シンプラル法律事務所
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論点整理(交通事故関係)

論点の整理です(随時加筆修正していく予定です。)

交通事故関係 留意点 
  論点  結論 説明
責任を負う者  @加害運転者(民法709条)
A加害行為者の使用者(民法715条)
B自動車の運行供用者(自賠法3条)
訴訟の相手  加害運転者 運行供用者の他に加害運転者を相手にすると過失の立証が必要(立証内容が異なる。)
任意保険に加入している場合、運行供用者に対する勝訴判決が確定すれば、契約保険金額の範囲内で、認容額の支払いがされる。⇒特別事情のない限り、加害運転者を被告とする必要なし。 
任意保険会社  被保険者に対し賠償を命じる判決が確定すれば、保険約款により、任意保険会社は支払いをする義務が生じる。⇒通常は保険会社に対する債務名義がなくても、保険会社は任意に支払いに応じる。
任意保険会社が約款上の免責事由を主張して保険金支払義務の存在自体を争う場合。⇒加害者に対する損害賠償請求訴訟とともに、任意保険会社に対する訴えを提起。
その場合、同時に被保険者を被告とし、被保険者に対する判決確定を条件とする将来給付を求める形をとる。
 ひき逃げ等の場合  ひき逃げ等自動車の保有者が明らかでない場合、加害者が無保険の場合⇒政府に対し自動車損害賠償保険事業に基づく損害の補填請求が可能。(自賠71条以下) 
ひき逃げで、政府の自動車損害賠償保証事業による損害の補填を受けるためには、事故証明書に「ひき逃げ」と明記してもらう。
自賠責の被害者請求  被害者死亡⇒相続人が請求権者。
相続人のうち1人が代表で請求する場合は、他の相続人の委任状が必要。
単独で法定相続分だけを請求することもできる。
 事故態様 受任後早期に交通事故の現場を実況見分し、道路の状況、事故の状況等を現場で確認。(←時間が経過すると、道路状況や標識、信号サイクル等が変わることがあり、立証が困難になることがある。) 
死亡事案の場合、実況見分調書の記載が偏ったものになることがある。
⇒警察に、実況見分への目撃者、被害者の相続人、弁護士等の立会いを求める。
事故現場見取図等を参考に、路面の状況等を調査し、事故車両の形状や色、変形状況、破損状況を写真撮影により保全。
不起訴記録については、受任弁護士に限り、かつ、実況見分調書に限って閲覧・謄写できる。
刑事事件としてとりあげない物損事故では、損保会社がリサーチ会社に作成依頼する事故状況等の調査報告書音開示・提出を求める。(要交渉)
警察官が現場で当事者からの事情聴取や略図等を記録したメモや簡易な捜査報告書等の書面が保存されている場合がある⇒所轄警察署にその存否や送付の可否を確認。
 傷病・治療 本人の体質的素因や既往症の関係が争われる可能性⇒医師の意見やカルテ(診療録)の保全、レントゲン写真等の確認の必要。 
医療機関への照会、証拠収集方法:
@弁護士の私書書面での照会
A23条嘱託
B文書送付嘱託等

照会事項:
症状、治療経過、後遺障害の有無、症状固定時期、就労可能時期

送付嘱託の対象:
診療録、医師指示票、看護記録、X線写真、諸検査結果票(CT、MRI)、保険診療報酬請求書控、病理検査所見等
二重事故や被害者の持病の問題⇒事故後治療を受けた以外の病院からもカルテを取寄せる必要 
不必要な転医、遠隔地への通院、医師の指示なくしてなされる整骨院への通院は、治療費・通院費の賠償が認められない場合あり。
 後遺症 傷害がなおったとき(症状固定)に身体に存する障害。
症状固定「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待しえない状態で、かつ残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達したとき」 
後遺障害に対する自賠責保険金給付を受けるには、自算会(自動車保険料率算定会)の調査事務所による等級認定を受ける必要。
被害者請求による(自賠法16条)場合と、任意一括手続による等級認定を受ける場合の2通りがある。
後遺障害の等級認定を受けるにあたって、病院で症状固定後に後遺障害診断書を作成してもらう。
任意保険会社としては、自賠責の等級認定がなければ後遺障害の陪食金を自賠責保険からの回収に困難を伴うため、訴訟での和解等による解決が難しい。
自賠責の等級認定に不服があれば、自賠責保険会社に対して(自算会調査事務所ではない)異議申立や再審査請求を行い、その際医療記録等を参考資料として追加提出する。
請求権の消滅時効に注意。保険会社から請求者側に認定等級の通知(保険金・損害賠償額の支払通知)があった時から時効は進行し、自賠法上の被害者請求権は2年で消滅。
 積極損害 治療開始当初から、加害者側の任意保険会社に交渉して病院側と連絡をとってもらい、任意保険会社から直接病院へ治療費を支払うようにさせる。 
付添費は、通常は医師の診断書に付添いが必要な期間の記載のあるbが合いにその範囲で認められる。医師の指示がない場合でも、受傷の部位、程度や被害者の年齢などによっても認められる場合がある。
入院雑費、入院費慰謝料については、病院に対し、診療報酬明細書や診断書の交付を求めて、入院期間を確認して計算する。
合理的な通院経路である限り、通院先、通院日、利用交通機関及び往復の交通運賃の金額を明らかにすればよく、保険実務、裁判実務においても特段領収書その他の資料は要求されない。
タクシーの場合は、利用の必要性と相当性があり、かつ領収書等の資料による立証が必要。タクシー代の請求が否定されても電車賃等相当額の交通費は認められる。
家族の交通費は、家族付添費あるいは入院雑費に含まれるが、遠隔地の場合は、見舞看護が必要で相当なときに別途認められる。
入院先の医師、看護婦への謝礼については、社会通念上相当なものであれば認められる。
進級遅れのために余分に支払わざるを得なかった授業料、学業の遅れに伴う相当な範囲の補習費も損害となる。
義足、車椅子等の装具、器具代、家屋、自動車の改造費も必要性があれば相当性の範囲内で認められ、将来分も認められる。なお、自治体、国から現物ないし補助金が支給されることがある。
禁治産宣告申立のための鑑定料、損害賠償請求のための調査費用、通信費、自宅における家政婦費、愛玩動物の保管料、旅行のキャンセル料、老人ホームの介護料など。なお、遅延損害金は、弁護士費用も含め事故当日から起算する。
 消極損害 給与所得者の場合:
雇用主の証明書、前年度の源泉徴収票、給与明細書。(保険実務では、保険会社所定の休業損害証明書(休業した事実と事故前3か月の収入を立証)、前年度分の源泉徴収票、場合により賞与の増額、昇給昇格などの会社の証明書の提出が求められる。) 
事業所得者・自営業者:
@確定申告書の控、Aその添付書類(白色申告書の場合の収支内訳書の控、青色申告者の場合の所得税青色申告決算書の控)、B市町村長発行の住民税課税証明書、C税務署長発行の納税証明書、Dこれらが用意できない場合又は補充的資料として、帳簿、領収書、取引先の支払証明など、E場合による職業証明書を用意。(保険実務では、@Aの書類が必要で、@に税務署の受付印がない場合には、BCの書類を取寄せて、@の裏付けとする。@〜Cについて複数年度分(3年分程度)を要求されることがある。)
事業所得者・自営業者について上記資料が提出できない場合でも、現実に休業損害が発生した事実を確認できれば、休業損害が認められることもある。
事業所得者・自営業者の収入は、それを得るのに要した経費と、これを控除した所得からなり、さらに経費は、休業によって支出を免れる変動費と、これに無関係に支出しなければならない固定費からなる。事故によって、被害者は、本来得るべき収入を失ったのであるから、自営業者の休業損害も(所得ではなく)収入を基礎に算定される。変動費は、当然損益相殺として控除される。
 後遺障害逸失利益 算定はライプニッツ係数
逸失利益の本質:
差額説:交通事故がなかったら被害者が得られたであろう収入と事故後に現実に得られる収入との差額
←損害賠償制度は、被害者に生じた現実損害を填補することを目的とするもの。
 慰謝料 傷害慰謝料は、入通院期間を基礎として、慰謝料算定基準表(しおり)を参考に慰謝料を算出し、個別に慰謝料増減額事由の有無を判断する。
端数の処理:
入院期間50日。1月を30日として月単位に換算し端数を出すと、1.67月となり、端数は0.67月。これを基礎に計算すると、入院1月慰謝料60万円+(入院2月慰謝料117万円ー入院1月慰謝料60万円)×0.7=98.19万円 
 死亡の場合 逸失利益:収入(年収)×(1−生活控除率)×就労可能年数に対応する中間利息控除係数
葬儀費用は原則定額。立証不要。
仏壇購入費、墓石建立費、遺体搬送料が別途考慮されることがある。
香典は損益相殺を行わない。香典返しは損害と認められない。
 自賠責保険  あらかじめ被害者請求(自賠法16条)により、自賠責保険金の回収をする。
(示談交渉が長期化した場合や訴訟を提起する場合の訴額の減少等のメリット。) 
自算会は、重過失減額の他は被害者側の過失を争わないし、損害の算定も定額化⇒比較的スムーズに保険金の支払が受けられる。
重過失減額の割合については、被害者の過失の程度が勘案され、死亡による損害及び後遺障害による損害については20〜50%、死亡に至るまでの傷害による損害及び傷害による損害については20%の割合で減額が行われる。
受傷と死亡との間及び受傷と後遺障害との間の因果関係の認否が困難な場合には、損害額を50%の割合で減額される。
共同不法行為が成立する場合の自賠責保険の保険金額は、加害者の台数に政令で定める保険金額を乗じたものが最終的な保険金上減額となる。
 任意保険 任意保険の給付内容:
@自損事故保険、A無保険者傷害保険、B対物賠償保険、C搭乗者傷害保険、D車両保険、E人身傷害補償特約付保険
提出書類:
@保険金・損害賠償額・仮渡金支払請求書、A交通事故証明書、B交通事故発生状況報告書、C医師の診断書、D診療報酬明細書、E休業損害証明書、F看護料の立証書類、G通院費の立証書類、H被害者の領収書及び示談書等加害者の支払を証明するもの、I印鑑証明書、J委任状、K戸籍謄本
加害者が保険会社に通知しない場合には、被害者は保険金の直接請求(保険約款により人損のみ可能)の前提として加害者の保険会社に通知しておくべき。
被害者自らに一方的過失があるため強制保険の支払を受けられない場合、加害者側が任意保険に加入していない場合には、被害者自ら加入している自動車保険の自損事故保険、無保険者傷害保険等により保険金の支払を受ける必要があり、その場合には、被害者は自らの保険会社に通知する必要がある。
(保険約款上、事故発生後速やかに保険会社又は代理店に事故に関する一定事項の通知をする必要があり、通知を怠った場合は、原則として免責事由として保険会社から保険金が支払われなくなる。)
 労災保険 交通事故による人損(負傷・死亡)が、@「業務災害」又は「通勤災害」であって、A自賠責の支払に先行して労災保険給付を希望する場合で、B所轄の労働基準監督署に第三者行為災害届を提出した場合、事業者が労災補償の責任を負い、被災労働者又は遺族は、労災保険の給付により賠償金を受領することができる。 
労災保険の給付は、所轄の労働基準局に対して、第三者行為災害届を提出することによって、受けることができる。
第三者行為災害届の書式は最寄りの労働基準監督署労災担当者から入手可能。請求には2部作成し、提出する。添付書類は、@交通事故証明書、A念書、B示談がなされたときは示談書の謄本又は写し、C自賠責保険等の損害賠償等支払証明書(既に自賠責から仮渡金を受けている場合)、D死体検案書又は死亡診断書(死亡の場合)、E戸籍謄本又は抄本(死亡の場合)。
被害者は通勤災害や業務災害が自動車事故の場合、労災保険と自賠責保険の双方へ保険給付を請求することができる。
どちらの保険も政府によるもので、当該事故による被害者の損倍の賠償の填補を目的としているので、二重に保険金を受け取ることができない。
労災保険等の公的給付がなされない場合、逸失利益や休業保障等項目毎に区分して充当計算をする方が被害者に有利。
 健康保険 被保険者の業務外の自由により負傷等の保険事故が発生した場合、被保険者又はその遺族に対して傷病給付・死亡給付等の給付がなされる保険。
交通事故によって発生した負傷の治療の場合でも、健康保険の利用は可能。
所轄の社会保険事務所宛てに(直接又は健康保険組合を通じて)第三者の行為による傷病届けを提出する。
第三者の行為による傷病届の書式は最寄の社会保険事務所で入手可能。
添付書類は、@事故証明書、A事故発生状況報告書、B診断書、C死亡の場合は戸籍謄本及び死亡診断書、D示談をしているときは示談書の写し。
第三者の行為による傷病届には、@概要、A被保険者証記号と番号、B氏名住所、C事業所、D加害者の氏名住所、E加害者の勤務先、F傷病名、G発生場所、H発生日時、I事故内容、J過失割合等を記載する。
加害者側としては、任意保険に加入していない場合、自賠責で傷害の治療費等に填補される部分は120万円しかなく、自由診療で治療行われると健康保険に比べて割高になる(単価は2倍以上)ので、被害者に、労災の申請(業務上の事故の場合)あるいは健康保険(それ以外の場合)を使用してもらうよう努めるべき。
任意保険に加入していても高額の治療費が予想される場合も同様。
被害者としては、治療について自由診療によるか、健康保険を使うかは自由であるが、被害者側にも大きな過失がある場合、入院期間が長期にわたり治療費が高額になる可能性が高い場合、健康保険等の保険診療を利用した方が有利。
健康保険による治療が有利と判断した場合、病院側の了解を得て保険会社と相談の上、被害者の加入している健康保険組合等に対し第三者行為による旨の届出を提出して、保険診療を受ける。
 仮渡金(自賠法17条) 保有者の損害賠償責任の有無に関わりなく、又は賠償額が確定しない段階でも賠償額の一部を仮払金として保険会社に請求することが可能で、自算会による損害調査も行われることなく、必要書類提出段階で支払われる。 
金額は政令で定められた一定金額(自賠法施行令第5条)
死亡290万円、傷害はその程度に応じ、40万円、20万円、5万円の3段階に分かれる。
 内払金 法令に基づく制度ではなく、保険会社が創設した制度。
傷害事案のみ可能。 
仮渡金と異なり、自算会による損害調査の結果、保有者責任が発生したと認められた場合に支払われる。
傷害による損害について、被害者が治療継続中のために総損害が確定しないときにでも、既に発生した損害額について被保険者あるいは被害者の損害が10万円以上あることを保険会社が認めたとき、その損害額全額が、傷害による損害の保険金額に達するまで支払われる。
治療期間が長期に渡る場合などに利用価値があるl。
 一括払い制度  自動車保険と自賠責保険の一括払い請求制度。
任意保険契約のある保険会社が請求者保険金を一括して支払った後、自賠責保険金相当額を自賠責保険に請求する。
一般には、任意保険の保険会社が被保険者の委任を受けて一括払いを請求する。
自賠責保険では、過失相殺については被害者に重過失がない限り、考慮しないこととされているが、任意保険の一括払いによると不利に働くことがある。
(死亡事故で被害者に過失が大きいとき、自賠責保険の被害者請求なら3000万円出るのに、一括払いの場合3000万円に達しないことがありえる。)
 政府保障事業 ひき逃げや無保険車による事故で損害を受けたときは、まず社会保険による救済を受けた後、自賠責保険と同額になるまでその不足分について政府の被害者救済の保障事業から補填される。
最寄の損害保険会社か共済の窓口に請求書を提出。
 被害者の直接請求の時効消滅 被害者の直接請求権の時効は、「損害及び加害者を知った時」から2年(自賠法19条)
不法行為による損害賠償請求権の時効期間3年より1年短いので注意。 
加害者との示談が成立しないときは、被害者ととりあえず保険会社に請求するか、あるいは時効中断の申請をして保険会社の承認を得るなどして時効が成立しないように注意する必要。
加害者に対して損害賠償請求訴訟を起こしていても、自賠責保険会社に対する被害者の直接請求権については、これを保険会社に対して請求するか又は時効中断の手続をしないでいると、2年の経過で時効により消滅するので注意が必要。
後遺障害以外の治療費等は後遺障害による損害とは別個に事故発生日から消滅時効が進行するので注意が必要。複数の後遺障害が認定され併合等級として扱われる場合も別個に進行するので注意が必要。
委任状 保険金請求の場合、委任状は指定の用紙があるほか、実印であることが必要。
印鑑証明は委任者のほか受任者の分も必要。 
 紛争解決方法の選択 @示談交渉
A裁判外紛争処理機関による紛争解決
 日弁連交通事故相談センター
 交通事故紛争処理センター
B自賠責保険の被害者請求
C弁護士会の仲裁センター
D交通調停手続き(民調33の2)
E裁判 
裁判外紛争処理機関による紛争解決
@?日弁連交通事故相談センター
A?交通事故紛争処理センター
いずれも無償で示談斡旋に応じてもらえる。
@は比較的短時間で斡旋手続をしてくれるが、双方の承諾がなければ手続きは進められない。
Aは、審査手続に移行する制度があり、その裁定については被害者は拘束されないが、任意保険会社は拘束される。
事実関係に比較的争いがなく、その法的評価や算定基準の金額に争いがある場合に利用できる。

交通事故 理論関係 
   論点 説明 
運行供用者の責任 自動車損害賠償保障法 第3条(自動車損害賠償責任) 
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。
ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
趣旨:一方で自動車事故の加害者側の責任を強化し、無過失責任に近づけるとともに、他方で責任保険を強制(同法5条以下 自賠責保険)し、賠償のコストを保険によって分散することで被害者の実質的な救済を図ろうとする。(内田Up474)
運行供用者 「自己のために自動車を運行の用に供する者」(法3条):
自動車の使用についての支配権(運行支配)を有し、かつ、その使用による享受する利益(運行利益)が自己に帰属する者。
but
運行利益は重視されない。  
 肯定例 20歳の息子が自分の金で買った自動車が父親名義で登録され、父と子は同居し、自動車が父親宅の庭に保管されていた事案でその父親
←「自動車の運行を事実上支配、管理することができ社会通念上自動車の運行が社会に害悪をもたらさないよう監視、監督すべき立場にある」(最高裁昭和50年11月28日) 
会社が自家用車での通勤を禁じていた場合でも、寮に住む従業員が作業現場へ通勤手段として自家用車を利用するのを黙認し、会社の社屋に隣接する駐車場も使用させていた事案で、通勤途上の事故について会社(最高裁平成元年6月6日)
レンタカー会社(最高裁昭和46年11月9日)
所有者がキーを差し込んだまま車を路上に放置して盗難にあった場合は、車の管理に落ち度のあった所有者は運行供用者(札幌地裁昭和55年2月5日)
否定例  タクシー会社の自動車が、警備員のいる塀に囲まれた駐車場から盗み出され、事故を起こしたケース。(最高裁昭和48年12月9日)
←車の管理が一応行き届いていたことから、窃盗犯が車を盗んだ時点で、タクシー会社の運行支配が遮断された。
2時間の約束で友人から車を借りた者が、約束を破って返還の求めに応じず、その後も乗り続けて1ヶ月後に事故を起こした事案。(最高裁平成9年11月27日)
 自賠責保険 自動車損害賠償保障法により強制(法5条) 
被保険者(自賠責保険によって損害を填補される者):保有者と運転者(法11条)
保有者:自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供する者。(法3条3項)
×泥棒運転者
目的:人身事故による損害の填補
×物損
被害者救済が制度趣旨⇒
@免責事由の制限
A過失相殺等の制限(被害者に「重大な過失」がある場合にのみ20〜50%の減額)
A被害者による保険会社への直接請求(自賠法16条)
B仮渡金の支払(自賠法17条)
任意保険との関係 人身事故により損害賠償責任を負担することによって生じる損害は、まず自賠責保険により填補され、自賠責保険の負担額が損害の全部を填補するに足りない場合は、その不足額が任意保険により填補される。