シンプラル法律事務所
〒530-0047 大阪市北区西天満2丁目6番8号 堂島ビルヂング823号室 地図
TEL(06)6363-1860 E-mail: kawamura@simpral.com
| 大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP−TOP |
| 真の再生のために(個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP−トップ |
論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
特定商取引法 |
||
| 改正法骨子 | 2008年6月11日成立 2009年末までに施行 | |
| ・クーリングオフの対象を原則全ての商品・サービスに拡大 ・消費者団体訴訟制度(消費者団体が代わりに契約取消や販売差止めなどを求める) ・過量販売は契約後1年以内なら解約可能に ・訪問販売の再勧誘の禁止 ・迷惑広告メールの禁止 ・返品に関するルールの明確化 |
||
| 訪問販売 | 適用対象 (法2@) |
「訪問販売」とは、販売業者又は役務提供業者が、消費者(購入者等)に対し、 @ア 営業所、代理店、露天、屋台店、その他これに類する店(営業所等)以外の場所において(法2@(1)) @イ 特定の誘引方法による顧客(特定顧客)については営業所等において(法2@(2)) A政令指定商品・指定権利・指定役務(政令3条別表1,2,3)に関して B申込を受け、又は契約を締結する取引をいう。 |
| @イの特定顧客は、以下の者をいう。 (ア)路上等で呼び止めて営業所等に同行させた者(法2@(2))(キャッチセールス) (イ)販売目的を告げずに営業所等に呼び出した者(政令1(1))(アポイントメントセールス) (ウ)他の者に比して著しく有利な条件で契約できる旨を告げて営業所等に呼び出した者(政令1(2))(アポイントメントセールス) |
||
| 「営業所等」について、 「営業所」「代理店」「露天、屋台店その他これらにい類する店」「(★)前3号に掲げるもののほか、一定の期間にわたり、指定商品を陳列し、当該指定商品を販売する場所であって、店舗に類するもの」(省令1条) ★について @最低2,3日以上の期間にわたって A指定商品を陳列し、消費者が自由に商品を選択できる状態のもとで B展示場等販売のための固定的施設を備えている場所で販売を行うもの (通達) ホテルで1週間開かれた着物の展示会で着物を購入⇒「営業所等における取引」に該当⇒特定商取引法の適用なし。 but 消費者が販売員に囲まれて強引な勧誘を受けるなど、自由に商品を選択できる状態になかった⇒「営業所等以外における取引」として、特商法の適用を受ける。(上記Aの要件を満たさない。) |
||
| 指定商品制について ⇒指定がトラブルの後追いになる。 ⇒改正法案では、「指定商品」「指定役務」について廃止し、他の業法により消費者保護の措置があるものや、規制が不適当な品目を、法律、政令、省令により適用除外にする。 |
||
| 適用除外 (法26) |
訪問販売(及び通信販売・電話勧誘販売)における適用除外について規定 @:購入者が「営業のため若しくは営業として」締結する契約(@(1)) 通達: ア 購入商品・役務が事業用というよりも主として個人用・家庭用である場合、 イ 契約者が実質的に廃業していたり事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、特商法が適用される。 A:その住居において売買契約を申込・締結することを請求した者に対して行う訪問販売(A(1)) B:政令が指定する適用除外(A(2)) ア 店舗業者の1年いないの2回目以降の訪問販売(政令8A) イ 無店舗販売業者の1年以内の3回目以降の訪問販売(政令8B) 通達:消費者が冷静に検討する余裕も与えられずに次々と契約を勧誘する次々販売は、特商法の適用除外としない。 |
|
| 書面交付義務(法4,5) | 厳格な書面交付義務 @書面交付時期と書面の種類 ア 契約の申込を受けたときに「申込書面」(法4) イ 契約を締結したときに「契約書面」(法5) ウ 申込みと契約締結が同時のとっきは「契約書面」のみの交付で足りる。(法4但書) A書面の記載事項(法4、省令3) 販売価格又は役務の対価(法4(1)) 商品の型式、種類(省令3(5))等 B書面の不交付・記載不備の効果 ア 行政規制(指示・業務停止等)(法7,8) イ 刑事罰(100万円以下の罰金)(法72(1)) ウ 民事効果(法9) |
|
| クーリング・オフ | @要件: ア 訪問販売の方法により、指定商品・権利・役務を購入したとき (乗用自動車は適用除外 法9@、政令4) イ 法定書面(申込書面・契約書面)の受領日から起算して8日以内であること (ア) クーリング・オフの告知がある書面であること(法4(4)) (イ) 法定の記載事項が記載されていること(法4各号) 法定書面(法4,5)の場合はもちろん、重要な事項について不備がある書面(不備書面)が交付された場合、クーリング・オフ期間は進行しない。 (ウ) 事業者にクーリング・オフ回避行為(クーリング・オフ妨害)があった場合は、消費者の誤解や困惑が解消されるまでクーリング・オフ期間は停止する(法9@(1)但書) ウ 特定消耗品につき使用・消費していないこと(法9@(2)・政令5別表第4) エ 指定商品、指定権利の代金、指定役務の対価が3000円未満でないこと(法9@(3)、政令6) |
|
| A行使方法: 書面により申込の撤回又は契約の解除ができる。(法9) 口頭によるクーリング・オフも有効だが、立証の問題。 |
||
| B効果: 無条件解約となり、 ア 販売業者は損害賠償・違約金等の請求ができない(法9B) イ 商品返送費用は販売業者の負担となる(法9C) ウ 提供済みの役務の対価は支払不要(法9D) エ 販売業者は受領した金銭を速やかに返還する義務を負う(法9E) オ 提供済み役務に関する原状回復費用は業者の負担となる(法9F) |
||
| C強行放棄(法9G): 消費者に不利な特約は無効 |
||
| 勧誘行為の規制 | @不実告知の禁止(法6@) A故意に事実を告げない行為の禁止(法6A) B威迫困惑行為の禁止(法6B) C販売目的を隠して公衆の出入りしない場所で勧誘する行為の禁止(法6C) @Aについて事業者に違反があった場合、消費者は契約の申込又はその承諾の意思表示を取り消すことができる。(法9の2@) |
|
| 過量販売(次々販売)について | 改正法: 高齢者等の判断能力が低下した者に対して次々と強引に商品を販売する「過量販売」「次々販売」による深刻な被害。 ⇒ 訪問販売に係るその日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約等の申込者等は、その売買契約等の撤回、契約の解除を行うことができる。(過量販売解除権) 裁判例: 呉服過量販売の事案で、公序良俗違反を理由に売買契約の一部について無効と判断する判決が相次ぐ。 |
|
| 通信販売 | 郵便その他省令で定める方法で申込を受けて行う取引。 電話勧誘販売を除く。 |
|
| 指定商品制あり。 | ||
| 広告規制あり。(法11) 電子商取引の場合、広告義務はより詳細。 |
||
| クーリング・オフの規定なし。 | ||
| 返品特約がない場合は、広告にその旨の記載をしなければならず(法11(4))、返品特約の有無を表示しなかった場合には、返品可能とみなされる。 | ||
| 迷惑広告メール: 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律と特定商取引法の通信販売のルールの適用。 |
||
| 電話勧誘販売 | 事業者から電話をかけ(又は政令で定める方法でかけさせ)、その電話において行う契約締結の勧誘により、消費者から契約の申込を郵便・電話等により受ける(又は郵便・電話等により契約を締結する)取引 | |
| 指定商品制あり | ||
| クーリング・オフ期間は法定書面受領日から8日間(法24) | ||
| 連鎖販売取引(マルチ商法) | 指定商品制なし。 | |
| 広告規制あり(法35) | ||
| クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から20日間(法40) | ||
| 中途解約権・違約金規制あり(法40の2) | ||
| 特定継続的役務提供 | 「エステティックサロン」「外国語会話教室」「家庭教師等」「学習塾」「パソコン教室」「結婚相談紹介サービス」の指定6業種に関する規制 | |
| 広告規制あり(法43) | ||
| クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から8日間(法48) | ||
| 中途解約権・違約金規制あり(法49) | ||
| 業務提供誘引販売取引(内職商法・モニター商法) | 指定商品制なし。 | |
| 広告規制あり(法53、54) | ||
| クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から20日間(法58) | ||
| ネガティブ・オプション(送りつけ商法) | 消費者からの商品購入の申込を受けないで、事業者が売買の申込をし、かつ商品を送付すること。(法59) | |
| 消費者は、一方的に送りつけられた商品の購入義務、返送義務を負わない。 | ||
| 商品を使用・消費したときは購入したものと扱われる。(民法526A) | ||
| 商品を受領した日から14日までに(引き取りを請求したときは7日)消費者が商品の購入を承諾せず、事業者が引き取らないときは、事業者は商品の返還請求権を喪失する。 | ||
| 方針 | まず契約を解消し、販売業者等に対する未払金の支払拒絶、既払金の返還請求。 法律・政令・省令・通達の理解が必要。 特商法の適用が困難でも、消費者契約法は民法等の規定を駆使して、消費者被害の救済を図る。 通達:(経産省HP) |
|
割賦販売法 |
||
| 改正法関係 | 2008年6月11日成立 2009年末までに施行 | |
| ・販売方法に問題があれば、既に支払った代金の返還請求が可能に ・信販業者に登録制を導入し、加盟店が適正に販売しているか確認を義務付け ・信販契約にもクーリングオフを導入 |
||
クレジット取引 |
@割賦販売(法2@) Aローン提携販売(法2A) B割賦購入あっせん(法2B)(改正法では、信用購入あっせん) C前払式特定取引(法2D) を規制 C以外は、商品(役務・権利を含む)の対価を後払いする販売信用取引(クレジット取引) |
|
| Bの割賦購入あっせん(信用購入あっせん) 割賦購入あっせん業者の加盟店である販売業者が購入者に商品を販売し、割賦購入あっせん業者が加盟店たる販売業者に対価相当額を交付し、割賦購入あっせん業者が購入者から割賦払いで対価を受領する、三者間取引。 ア 総合式:あらかじめ与信枠を設定してクレジットカード等を発行し、販売業者にカード等を提示してクレジットを利用する形式 イ 個品式:商品購入の都度クレジット申込書を作成してクレジットを利用する形式 |
||
| クレジット取引の利点 | 消費者:手元不如意でも欲しいときに欲しいものが購入できる。 販売業者:販売促進が図れ、消費者の代金支払いを待つことなく、一括して代金回収が図れる。 |
|
| クレジット取引の被害 | @違法・不当販売型: 悪質業者は、クレジット取引を利用して違法・不当な販売を行い、場合によってはその後間もなく雲隠れするようなケース。 A過剰与信型: 販売業者は、代金回収見込を考慮することなく高額商品・消費者にとって無用な商品を販売。 |
|
| 規制対象 | @割賦要件: 「期間2か月以上かつ回数3回以上」の分割払い及びリボ払式(総合式の場合)のみが対象 ⇒悪質な業者は、購入者が無職でも、割賦販売法の規制から逃れるためボーナス一括払いのクレジットを契約させるようなケース。 ⇒改正法では「2か月以上」といし、2か月以上先の1回払いや2回払いも規制の対象とした。(割賦払取引規制法ではなく、販売信用取引規制法) A指定商品・役務制 : 指定から漏れた商品販売等で被害が生じ、後追い的に商品・役務を指定 ⇒改正法では、指定商品・役務制を廃止し、原則としてすべての商品販売・役務提供を規制対象とした。 |
|
| 主な規制内容 | @書名交付義務、クーリング・オフ 改正法は、 個品式クレジット業者に対しても、契約書面の交付義務を課し(法35の3の8) 訪問販売に伴う個品式クレジット契約にクーリング・オフを導入(法35の3の10、同11) |
|
| A過剰与信の防止 | ||
| B抗弁対抗 現行法:購入者がクレジット代金の支払請求を受けたときは、商品の販売につき、それを販売した業者に対して生じている事由をもって、当該支払いの請求をするクレジット業者に対抗できる。 ⇒購入者は販売契約について販売業者に抗弁事由が存すれば、クレジット業者に対しても、未払い金の支払い拒絶が可能になる。 but抗弁対抗の効果としては、既払金の返還請求までは認められない。 ⇒ 改正法では、一定の場合には既払金の返還が可能な条項が盛り込まれた。 |
||
| 被害の予防と救済 | 違法・不当販売型 (ex.倒壊の恐れと騙され住宅リフォーム) |
@現行法の下での救済: ア 抗弁対抗(詐欺取消、錯誤無効)による未払金の支払拒絶 ⇒未払金の支払拒絶はできるが、既払金の返還請求は困難。 イ 加盟店管理義務違反に基づく損害賠償請求 but業者と信販会社の内部関係に関するもので立証困難 ウ 消費者契約法5条に基づくクレジット契約の取消 |
| A改正法による新たな予防、救済策: ア 予防策 (ア) 販売契約調査義務・不適正与信防止義務(but訪問販売等についてのみ適用) 個品式クレジット業者に対し、訪問販売等の特商法適用契約について個品式クレジット契約を締結しようとする場合には、不当勧誘行為の調査義務を課した。(法35の3の5) その結果不当勧誘行為があると認めるときは、個品式クレジット業者にクレジット契約の締結を禁止。 (イ) 業務適正化義務 個品式クレジット業者に対し、購入者保護のため、顧客の適合性や契約の目的に照らして適切な業務の実施や購入者からの苦情の適切かつ迅速な処理のため必要な措置を講じる義務を課した。(法35の3の20) イ 救済策(不実告知・事実不告知による取消)(but訪問販売等についてのみ適用) (ア) 訪問販売業者等が、販売契約及びクレジット契約を勧誘する際に販売契約・クレジット契約の特定の重要事項につき、不実の告知をしたことにより購入者がそれを事実と誤認して契約をした場合や、故意に事実を告げないことによりその事実が存在しないと誤認をして契約した場合、クレジット契約を取り消すことができる。(法35の3の13) |
||
| 過剰与信型 (ex.訪問販売で100回以上にわたり次々と布団を購入) |
@現行法の下での救済: ア 意思能力の欠缺による無効 but単に気が弱くセールスを断れない事例もあり、限界がある。 イ 公序良俗違反による無効 売り方に問題があり、公序良俗違反によるクレジット契約の無効、あるいは公序良俗違反による販売契約の無効の抗弁対抗 but高齢者の被害者も多く、個々の契約におけるやりとりを再現できない事案も多い⇒主張・立証が困難。 |
|
| A改正法による新たな予防、救済策: ア 予防策(過剰与信防止義務) 改正法において、個品式クレジット業者に対して、指定信用情報機関が保有する特定信用情報を利用して、購入者の個別支払い可能見込額(居住用住宅その他経済産業省令で定める資産を処分することなく、かつ、生活維持費に充てるべき金銭を使用することなく、支払いができる年間額)を調査する義務。(法35の3の3@〜B) その上で、個別支払い可能見込額を超える契約を原則禁止(法35の3の4) イ 救済策(過量販売解除)(but訪問販売等についてのみ適用) 特商法により、購入者が訪問販売等で通常必要とされる分量を著しく越せる商品購入契約をしたときは、契約締結日から1年間は、同販売契約を解除できる。 その場合、販売契約と共に、クレジット契約も解除できる。(法35の3の12) |
||
消費者契約法 |
||
| 意義 | 概要 | 「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差」(法1条)を前提に、 @事業者の不適切な勧誘により、消費者の意思形成が正当になされないまま契約が締結された場合の取消権(不当勧誘による取消) A消費者にとって不当な内容の契約条項の無効(不当条項の無効) B適格消費者団体による、事業者の不当勧誘行為・不当条項利用に対する差止請求権の行使(消費者団体訴訟制度) が3本柱。 |
| 制定の背景 | 個別の消費者保護立法(特商法、割賦販売法等)では、特定の分野にしか規制が及ばす、被害救済は限定的なものになる。 民法の規定(公序良俗違反、詐欺、強迫など)は、対等な当事者間を前提とし、各要件は厳格に定められる。また、規定の抽象性から、各要件の該当性は不明確。 |
|
| 適用対象と事業者の努力義務 | 適用対象 | 消費者と事業者との間で締結される契約(法2B) 消費者:事業として又は事業のために契約の当事者となる場合でない個人(法2@) 事業者:法人その他の団体又は事業として若しくは事業のために契約の当事者となる場合における個人(法2A) |
| 事業者の努力義務 | 契約条項を明確かつ平易にすること 消費者に対して必要な情報を提供すること (法3) 努力義務規定⇒本条のみで直ちに民事上の効果(取消権、損害賠償責任など)が発生するわけではない。 |
|
| 不当勧誘による契約の取消 | 取消権の行使期間 | 追認をすることができる時から6ヶ月 契約の締結の時から5年 ←取引の早期安定化の要請と要件を緩和して取消権を認めることとのバランス。 |
| 誤認類型 (詐欺要件の緩和) |
不実告知(法4@(1)): 「重要事項について事実と異なることを告げ」て勧誘を行う場合。 ex. 宝石の売買について、一般的市場価格がせいぜい12万円程度であるのに、一般的な小売かっくを40万円程度であると告げて購入させたケース。(大阪高裁H16.4.22) |
|
| 断定的判断の提供(法4@(2)) ex. パチンコ・パチスロの攻略法(名古屋地裁H19.1.29)、先物取引について(名古屋地裁H17.1.26) |
||
| 不利益事実の不告知(法4A) ex. 先物取引について(札幌高裁H20.1.25) |
||
| 困惑類型 (強迫要件の緩和) |
不退去(法4B(1)) ex. 自宅の床下に拡散送風機等を設置する請負契約の締結につき、消費者が「換気扇は必要ない」などと言っているにもかかわらうz、午前11時頃から午後6時30分頃まで勧誘して契約。(大分簡裁H16.2.19) |
|
| 退去妨害(法4B(2)) | ||
| 相談状況 | 不実告知に関する相談が多い一方、不利益事実の不告知に関する相談は少ない。 | |
| 媒介の委託を受けた第三者 (法5@) |
4条の取消権の規定は、事業者が第三者に対し、消費者契約の締結について媒介の委託をし、当該委託を受けた第三者(2段階以上も含む)が消費者に対して4条に規定する行為をした場合について準用。 ex. 不動産売買の仲介業者 クレジット契約における販売店(加盟店)は、クレジット契約の当事者ではないが、信販会社から委託を受けてクレジット契約締結の媒介→クレジット契約に関連して販売店が不当勧誘を行った場合は、クレジット契約を取り消すことができる。 |
|
| 不当条項の無効 | 不当条項規制の趣旨 | 原則:契約当事者による自由な決定が尊重される。(契約自由の原則) but 契約不自由の実態 @消費者契約の条項は、事業者が事前に検討して一方的に作成する A契約書などが消費者に事前に交付されなかったり、事前に交付されてもそれに目を通して理解する機会がなく、事業者からの説明も不十分 B契約条項は多岐にわたり、専門的・難解な言い回しが多く使われ、理解が困難 C消費者が個別に事業者と交渉して契約条項の修正を求めることは極めて困難 ⇒不当な契約条項の拘束力を否定する必要。 条項無効判判決は同種の契約全体にも強い影響を与える⇒個別被害救済の手段にとどまらず、約款規制法の色彩を有する。 |
| 事業者の損害賠償責任を免除する不当条項 (8) |
債務不履行、不法行為による損害賠償責任と瑕疵担保責任の全部免除条項は無効。 債務不履行、不法行為による損害賠償責任の一部免除条項も、事業者に故意・重過失がある場合は無効。 ex. 「一切責任を負いません。」 |
|
| 消費者が支払う損害賠償の額を予定する不当条項類型 (9) |
@契約解除に伴う違約金・損害賠償を定める条項について、解除に伴い事業者に生ずべき平均的損害額を超える部分について無効とする場合。(1号) ex. 不当に高額なキャンセル料の定めのうち、高額な部分について無効とするもの。 学納金不返還事案について、授業料不返還条項は無効。(最高裁H18.11.27) 「平均的損害額」の立証責任: 「基本的には、違約金等条項である不返還特約の全部又は一部が平均的な損害を超えて無効であると主張する学生において主張立証責任を負う」(最高裁) |
|
| A消費者が金銭の支払い期日に遅れた場合における違約金・損害賠償を定める条項について、未払金の年14.6%を超える部分についての無効(2号) ex. 家賃の支払いが滞った場合の遅延損害金など。 金銭消費貸借契約については、利息制限法が優先的に適用される。 |
||
| 消費者の利益を一方的に害する不当条項類型(10) | 民法などの公の秩序に関しない規程の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法1条2項の信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とする。 不当条項を包括して規制する一般条項。 ex. 建物賃貸借契約における敷引特約。(神戸地裁H17.7.14) 建物賃貸借契約に関して自然損耗分を賃借人の負担とする特約。(大阪高裁H17.1.28) |
|
| 利用状況 | 解除に伴う違約金条項(9@)と一般条項(10)がほぼ全て | |
| 消費者団体訴訟制度 | 概要 | 内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が、消費者全体の利益のために、事業者を相手に消費者契約法違反の勧誘行為や条項の使用の差止訴訟を提起することを認める制度。 |
| 現状と課題 | 2008年3月31日現在、5つの団体が認定を受けた適格消費者団体として活動し、差止請求訴訟も提起されている。 2008年3月には、景品表示法や特定商取引法へ消費者団体訴訟制度を導入する方案の国会提出が閣議決定。 現在の制度は差止を内容とするもので、事業者が手にした違法収益を吐き出させることはできない。 |
|
| 今後の可能性 | 実態法部分の改正に向けた検討事項 | 議論されているもの @広告や表示を「勧誘」に含めるか A断定的判断の対象を財産上の利得以外に含めるか B不利益事実の不告知を使いやすいものにすべく要件を緩和するか C困惑類型を拡張するか D動機を「重要事項」に含めるか E平均的損害の主張立証責任について何らかの手当をするか F8条、9条以外に不当条項とされるべきもののリストを追加するか(ex.解約権・解除権を制限する条項、専属的裁判管轄条項、仲裁条項) G10条を使いやすいものとすべく要件を緩和するか H情報提供義務を法的義務とするか I適合性原則を明示するか |
投資者保護法制 |
|||
| 2007年9月30日、金融商品取引法の全面施行。 | |||
| 最近の投資者被害 | @証券被害 従来から、信用取引、ワラント、過当取引等の被害 ア EB、日経平均リンク債等の仕組み債(デリバティブを債券に組み込んだ商品)等、規制緩和による新規の複雑な仕組みのハイリスク商品による被害 イ 社債、投資信託等、以前は比較的安全な商品と考えられていた商品類型に危険性の高い商品が登場し、被害が生じる。 ウ 偽計・風説の流布、有価証券報告書虚偽記載等市場に対する不正行為により大規模な被害が生じている。 エ 無登録業者による未公開株式等明らかに犯罪に該当する事例 |
||
| A商品先物取引被害 ア 国内公設取引では、手数料自由化による競争の激化等を背景に、被害事例が拡大し、破綻・廃業する業者もでている。 イ 規制が極めて不十分な海外商品先物取引や海外商品先物オプションでの被害 ウ ロコ・ロンドン金取引等、規制の隙間を狙った商法の続出。 |
|||
| B詐欺的な投資商品による被害 平成電電・近未来通信等の事例のように、被害が大規模で、当該業者が破綻し、被害回復が困難な事例。 |
|||
| 法律の適用 | 金融商品取引法 | 適用対象は、有価証券の取引とデリバティブ取引(証取法より適用範囲拡大) | |
| 証券・証書が発行されている有価証券(法2@): 信託の受益証券、抵当証券が新たに加えられ、オプション証券・証書の範囲が拡大。 投資信託については、金商法と投信法が適用される。 |
|||
| 証券・証書が発行されていないみなし有価証券(法2A): 投資商品に関する包括規定である集団投資スキーム(ファンド)持分に関する規定の新設をはじめとして、大幅に拡充された。 集団投資スキーム(ファンド)持分は、組合契約・匿名組合契約その他いかなる形式によるかを問わず、 @他者から金銭などの出資・拠出を受け、 Aその財産を用いて事業・投資を行い、 B当該事業・投資から生じる収益等を出資者に分配するような仕組みに関する権利(法2A(5)) ⇒ 従前規制の網がかかっていなかった事業型ファンドを含め、金融分野の投資商品についてほぼ規制の網がかけられた。(財産規制などの要件を満たした上での登録が必要で、行為規制が適用される。) |
|||
| デリバティブ取引: デリバティブ取引の定義を設け(法2S〜23項)、有価証券デリバティブ取引、金融先物取引を統合したほか、通貨・金利スワップ、クレジット・デリバティブ、天候デリバティブ等が新たに規制対象となった。 外国為替証拠金取引も適用対象となった。 |
|||
| 預金・保険等 | 預金や保険は金商法に統合されず。 預金については、銀行法等、保険については保険業法が、適用される。 投資性のある商品(仕組み預金、変額年金保険等)には、金商法の行為規制に関する条項が準用され(特定預金に関する銀行法13の14、52の45の2、特定保険に関する保険業法300の2)、規制の横断化が図られた。 |
||
| 商品先物取引等 | 所管が金融庁ではなく経済産業省・農林水産省⇒商品先物取引等に適用される法律は従前どおり。 | ||
| 国内商品先物取引: 商品取引所法(商取法)が引き続き適用される。 金商法との横並びの行為規制が行われた。(商取法213の2以下) |
|||
| 海外の商品デリバティブ: 業法上の手当てはない。 海外商品先物取引には、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律(海先法)が適用され、海外商品先物オプションやロコ・ロンドン金取引等については、業法上の規制が行われていない。 but 海外商品先物取引と海外商品先物オプションは金融商品販売法(金販法)の適用対象とされ(金販法2@(11)、施行令5(3))、その後、海外商品先物オプションとロコ・ロンドン金取引等は特定商取引法の適用対象とされた(特商法施行令3B別表第3の21項)。 |
|||
| 金商法の規制及び改正金販法の概要 | 行政法規違反は、不法行為法等における業者の違法性の重要な要素となる。 | ||
| 規制の柔構造化 | 金商法では、投資商品の特性、金融商品取引業者の特性、投資者の特性に応じて、規律の内容が定められる。 | ||
| 開示規制: 流動性の高い上場有価証券の発行者等については、財務報告に関する内部統制報告制度、四半期報告制度及び経営者による確認書制度を義務付ける。 流動性に乏しいみなし有価証券については、原則として公衆縦覧型の開示規制を適用しないこととし、例外的に主として有価証券に投資を行う投資型ファンド等に開示規制を適用する。(法3(3))(事業型ファンド等には開示規制は適用されず、開示規制として不十分。投資型ファンドについても、500名以上の者が所有することとなる場合を適用対象としており(施行令1の7の2、1の8の2)、適用除外が広範。) |
|||
| 業規制: 金商法では、金融商品取引業を 第1種金融商品取引業、第2種金融商品取引業、投資助言・代理業、及び投資運用業の4つに区分し(法28)、それぞれに応じた参入規制(登録許否要件)を定める。(法29の4) プロ向けファンドの販売・勧誘または運用を行う者は、適格機関投資家等特例業務として登録制でなく届出制とされる。(法63) (適格機関投資家等特例業務では、行為規制が基本的に適用されないが(金商法63の3B)、49名までの一般投資家に対して販売できる。(施行令2B(3)) |
|||
| 行為規制: 投資家を特定投資家(プロ)と一般投資家(アマ)に区分し、一般投資家の取引には投資家保護に十分な行為規制を適用し、特定投資家の取引には緩和された行為規制を適用。(法2条31項、34条〜34条の5、45条) 上場会社・資本金が5億円以上と見込まれる会社等が特定投資家(定義府令23条)、上記以外の法人や個人が一般投資家。 法人や一定の要件を満たす富裕層個人は特定投資家へ移行できる。 |
|||
| 行為規制の整備 | 販売・勧誘に関する規制 |
広告規制(金商法37・金商業等府令72〜)、契約締結前交付書面(金商法37の3・金商業等府令82〜、手数料等が記載事項とされた)、禁止行為(金商法38、金商業等府令116〜)、適合性の原則(金商法40)等が規定される。 | |
| 禁止行為: 訪問・電話勧誘(不招請勧誘)の禁止に関する規定がおかれたが、その適用対象は店頭金融先物取引に限られる。(金商業等府令116) 相対取引である店頭外国為替証拠金取引は、訪問・電話勧誘が禁止されるが、市場外国為替証拠金取引は訪問・電話勧誘が認められることとなった。 契約締結前交付書面の交付等の際に、重要事項に関して「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引を締結する目的に照らして当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明」をしないで契約を締結する行為が定められた。 (金商業等府令117@(1))⇒不法行為法上の説明義務の根拠の1つとなりうる。 説明義務の内容として、「損失が生ずるおそれがある旨」に加えて「その理由」を求めている。 これは、書面交付の際の説明義務として規定されているが、金商法では書面交付義務に関して適用除外の定めをおいているので、要注意。(金商業等府令80) |
|||
| 適合性の原則: 考慮要素として、契約締結目的が加えられている。 尚、最高裁H17.7.14判決 |
|||
| 顧客資産の分別管理についても規定が整備されているが(法43の2〜)、店頭外国為替証拠金取引等において緩和された区分管理が許容されており(金商法43の3、金商業府令143@)、業者が破綻した際に顧客資産が返還されないなどの問題が生じている。 | |||
| 運用に関する規制 | 運用を行う投資法人、投資信託の委託業者及び投資顧問業者等(多くは従前許可制であったが、投資運用業は登録制とされた。投資顧問業法は廃止された。)、並びに、主として有価証券に投資する集団投資スキーム(投資型ファンド)の運用者等は、金商法では、投資運用業の規制を受ける。(金商法28C) 投資運用業については、忠実義務、善管注意義務、自己執行義務、分別管理義務等の行為規制が定められている(金商法42以下)。 |
||
| 改正金販法 | 不法行為の特則であるが、金商法の整備に伴う改正により、規定の充実が図られた。 | ||
| @説明義務の内容に「取引の仕組みのうちの重要な部分」が加えられ、 A説明義務の程度について、「顧客の知識、経験、財産の状況及び当該金融商品の販売に係る契約を締結する目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度による」べきことが明らかにされた(金販法3)。 B断定的判断の禁止に関する規定が新設された(金販法4)。 |
|||
| 商品取引所法改正 | 2004年改正により、委託者保護の強化が図られ、金商法の整備に伴う2006年改正により、金商法・金販法にならった横並びの規制がなされた。 | ||
| 2004年改正 | 取引証拠金の商品取引所預託(商取法103等)、分離保管義務の厳格化(商取法210、省令98)、委託者保護基金の制度の整備(商取法269〜327)等による委託者資産の保全制度の拡充。 勧誘規制の強化(商取法214(5)〜(7))、適合性原則の行為規範の明確化(商取法215)、説明義務と損害賠償責任(商取法218)、両建規制(商取法218(8)(9)、省令103(9))、向い玉規制(商取法214(9)、省令103(1))等による委託者保護の強化。 主務省から「商品先物取引の委託者の保護に関するガイドライン」が公表されている。 |
||
| 2006年改正 | 金商法の規制にならい、広告規制(商取法213の2)、虚偽告知の禁止(商取法214(2))、適合性の原則(商取法215)、説明の程度(商取法218A)、断定的判断の提供(214(1)、218B)、金販法の一部準用(商取法220の3)等が整備された。 損失補てんの禁止(商取法214の2、省令103の2)が導入された。 ⇒改正法が施行された2007年9月30日以降、1000万円を超える示談では主務大臣の事故確認を受けなければならず、1000万円以下の示談では委託者側代理人は事故確認書面を業者に交付しなければならない。 被害が多発している商品先物取引については、訪問・電話勧誘(不招請勧誘)の禁止の導入が切望されているが、見送られた。 |
||
| 保険法・保険業法改正 | 2005年改正 | 無認可共済の規制⇒法的根拠を有しない共済は、保険業法の適用が除外されるものを除き、少額短期保険業の登録等が必要。⇒2008年4月施行で、消費者被害をもたらすような共済に実効ある規制が来た際されるが、PTAの安全互助会や知的障害者の入院互助会等の自主共済の存続が困難となる等の副作用。 | |
| 2007年 | 政省令の改正により、クーリング・オフができる場合が拡大され(保険業法施行令45条)、投資性のある保険商品について特定早期解約制度が設けられた。(保険業法施行規則11(3)の2)) | ||
| 2008年3月 | 保険法案が国会に提出。 現行商法には規定のない傷害疾病保険に関する規律が整備されており、告知妨害に関する規律、責任保険における被害者の先取特権、保険金受取人の介入権等が盛り込まれる。 |
||