性 
■  ■1.2 リスク回避の論理 
◆2 リスクの購入・販売・軽減
   
◆3 私的情報:知らぬがゆえの損
   
第\章 ミクロ経済学と公共政策 
★第19章 外部性 
★第20章 公共財と共有資源 
★  ★第21章 税・社会保険・所得分配 
第]章 市場の新しい方向 
★第22章 技術・情報財・ネットワーク外部性