シンプラル法律事務所
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勉強会(提携契約)

企業提携総論 
@販売提携 A技術提携 B資本提携(合弁会社) C企業買収(株式売買)

提携契約の実務
★企業提携総論
★企業提携総論 企業提携とは 企業提携(アライアンス):
企業が共同で事業を行うことであり、各当事者が資金、技術、人材等を出し合って、既存事業の拡大や新規事業の立上げ等を目指すもの。
@業務提携
A資本提携
B@Aを組み合わせる包括提携
敵対的買収に対する防衛策の意味。
@資本提携⇒安定株主を創出。
A提携契約にチェンジオブコントロール条項⇒買収者が買収に成功した場合に、相手方が提携契約を解消することにより、企業価値を意図的に減少させる効果。
M&Aとの違い 相手方の事業または会社に対する支配権の取得を求めるかどうか。
M&A:
@経営権の取得
A買収資金が必要になるか、合併、株式交換や会社分割のように対価として自社の株式を発行することが必要。
B敵対的に行うことも可能。
企業提携:
@経営権の取得まで至らない。
A柔軟で緩やかな協力関係。
B一時に多額の資金が必要になることはない。
C双方が合意しないと成立しない。
共通:
相手の経営資源を活用する。
手法 M&A:
T:株式取得
(1) 株式譲渡
@ 大株主からの譲渡
A 市場での買集め
B 株式公開買付

(2) 新株引受
@ 第三者割当増資
A 新株予約権や新株予約権付社債の取得

(3) 株式交換・株式移転

U:事業譲渡
(1) 事業の全部譲渡
(2) 事業の一部譲渡

V:会社分割

W:合併
企業提携:
T:資本提携
(1) 経営関与のない株式取得
(2) 合弁会社設立

U:業務提携
(1) 技術提携
(2) 販売提携
(3) 生産提携
業務提携 A (1) 技術提携 (1) 技術提携
他社の有する技術資源を自社の開発、製造、販売などに活用するプロセス。
契約形態は、特許やノウハウのラインセンス契約や共同開発契約等。
ライセンス契約の場合:
ライセンサー⇒自社技術の保護と適正な対価の回収が
ライセンシー⇒技術の利用可能性と適正な対価の支払が
それぞれ重要。
自社の中核技術⇒秘密保持等の観点から、交渉がブレークした場合や提携を解消する場合の措置について、より慎重に検討する必要。
(2) 生産提携 (2) 生産提携
販売店が、メーカーの生産資源を活用して、自ら指定した設計・仕様に基づいた製品を製造させ、その供給を受ける契約。

生産設備を自前で持つことは大きな負担となるので、すでに設備を持っているメーカーの資源を活用する。
OEMと違って、販売店が製品に独自の付加価値を加える。
製品の仕様、品質レベル、原材料、製造数量、対価などが重要になる。
(3)
販売提携
(3) 販売提携:
販売店契約、代理店契約、OEM契約等を結び商品を販売する。
他社の有する販売資源、つまりブランド、販売チャンネル、販売人材などを活用する方法。
@ @ 販売店契約:
販売店(ディストリビュータ)が、自己の名前と計算で仕入れた商品を指定されたテリトリー内で再販売し、在庫リスクを負担する契約。
A A 代理店契約:
代理店(エージェント)がメーカーの代理として、商品を販売する契約。
メーカーの名前と計算でテリトリー内で顧客と売買を行い、メーカーからその売買の額に応じた手数料を取るもので、在庫リスクは負わない。
・売買の当事者はメーカーと顧客⇒代理店の義務の範囲と限定的な役割を明確にする必要。

・顧客との個別契約のフォーム、報告・連絡の方法、宣伝広告の方法などメーカーが代理店に対して細かく指定。

・代理店の利益は手数料収入となる。
手数料の決め方で代理店のインセンティブが異なる。
B B OEM契約:
市場で知名度が低いメーカーが、強力なブランドを持つ販売店のブランドを付した製品を製造し、販売店を通じて販売する形態。
メーカーは、販売店の商標を付けた商品を製造し、販売店はその商品をメーカーから買って再販売。
販売店にとっては、商品のラインアップが充実するメリット。
生産提携と類似する面も。
(4) (4) その他:
仕入提携など
B (1) (1) 水平的提携:
一定の取引分野において競争関係にある企業同士が提携。
(2) (2) 垂直的提携:
生産から消費者への販売に至るまでの各段階のうち異なる段階に位置する企業同士が提携
(3) (3) (1)(2)の複合形態
資本提携とM&A @少数資本参加(合弁会社):
合弁会社を設立したり、株式持合いにより協力関係を築く
A:株式取得(株式交換を含む):
株式を取得して経営支配権を握る。
B:事業譲渡(会社分割・分社を含む):
事業や工場など一部の資産を譲渡する。
C:合併(気ア部式移転による事業統合を含む):
会社や事業を統合する。
コメント より永続的かつ堅固な関係を築きたい⇒資本提携。
一定の出資を行って株式を取得⇒その投資に見合う利益を得るために一定期間の提携を計画。
解消時に、その株式の処分が大きな問題となる。(解消しにくくなる。)
20%程度以上の株式を取得する場合、経営上経営に関与する権利について合意することが多い。
企業提携のプロセス (1) (1) 提携先候補の調査
(2) (2) 提携の手法の選択
手法の選択は、企業提携の目的により自ずと決まってくる。
(3) (3) キックオフ・ミーティング
担当者が一同に会する⇒その後の交渉がスムーズになる。
(4) (4) 秘密保持契約
契約交渉時は、お互いの条件の合意に近づく段階まで部分的な開示にとどめるべき。
また、ノウハウを開示することに相当する価値があるかどうかを検討すべき。
(5) (5) 基本合意書
(6) (6) 簡易デューディリジェンス
M&Aに比べ、簡易なDDが行われるのが一般的。
企業提携の目的・対象に応じて、関連する分野の問題の有無、提携前または後に行うべき手当てなどを調査・確認する。
(7) (7) 正式契約
(8) (8) 実行
資本提携以外の企業提携においては、契約の結果と同時にまたはそれから一定期間後に効力が生じる。
資本提携の場合は株式の譲渡または新株の発行が、契約締結と同時または近接して行われることにより実行される。
(9) (9) ポスト・アライアンス(運営・管理)
(10) (10) 提携の終了
契約上の規定により、または当事者間の合意により終了する。