シンプラル法律事務所
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論点体系会社法

★T 割賦販売法の全体像  
  ◆1 制定の経緯
  ◆2 制定後の法改正の経緯と概要
     


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  ◆1 制定の経緯
  ◆2 制定後の法改正の経緯と概要
     
     
     
会社法4  
     
第3編 持分会社  
     
     
     
第2章 社員  
第1節 社員の責任等  
580条(社員の責任)  
    会社法 第五八〇条(社員の責任)
 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合
二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。)
2有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
     
     
     
     
     
     
     
     
第2節 持分の譲渡等  
585条(持分の譲渡)  
    第五八五条(持分の譲渡)
社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
2前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。
3第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。
4前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
第3章 管理  
第1節 総則  
590条(業務の執行)、591条(業務を執行する社員を定款で定めた場合)(p395)  
    会社法 第五九〇条(業務の執行)
社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
2社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。
3前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。
    会社法 第五九一条(業務を執行する社員を定款で定めた場合)
業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。
2前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
3業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。
4業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。
5前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。
6前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
  ◆条文の概要 
    持分会社:
(1)定款に別段の定めのない会社⇒各社員が業務執行権を有する。
(2)業務を執行する社員を定款で定めた会社⇒当該社員が業務執行権を有する。
業務執行権を有する社員が2人以上ある持分会社であって定款に業務執行の決定方法に関する別段の定めなし⇒当該社員の過半数をもって会社の業務を決定。
     
     
     
     
     
     
     
     
第4章 社員の加入及び退社  
第1節 社員の加入  
     
第2節 社員の退社  
606条(任意退社)  
     第六〇六条(任意退社)
 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。
2前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
3前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。
  ◆論点1 退社の意義 
    退社:持分会社においては、会社の存続中に特定の社員の社員資格が絶対的に消滅すること。
     
  ◆論点3 やむを得ない事由 
    やむを得ない事由⇒いつでも退社することができる。
    「やむを得ない事由」:社員が単に当初の意思を変更したいというだけでは足りず、定款規定を定めたときや入社・設立時に前提としてた状況等が著しく変更され、もはや当初の合意どおりに社員を続けることができなくなった場合等。
    肯定事例:
・・・退社をなすべき社員各自についてこれを決すべきことはもちろんであるが、これを決するについては、各場合における当該社員を中心とする全ての事情を斟酌すべきであり、当該社員の一身上の事情のみに着眼し、その他の事情を斟酌すべからざるものとしてはならない。
(1)合資会社における唯一の無限責任社員が死亡し、定款の規定によってその地位を承継した未成年の訴因権者によっては事業を遂行して利益をあげることが困難になったこと
(2)その親権者と他の社員との間で他の事件について争いが生じ、会社の事業経営や計算関係についても紛争を重ね、互いに感情が疎隔して収拾できなくなるに至ったこと、
(3)会社の解散についても協議を行ったが、財産の処分方法について争いが生じて解散もできなかったこと
⇒有限責任社員4名の退社が認められた。
大阪市に本店を有し、他に営業所がなく、専ら大阪市を営業の中心としていた合名会社の社員が、大阪市から東京に転居したために社員として関与ができなくなった場合に退社を認めたもの。
他の社員との間に不和を生じ、互いに信用を失った合資会社の有限責任社員の退社を認めたもの。
    否定事例:
会社の定款で競業禁止に関する重大な制約について定められているとか、会社が新年宴会を開くに当たり、当該社員を除外した事由。
会社が経営不振にして、前途に事業の成功の見込みがないこと。
     
611条(退社に伴う持分の払戻し)  
    第六一一条(退社に伴う持分の払戻し)
 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。
2退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。
3退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
4退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。
5社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。
6前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
7社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。
  ◆条文の儀容 
    退社に伴う持分の払戻⇒会社財産が社外に流出
but
(合名会社・合資会社については)
他の無限責任社員に対して責任を追及し得る
(ただし、別途、詐害行為取消しの問題は生じ得る)
612条において、退社社員も登記する前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任がある旨を定めている。
    合同会社では、会社財産のみを責任財産⇒退社に伴う持分の払戻しについて、635条、636条において特則。
  ◆論点1:払戻しの対象となる持分とその評価
    持分:
(1)社員の社員たる地位(社員権)
(2)会社の純財産額に対して社員の有する分け前を示す計算上の数値
    財産目録と貸借対照表が作成
←社員の退社による持分の払戻しは一部清算の性質を有する
    財産の評価方法:
A:事業の存続を前提として財産等を評価・記載すべき
B:厳正な時価評価によることを要する
←一部清算の性質を有する
Aでも、必ずしも、毎事業年度の財産目録及び貸借対照表と同一の原則に従って財産の額を算出・記載するわけではなく、積極財産の過小評価や債務の過大評価を許さないという趣旨
⇒固定資産につき、適正な範囲内で評価替えをすることは差し支えなく、
原資取得した無体財産権や事実的財産を評価することも許される。
  ※事例 
    最高裁:
中小企業等協同組合法に基づく協同組合における脱退組合員に対する持分払戻しにおいて財産評価が問題となった事案:
一般に、協同組合の組合員が組合から脱退した場合における持分計算の基礎となる組合財産の価額の評価は・・組合の損益計算の目的で作成されるいわゆる帳簿価額によるべきものではなく、協同組合としての事業の継続を前提とし、なるべく有利にこれを一括譲渡する場合の価額を標準とすべきものと解するのが相当
⇒原審が、土地について時価をもって評価し、それに基づいて組合財産の価額を算定したことは正当。
合名会社の退社員の持分の払戻しが問題とされた名古屋地裁の事例:
持分の払戻しにつて、「退社当時における会社財産の状況にしたがいなされるものであるが、右財産の評価方法としては、会社の損益計算の目的で作成されるいわゆる帳簿価額によるべきものではなく、真実の価額によるべきであって、会社の清算や商人の破産の場合の財産評価のように単純な売却価格(清算価格)によるべきではない。
合名会社の社員が退社する際の持分払戻とは、無限責任社員のみからな会社と社員との間のいわゆる財産関係の後しますであって、営業存続中の会社の無限責任社員の地位の経済的価値分を営業尊属中の会社から金銭で分配するものであいr、持分払戻しに応ずるために会社の不動産を処分することが法律上要請するわけではない⇒たまたま当該会社特有の事情によってその必要が生じたとしても、売却処分したことにより課税される法人税等の一部を退社員において負担するいわれはなく、又・・・その経済的価値評価をするに当たって会社の収益力考慮する必要は認められない。
but
合名会社の社員が退社する際の持分払戻は営業存続中の会社の無限責任社員の地位の経済的価値分を営業存続中の会社から分配するもの⇒これを時価以下に過少評価するいわれはない。
最高裁が「協同組合としての事業の継続を前提とし、なるべく有利にこれを一括譲渡する場合の価額を標準とすべきものと解するのが相当である」としているのは、持分払戻の前記意義に照らし、通常の場合事業が継続されている状態で一括譲渡した場合の評価の方が単純な売却価格の合計より高いことから、右標準を掲げているのにすぎないのであって、換言すれば、なるべく有利な価額によるべきであって少なくとも時価以下の過小評価がなされるべきではないことを示していると解するのが相当・
合資会社社員の退社による持分払戻につき、それが「組合的な色彩を残すものとして、会社資産の一部清算という側面があるとみることも可能であると思われる。これに加え・・・収益方式につきまとう不確実性等も考慮し、本件においては、収益方式(DCF法)と純資産方式(清算処分時価純資産方式)とを併用し、前者による評価額と後者による評価額を6対4の比で加重平均した金額をもって払戻持分額とするのが相当と認められる」とした事例
     
     
     
612条(退社した社員の責任)  
    会社法 第六一二条(退社した社員の責任)
退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
2前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
会社法●  
     
     
第7編 雑則  
     
     
     
     
第5節 持分会社の社員の除名の訴え  
☆859条 〜862条
     第八五九条(持分会社の社員の除名の訴え)
 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる
一 出資の義務を履行しないこと。
二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。
三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。
四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。
五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。
第八六〇条(持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え)
 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。
一 前条各号に掲げる事由があるとき。
二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき
第八六一条(被告)
次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。
一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員
二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員
第八六二条(訴えの管轄)
持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
     
     
     
     
  ◆論点4:除名事由、業務執行権・代表権の消滅事由 
  @出資義務違反(1号)
A競業避止義務違反(2号)
B業務執行・代表における不正行為等(3号、4号)
Cその他の重要な義務違反(5号)
  除名は社員の意思に反して強制的に社員の地位を奪うもの⇒単に形式的に除名事由があるだけでは足りず、当該行為により社員間の信頼関係が損なわれる等により、会社の事業の継続に著しい支障があるため、当該社員の除名がやむを得ないといえるような事情を要するといた裁判例(東京高裁)。
  3号の「不正の行為」
  4号
  5号:文理上、客観的に重大な義務違反があり、そこに社員の過失が認められれば除名自由に該当。
but
除名の事由としては、違反された義務の客観的軽重より、主観的情状をしん酌して義務違反自体の軽重によって定める(したがって過失の軽重を考慮する)ことが妥当であるとされる。 
  業務執行権・代表権の消滅請求については、859条1〜5号所定の事由がある場合のほか、社員が業務を執行し、又は会社を代表することに著しく不適任なときも認められる(860条2号)
「著しく不適任なとき」:精神的・肉体的理由によってその任に堪えないことをいう。
     
  第8編 罰則
☆960条  
規定    第九六〇条(取締役等の特別背任罪)
 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 発起人
二 設立時取締役又は設立時監査役
三 取締役、会計参与、監査役又は執行役
四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者
五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者
六 支配人
七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人
八 検査役
2次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。
一 清算株式会社の清算人
二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者
三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者
四 清算人代理
五 監督委員
六 調査委員
  ◆論点1 構成要件 
  ◇本罪の主体:株式会社に対して、委任契約に基づき、善良なる管理者の注意をもってその事務を処理する義務(民法644条、会社法330条等)を負っている。 
 
 「自己」:株式会社の事務を処理する行為者自身
「第三者」:行為者と株式会社以外の者
判例:「図利加害の点につき・・・必ずしも意欲ないし積極的認容までは要しない」

加害行為と故意との区別は必ずしも明確ではない。
@「加害目的」よりも「図利目的」を重視する
A「決定的な同機」が自己又は第三者の利益を図ることにあった場合には、「図利目的」を認める
B損害の認識・認容をもって加害目的を認めることもある等の傾向
  ◇「その任務に背く行為」(任務違背行為)

法令・定款・内部規程違反の行為は、任務違背行為であると評価される可能性が高いが、実質的に株式会社に不利益になる行為か否かという観点から判断されるべき。 
  ◇(3) 「財産上の損害」:
経済的見地において本人の財産状態を評価し、被告人の行為によって、本人の財産緒価値が減少したとき又は増加すべかりし価値が増加しなかったとき。
積極的損害(財産の価値が減少したとき)のほか消極的損害(増加すべかりし価値が増加しなかったとき)も含まれる。